著者
今井 康晴
出版者
学校法人 三幸学園 東京未来大学
雑誌
東京未来大学研究紀要 (ISSN:18825273)
巻号頁・発行日
vol.9, pp.11-19, 2016-03-21 (Released:2018-12-13)

現代の子育て支援の課題として、「仕事と子育て」の両立が中心的なテーマとなっている。女性の社会進出、次世代育成など子どもを産み育てやすい社会の構築が、エンゼルプラン以降、20 年来の課題である。これらをふまえ、本論文では、未曾有の不景気とされる昨今の社会状況と対照的なバブル期(1986~1991)の社会状況との検討を行い、経済、社会状況の変動による子育ての変化をみるとともに、社会情勢と子育ての在り方を問うことを主な目的とした。バブル期における子育ては、現在の子育て支援よりも乏しく、また少子化が取り上げられた1.57 ショックが1990 年であることを踏まえると、好景気とされる時代に少子化が指摘されたこととなる。これらの背景には、少子高齢化社会の高齢化への対応が優先されたことや保育施設の量的側面の不備が挙げられる。景気の良い時代に、少子化が問題化されたことを踏まえると、景気が良くなれば結婚、出産という短絡的な発想にはならないということが明らかにされた。
著者
今井 康晴
出版者
学校法人 三幸学園 東京未来大学
雑誌
東京未来大学研究紀要 (ISSN:18825273)
巻号頁・発行日
vol.10, pp.11-16, 2017-03-31 (Released:2018-12-03)

本研究では、バブル期前半の子育て支援について明らかにすることを目的とした。その手がかりとして1986年~1988年にかけての保育雑誌『保育の友』に焦点を当て検討を行った。『保育の友』は主に保育所保育に特化した雑誌で、バブル期の社会情勢とそれに伴う保育問題が示されている。その主な傾向として、国の保育に対する冷遇、女性の社会進出と子育て、社会状況の変化に求められる保育、子育てのネットワークなどが論じられた。このいずれのテーマも、現代における保育問題と合致し、現在進行形の課題であることが明らかにされた。加えて、これまでの我が国の保育行政の失策、課題も明らかにされた。これらの知見をふまえ、保育や子育ては私的なものではなく、公的なものとして子育ての社会化という課題への提言として示唆を得ることができた。
著者
高 英成 中島 昌道 三隅 寛恭 早崎 和也 釘宮 博志 今井 康晴 黒沢 博身 沢渡 和男
出版者
公益財団法人 日本心臓財団
雑誌
心臓 (ISSN:05864488)
巻号頁・発行日
vol.20, no.1, pp.46-50, 1988

症例は13歳,男子.チアノーゼ,易疲労感を主訴とし,当科に入院.精査の結果,complete levotransposition,VSD,PS,1-PA atresia,PDA,PFOと診断し,左肺動脈パッチ拡大術,Rastelli手術を施行し,良好な結果を得た.心外導管には牛心膜をロール状にしたものを作成し,ブタ心膜の三弁を内蔵させ,使用した.大動脈が肺動脈の左前方に位置するcomplete levotranspositionではVSDはsubarterial VSDであることがほとんどであり,PSを合併した場合,Rastlli手術の最も良い適応になる.
著者
杉本 勝俊 森安 史典 安藤 真弓 佐野 隆友 宮田 祐樹 平良 淳一 小林 功幸 今井 康晴 中村 郁夫
出版者
一般社団法人 日本肝臓学会
雑誌
肝臓 (ISSN:04514203)
巻号頁・発行日
vol.55, no.5, pp.290-292, 2014-05-20 (Released:2014-05-30)
参考文献数
3
被引用文献数
1 1

We report a woman in her late 60s with hepatocellular carcinoma in whom the tumor was successfully treated by irreversible electroporation (IRE). Vascular-phase contrast-enhanced US (CEUS) with Sonazoid and dynamic CT at 1 day after treatment showed no tumor enhancement, but the safety margin of ablation appeared to be insufficient. On the other hand, in Kupffer-phase CEUS, the ablation zone showed a clear contrast defect with a sufficient ablation margin, indicating cell death of hepatocytes, cancer cells, and Kupffer cells in this area following IRE treatment. Very similar findings were observed in hepatobiliary-phase Gd-EOB-DTPA-enhanced MRI at 7 days after treatment. These results suggest that both Kupffer-phase CEUS and hepatobiliary-phase Gd-EOB-DTPA-enhanced MRI may be useful for assessing the ablation zone in patients who have undergone IRE.
著者
星野 修一 今井 康晴 石原 和明 沢渡 和男 竹内 敬昌 寺田 正次 三隅 寛恭 新岡 俊治 太田 淳 杉山 喜崇 大野 英昭 久保 英三
出版者
一般社団法人 日本人工臓器学会
雑誌
人工臓器 (ISSN:03000818)
巻号頁・発行日
vol.22, no.3, pp.816-819, 1993-06-15 (Released:2011-10-07)
参考文献数
8

小児(15歳未満)における生体弁置換術の遠隔期成績, 特に弁機能不全につき検討した。1975年1月より78年12月までの4年間に当院で生体弁置換術を行った15歳未満症例中, 病院死亡を除く29症例, 30回の弁置換術症例を対象とした。平均手術時年齢は5.5±3.9歳であった。遠隔死亡は4例で, 実測生存率は82.2カ月で83.0±7.9%であった。人工弁合併症は, thromboembolismは1例(0.93%/patient-year), prosthetic valve endocarditisは2例(1.85%/p-y)であった。structural deteriorationは26例に認められ, 25例が再置換術を行った。再弁置換術は遠隔死亡4例を除く26例に, 術後14カ月から82カ月平均3年9カ月後に行われた。予測非再弁置換術の%Freedomは48カ月で52.3%に低下し, 82.2カ月で0%となり生存症例全例が再置換術を必要とし, 成人例に比し早期かつ高率であった。原因は1例は感染弁, 他の25例はstructural deteriorationであった。