著者
津倉 真優子 後藤 春彦 佐藤 宏亮
出版者
公益社団法人 日本都市計画学会
雑誌
都市計画論文集 (ISSN:09160647)
巻号頁・発行日
vol.44.3, pp.559-564, 2009-10-25 (Released:2017-01-01)
参考文献数
8

平成の大合併を経て、行政区域が広がりつつあるなか、地域住民が地域の課題解決のために自律的に集まり、行動していくような住民自治の在り方が模索されている。そして、このような住民の自治的な行動を考える上では、地域共有の場となり得る空間は重要な意味を持つ。本稿では、村櫛酒販売所を対象として、コミュニティ財の運用と情報交流の仕組みに着目し、地域共有の場としての酒場の機能を明らかにする。そのうえで、住民自ら地域共有の場を経営していく知見を得ることを目的とし、コミュニティ財の運用の蓄積によって「酒場」が地域住民に浸透してきたこと、および「酒場」における情報交流の仕組みを明らかにした。そのうえで、住民自ら地域共有の場を経営していく可能性を考察する。
著者
齋藤 嘉克 佐藤 宏亮
出版者
公益社団法人 日本都市計画学会
雑誌
都市計画論文集 (ISSN:09160647)
巻号頁・発行日
vol.54, no.3, pp.1424-1429, 2019-10-25 (Released:2019-11-06)
参考文献数
6
被引用文献数
1

「日本創生会議・人口減少問題検討分科会」は、2040年までに全国の市町村のうち約半数が消滅する恐れがあると発表した。移住定住促進を意図した政策により、近年国民の地方回帰意向が高まりその動きが注目されてきている。本研究では、奄美大島龍郷町秋名・幾里集落を対象地として研究を行なった。本研究対象地は奄美大島龍郷町20集落の中で、若年層のUターン者が多く、2008年から2018年の10年の間で急激に増加している。一般的に沖縄・奄美地域は帰還性が強く定年退職後のUターンについては離島研究の多くでも言及されてきた。しかし、若年層Uターン者の増加やその要因についての分析や報告も少なく、若者の回帰促進を考える上で回帰を促進する要因とその形成プロセスの究明は重要性が高い。
著者
佐藤 宏亮
出版者
日本建築学会
雑誌
日本建築学会計画系論文集 (ISSN:13404210)
巻号頁・発行日
vol.88, no.809, pp.2169-2178, 2023-07-01 (Released:2023-07-01)
参考文献数
17

Differentiation by annual income level was analyzed from the following three aspects.1. The annual income and its changes of each town was estimated over time.2. Classification and its characteristics of each town was analyzed according to their changes over time.3. Differentiation of residential areas according to income levels was analyzed according to the population structure and spatial characteristics of each classified area.
著者
佐藤 宏亮 後藤 春彦
出版者
日本建築学会
雑誌
日本建築学会計画系論文集 (ISSN:13404210)
巻号頁・発行日
vol.66, no.547, pp.201-208, 2001-09-30 (Released:2017-02-04)
参考文献数
34
被引用文献数
1 4

The purpose of this paper is to clarify the urban forming process in the modern silk raising area from the two aspect. The first is the action of wealthy people and second is the urban space, through the analysis of the modernizing process in Honjo-machi. The results are the followings 1) In Honjo-machi, it mordernized rapidly with the change of silk raising system 2) The action of wealthy people kept pace with flow of modernization, and contributed to form the social system 3) And thier action largely affected to industrialization, Finally, the space structure was affected by the silk mill.
著者
木田 恵理奈 後藤 春彦 佐藤 宏亮
出版者
The City Planning Institute of Japan
雑誌
都市計画論文集 = Papers on city planning (ISSN:1348284X)
巻号頁・発行日
vol.46, no.3, pp.481-486, 2011-10-25
被引用文献数
2 1

本研究は、水神祭の運営における商店街組織と地縁組織の連携による社会関係資本構築のプロセスを示すことを目的とし、以下の4点を明らかにした。(1)水神祭復活以前の水神社及び八幡神交会と商店街の関わり、(2)商店街再開発に伴う水神社の変遷、(3)水神祭の運営における各主体の関係構築過程、(4)水神祭復活による効果
著者
今村 真樹子 佐藤 宏亮
出版者
公益社団法人 日本都市計画学会
雑誌
都市計画論文集 (ISSN:09160647)
巻号頁・発行日
vol.57, no.1, pp.210-217, 2022-04-25 (Released:2022-04-25)
参考文献数
10

