著者
石川 利江 佐々木 和義 福井 至
出版者
一般社団法人 日本認知・行動療法学会
雑誌
行動療法研究 (ISSN:09106529)
巻号頁・発行日
vol.18, no.1, pp.10-17, 1992-03-31 (Released:2019-04-06)
被引用文献数
18

本研究の目的は,2つの社会的不安尺度,Fear of Negative Evaluation Scale(FNE) SocialとAvoidance and Distress Scale(SADS)の日本版標準化であり,健常者300名と対人不安を訴える32名の被検者を調査対象として両尺度の信頼性と妥当性の検討を行うことである。その結果,以下のようなことが明らかになった。(1)日本版FNEとSADSの内的整合性は充分高いものである。(2)両尺度は因子的妥当性,臨床的妥当性が高く,社会的不安の高い者を判別できる尺度である。(3)再テスト法によって得られた両尺度の信頼性係数は,臨床的に用いる質問紙としては充分高いものである。(4)両尺度は,MASとSTAIと有意な高い相関が得られた。したがって,日本版FNEとSADSは,臨床的あるいは研究上の有用性が高いものであることが示唆された。本研究の結果は,社会的不安理論の枠組みで論じられた。
著者
桂川 泰典 国里 愛彦 菅野 純 佐々木 和義
出版者
日本パーソナリティ心理学会
雑誌
パーソナリティ研究 (ISSN:13488406)
巻号頁・発行日
vol.22, no.1, pp.73-76, 2013-07-30 (Released:2013-08-28)
参考文献数
8

The present study developed a Japanese version of the Session Evaluation Questionnaire (J-SEQ), which was translated from the original version of the SEQ (Form 5), and examined its reliability and validity. The respondents were 103 counselors. Exploratory factor analysis (maximum likelihood estimation with varimax-rotation) and confirmatory factor analysis were used to examine the factorial structure of the J-SEQ. The results showed that the J-SEQ had substantial reliability (Cronbach's alpha) and factorial validity. The factorial structure, response tendencies, and the correlations of factors of the J-SEQ were consistent with the original SEQ (Form 5).
著者
小関 俊祐 嶋田 洋徳 佐々木 和義
出版者
一般社団法人 日本認知・行動療法学会
雑誌
行動療法研究 (ISSN:09106529)
巻号頁・発行日
vol.33, no.1, pp.45-57, 2007-03-31 (Released:2019-04-06)
被引用文献数
2

本研究の目的は、児童に対し、EllisのABC理論に基づいた認知的心理教育を行うことによって、抑うつ反応を低減させることであった。対象は小学5年生の1クラス39名を心理教育群とし、1回45分、計2回の認知的心理教育を行った。また、同小学校の5年生2クラス79名を対照群として介入の効果を検討した。抑うつ得点、自動思考得点、スキーマ得点のそれぞれについて、介入前の得点を共変量とし、介入後とフォローアップ期の得点を従属変数とした共分散分析を行った。その結果、心理教育群における抑うつ得点の低減と、自動思考得点、スキーマ得点の機能的な改善がみられた。すなわち、児童における抑うつの低減に対して、認知的心理教育が有効であることが示唆され、さらにその効果は自動思考とスキーマの機能的な変容によってもたらされた可能性が明らかとなった。以上のことから、児童に対する認知的心理教育が、抑うつの低減効果をもつ可能性が示唆された。
著者
本田 ゆか 佐々木 和義
出版者
一般社団法人 日本教育心理学会
雑誌
教育心理学研究 (ISSN:00215015)
巻号頁・発行日
vol.56, no.2, pp.278-291, 2008-06-30 (Released:2013-02-19)
参考文献数
28
被引用文献数
1

本研究では, 小学校1年生の学級づくりに関する担任教師から児童への個別的行動介入の効果について検討した。4月から5月にかけての22日間の授業日において, 当初の3日間をベースライン期, 19日間を介入期, 7月・9月・11月の各3日間をフォローアップ期として教室内での授業場面における教師と児童の行動観察を行い, その記録について分析を行った。その結果, ベースライン期に急激に増加していた児童の問題エピソード数が, 担任教師による複数カテゴリーからの介入によって有意に減少していること, フォローアップ期においても効果が維持されていうことが明らかになった。また, AD/HD児の問題エピソードが, 学級全体の問題エピソード数の減少に影響されて改善されることが示された。さらに, 問題エピソードが多い場合は複数の教師による介入が効果的であること, 教師のプロンプトについては, その回数よりも質やタイミング, フィードバックの方法による効果が大きいことが考察された。
著者
石川 利江 佐々木 和義 福井 至
出版者
一般社団法人日本認知・行動療法学会
雑誌
行動療法研究 (ISSN:09106529)
巻号頁・発行日
vol.18, no.1, pp.10-17, 1992-03-31
被引用文献数
3

本研究の目的は,2つの社会的不安尺度,Fear of Negative Evaluation Scale(FNE) SocialとAvoidance and Distress Scale(SADS)の日本版標準化であり,健常者300名と対人不安を訴える32名の被検者を調査対象として両尺度の信頼性と妥当性の検討を行うことである。その結果,以下のようなことが明らかになった。(1)日本版FNEとSADSの内的整合性は充分高いものである。(2)両尺度は因子的妥当性,臨床的妥当性が高く,社会的不安の高い者を判別できる尺度である。(3)再テスト法によって得られた両尺度の信頼性係数は,臨床的に用いる質問紙としては充分高いものである。(4)両尺度は,MASとSTAIと有意な高い相関が得られた。したがって,日本版FNEとSADSは,臨床的あるいは研究上の有用性が高いものであることが示唆された。本研究の結果は,社会的不安理論の枠組みで論じられた。