著者
山口 昭三郎 金古 善明 山岸 高宏 大山 良雄 天野 晶夫 新井 昌史 中村 哲也 長谷川 昭 倉林 正彦
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.92, no.1, pp.143-145, 2003-01-10 (Released:2008-06-12)
参考文献数
8
被引用文献数
1 1

67歳,女性.クラリスロマイシンの投与を受けた後, torsades de pointesが頻発した.内服中止後に頻拍は消失し,本剤により惹起されたQT延長症候群と診断した.内服中止後も, QTc延長(0.51秒)とV2-6の二相性T波,イソプロテレノール,メキシレチン静注投与後のTU波の形態変化を認め,基礎に再分極異常の存在が示唆された.本剤は使用頻度の高い薬剤であり,投与後の経過に十分留意する必要がある.
著者
倉林 正 武村 政春
出版者
一般社団法人 日本生物教育学会
雑誌
生物教育 (ISSN:0287119X)
巻号頁・発行日
vol.58, no.3, pp.114-121, 2017 (Released:2018-10-29)
参考文献数
14
被引用文献数
2

本研究は,安価で簡単に自作できる簡易電気泳動装置を開発するとともに,電気泳動実験全体の費用を軽減させる方法を考え,授業で実施しやすくする安価な電気泳動実験を開発することを目的とした.本研究では,「弁当用シリコーン容器」,「鉛筆の芯」,「乾電池」,「リード線」を材料に安価で簡単に自作できる簡易電気泳動装置を開発することができた.さらに,使用する試料やゲル,結果確認の方法を工夫することによって,電気泳動実験全体の費用も軽減することができた.授業実践では,生徒たちもスムーズに実験操作を行うことができ,適切な結果を得ることができた.また,生物教員を対象とした質問紙調査では,多数の教員から本研究で開発した電気泳動実験を授業で実施できるという回答が得られた.以上のことから,本研究は,高校生物等の授業で電気泳動実験を実施しやすくするために有効であることが明らかとなった.
著者
中西 正幸 三橋 健 松尾 恒一 加藤 有次 今江 広道 中西 正幸 倉林 正次
出版者
国学院大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
1995

「神社祭礼絵巻」は、それが描かれた当時における全国各地の祭礼の姿を今日に残しており、その中には現在すでに失われてしまった祭礼行事も多数描かれているであろうことが予測され、それらの所在地や描かれた内容などについての悉皆調査を行なうことによって、当時の祭礼文化を読み解くことも可能となり、今日ではすでに失われてしまった祭礼行事の古姿を復元研究して、神社祭礼史また祭礼文化史の確立を目的として本研究を開始した。「神社祭礼絵巻」(絵図・絵馬・屏風などを含めて)類の所在について、それらを有すると思われる全国約3500の神社に対して、その有無の確認作業を実施し、さらに『国書総目録』をはじめ全国の主要図書館(主として都道府県立図書館)や、民間主要図書館の蔵書目録等により、該当する資料の所在確認作業を行った。本年度に至るまで引き続き関連資料の所在につき補充調査を行なうとともに、一部の資料については所蔵者のもとに出向き、実物の調査・写真撮影なども行ったが、平成9年12月末日現在で確認出来た資料数は次の通りである。絵巻 174点、絵図 165点、絵馬 15点、壁画 2点、屏風(衝立) 13点(合計369点)この種のデータは従来皆無であり、今回の調査研究によって「神社祭礼絵巻」類の所在データが一先ず集積出来たことは、本研究の大きな成果であると考えている。今後は、このデータを活用して当初の目的である神社祭礼史・祭礼文化史を確立するために、個別資料ごとの研究を行なうとともに、更なるデータの蓄積作業をも重ねて行きたい。
著者
倉林 正尚
出版者
北海道大學低温科學研究所
雑誌
低温科學
巻号頁・発行日
vol.7, pp.127-137, 1951-09-05
著者
入江 忠信 金古 善明 中島 忠 斉藤 章宏 太田 昌樹 加藤 寿光 飯島 貴史 八木 宏明 富田 智之 間仁田 守 伊藤 敏夫 倉林 正彦
出版者
公益財団法人 日本心臓財団
雑誌
心臓 (ISSN:05864488)
巻号頁・発行日
vol.42, no.2, pp.239-244, 2010 (Released:2011-12-20)
参考文献数
9

症例は73歳, 女性. 2008年11月から, 息苦しさ, 顔面, 下肢の浮腫が出現した. 入院時心電図は心拍数42/分, 2対1房室ブロック, QRS幅90ms, 胸部写真にてCTR 55%, 肺血管陰影の増強あり, 正常冠動脈, 左室収縮能は良好で, 徐脈によるうっ血性不全と診断した. 血清カリウム値2.6mEq/Lと低下していたため, カリウム製剤の投与を開始した. 入院直後のホルター心電図では, 完全房室ブロック, Mobitz II型第2度房室ブロックも認めた. 第2病日には第2度以上の房室ブロックは消失した. 第5病日には血清カリウム値は正常化し, 以後低カリウム血症の再燃はなかった. 低カリウム血症をきたす内分泌・腎疾患を認めず, 原因は不明であった. 電気生理学的検査にて洞調律時に分裂ヒス電位を認め, ピルジカイニド25mg投与後に2対1ヒス束内ブロックとなり, ヒス束内伝導障害を認めた. 房室結節伝導は正常であった, ペースメーカーの適応については, 房室ブロックに対する低カリウム血症の関与の有無にかかわらず, ヒス束内伝導障害があるためclass IIaの適応と考え, 永久的ペースメーカーの植え込みを行った. 本例は, もともとヒス束内伝導障害があるうえに, 低カリウム血症によりヒス束の不応期の延長あるいは第4相の過分極をきたし房室ブロックをきたしたと推測した.