まちづくりにおいて地域固有の課題に対応するため、行政との協働を担う主体の形成が欠かせない。さいたま市では行政主導による住民自治組織「区民会議」が平成30年度まで設置されており、本研究は、区民会議を対象とし、16年間の活動における位置付けとその変遷、廃止に至った要因、廃止後の取り組みとの関連性に焦点を当て、都市部における住民自治組織の役割と意義について考察することを目的としている。文献調査とヒアリング調査をもとに得た主な考察は以下の通りである。1) 広域での効果的な区民会議の活動を実現することは、議会や予算、条例などとの兼ね合いもあり、容易ではない。2) 区民会議は要綱改正毎に方向性や立場が不明確になっていった。3) 活動や協議範囲の限定、位置付けを変更し、行政とうまく連携させる取り組みであれば、都市部でも住民自治を実現できる可能性があると推察される。
著者
池尾 恵里 後藤 春彦 佐藤 宏亮
出版者
公益社団法人 日本都市計画学会
雑誌
都市計画論文集 (ISSN:09160647)
巻号頁・発行日
vol.49, no.3, pp.825-830, 2014-10-25 (Released:2014-10-25)
参考文献数
4
被引用文献数
1

生活の質の向上と心身の健康の維持のため、高齢者の外出促進の重要性が高まっている。外出行動は高齢者と都市空間との関係を考える上で、都市計画的課題になりつつある。本研究では、要介護者の外出行動の実態とデイサービスが提供する外出支援の課題を明らかにしている。また、調査では大田区の外出支援を行っているデイサービスセンター(以下、DS)において、ボランティアとして勤務しながら、65歳以上の要介護者を対象として、ヒアリングおよび参与観察を行った。本研究では以下の3点を明らかにした。1)利用者の日常生活における外出行動を自立積極型、依存積極型、自立消極型、依存消極型の4類型に分類し、類型別に外出行動の実態を把握した。2)利用者の外出行動に差異を生む要因として、身体状況、家族環境、居住環境、生活習慣の4点が挙げられ、外出行動の促進・抑制に影響することが明らかになった。3)DSによる外出支援サービスの実態を空間的に把握し、利用者が外出支援を利用する理由を明らかにした。以上から利用者の外出行動を類型ごとに考察することによって、DSに求める外出支援の全体像と課題を明らかにした。
著者
石黒 雅之 後藤 春彦 佐藤 宏亮
出版者
公益社団法人 日本都市計画学会
雑誌
都市計画論文集 (ISSN:09160647)
巻号頁・発行日
vol.46, no.3, pp.1027-1032, 2011-10-25 (Released:2011-11-01)
参考文献数
6

この研究は、外国人居住地域における大家の役割を明らかにすることを目的とする。外国人居住地域における大家の役割は1)外国人居住者への生活マナーの指導2)アパート内、近隣の居住環境維持3)外国人居住問題に対するノウハウの蓄積4)外国人居住者の問題解決支援、地域情報の提供支援、コミュニケーションによる支援が、本調査を通して結論づけられた。
著者
今野 美里 後藤 春彦 佐藤 宏亮
出版者
公益社団法人 日本都市計画学会
雑誌
都市計画. 別冊, 都市計画論文集 = City planning review. Special issue, Papers on city planning (ISSN:09131280)
巻号頁・発行日
vol.44, no.3, pp.187-192, 2009-10-25
参考文献数
6
被引用文献数
1 1

商店街は町の中で、商業的な空間としてのみでなく、公共性の高い日々の交流の場としての重要な役割を果たしてきたと言え、商店街の衰退が深刻になる中で、両側面から商店街の維持を考えることは重要であると考える。本研究は、平井親和会商店街と春日町通り商店街を対象とし、商店街関係者の現在置かれている状況と交流の実態との関係を明らかにした上で、商店街の商業機能の維持と人間関係の継承を図っていくためのプロセスを考察することを目的とする。商店街の構造変化の将来予測から、今後商店街において、元商店主、地域外商店主が増加することが予測された。交流の実態との関係から、商店主は商店を継承し地域の中での交流創出の場を守り続け、商業機能と人間関係の継承という商店街の持続のための二つの役割を担うことが可能である。しかし、商店主が減少してきている現在、元商店主は、商店街を支え人間関係の継承に努めることが必要で、地域外商店主は商業機能を持続し、交流の場を維持に努めることが必要である。つまり増加している元商店主と地域外商店主が商店主を支えることにより、役割を相互補完し日々の交流の場としての商店街を維持していくことが望ましい。
著者
小野 ちれか 後藤 春彦 佐藤 宏亮 山崎 義人
出版者
日本建築学会
雑誌
日本建築学会計画系論文集 (ISSN:13404210)
巻号頁・発行日
vol.76, no.669, pp.2169-2176, 2011-11-30 (Released:2012-02-23)
参考文献数
5

Considering serious losses of postwar modernism architecture in Japan, this study aims to clarify a social value fostered by civic action. Noteworthy example were found in Hirosaki City , Aomori Prefecture. 8 buildings planned by well known architect called Kunio Maekawa, which are communal facilities located in middle of the city, were conserved in particular way by citizens.By the research, it revealed that these group of buildings were playing an important role by being a group of life-stages of the citizens. This means that these buildings contains cumulative life-histories of people, which helps people to look back history of themselves and the city. Also by using this networks of accumulative life-histories, the value of these buildings were developing in a sustainable way.