著者
入谷 誠
出版者
The Society of Physical Therapy Science
雑誌
理学療法科学 (ISSN:13411667)
巻号頁・発行日
vol.13, no.3, pp.129-134, 1998 (Released:2007-03-29)
参考文献数
5

スポーツ障害の中でも足の障害は最も多く,疹痛を主訴として来院することが多い。足は人間にとって唯一地面に接する部分で,足の異常が近位関節に,また近位関節の異常が足に影響を与え,さまざまな障害を呈してくる。足の障害に対する治療は,足単独の障害として捉えるのではなく,身体全体の障害であるという認識をもたなければならない。そのためには,障害局所の解剖学的な位置の把握,詳細な足の評価を中心とした非荷重下での機能的な評価,身体重心との関連を考察する荷重下での機能的な評価を行う必要がある。そして各々の評価を関連づけて考察し,治療の方向性を探っていくことが大変重要である。
著者
入谷 誠 山嵜 勉 大野 範夫 山口 光国 内田 俊彦 筒井 廣明 黒木 良克
出版者
日本理学療法士学会
雑誌
理学療法学 (ISSN:02893770)
巻号頁・発行日
vol.18, no.1, pp.35-40, 1991-01-10 (Released:2018-10-25)
被引用文献数
3

今回,我々は足位,すなわちFOOT ANGLEの変化が,骨盤の側方安定性に関与する中殿筋活動の動態と距骨下関節の内外反角度にどの様に影響をするかをX線学的及び筋電図学的に検索した。その結果,X線学的には,TOE-OUTで距骨下関節は内反し,TOE-INで距骨下関節は外反した。筋電図学的分析では,中殿筋の活動はTOE-OUTからTOE-INに向かって,明らかに増加した。さらに中殿筋の活動量が最も大きかったTOE-IN 30°でアーチサポートを挿入すると,中殿筋の活動量が明らかに低下したことから,中殿筋の活動量はFOOT ANGLEの変化のみならず,足部アーチの状態も大きく影響を及ぼしていることを示唆した。
著者
加藤 彩奈 宮城 健次 千葉 慎一 大野 範夫 入谷 誠
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement Vol.35 Suppl. No.2 (第43回日本理学療法学術大会 抄録集)
巻号頁・発行日
pp.A0078, 2008 (Released:2008-05-13)

【はじめに】変形性膝関節症(以下膝OA)は立位時内反膝や歩行時立脚相に出現するlateral thrust(以下LT)が特徴である。臨床では膝OA症例の足部変形や扁平足障害などを多く経験し、このLTと足部機能は密接に関係していると思われる。本研究では、健常者を対象に、静止立位時の前額面上のアライメント評価として、下腿傾斜角(以下LA)、踵骨傾斜角(以下HA)、足関節機能軸の傾斜として内外果傾斜角(以下MLA)を計測し、下腿傾斜が足部アライメントへ与える影響を調査し、若干の傾向を得たので報告する。【対象と方法】対象は健常成人23名46肢(男性11名、女性12名、平均年齢29.3±6.1歳)であった。自然立位における下腿と後足部アライメントを、デジタルビデオカメラにて後方より撮影した。角度の計測は、ビデオ動作分析ソフト、ダートフィッシュ・ソフトウェア(ダートフィッシュ社)を用い、計測項目はLA(床への垂直線と下腿長軸がなす角)、HA(床への垂直線と踵骨がなす角)、LHA(下腿長軸と踵骨がなす角)、MLA(床面と内外果頂点を結ぶ線がなす角)、下腿長軸と内外果傾斜の相対的角度としてLMLA(下腿長軸への垂直線と内外果頂点を結ぶ線がなす角)とした。統計処理は、偏相関係数を用いて、LAと踵骨の関係としてLAとHA、LAとLHAの、LAと内外果傾斜の関係としてLAとMLA、LAとLMLAの関係性を検討した。【結果】各計測の平均値は、LA7.1±2.4度、HA3.0±3.9度、LHA10.5±5.5度、MLA15.3±3.9度、LMLA8.1±4.0度であった。LAとLHAでは正の相関関係(r=0.439、p<0.01)、LAとLMLAでは負の相関関係(r=-0.431、p<0.01)が認められた。LAとHA、LAとMLAは有意な相関関係は認められなかった。【考察】LHAは距骨下関節に反映され、LAが増加するほど距骨下関節が回内する傾向にあった。したがって、LA増加はHAではなく距骨下関節に影響するものと考えられる。LA増加はMLA ではなくLMLA減少を示した。これらの関係から下腿傾斜に対する後足部アライメントの評価は、床面に対する位置関係ではなく下腿長軸に対する位置関係を評価する必要性を示している。LA増加に伴うLMLA減少は距腿関節機能軸に影響を与えると考えられる。足関節・足部は1つの機能ユニットとして作用し、下腿傾斜に伴う距腿関節機能軸変化は距骨下関節を介し前足部へも波及する。今回の結果から膝OA症例のLTと足部機能障害に対し、距腿関節機能軸変化の影響が示唆された。今回は健常者を対象とした静的アライメント評価である。今後、症例との比較も含め運動制御の観点から動的現象であるLTと足部機能障害の解明につなげていきたい。
著者
大平 功路 田中 和哉 山村 俊一 入谷 誠
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement
巻号頁・発行日
vol.2005, pp.A0845, 2006

【目的】第40回日本理学療法士学会において、歩行時の骨盤回旋に影響する因子として立位における上部体幹の回旋の可動性が下肢の回旋を含む骨盤回旋運動より影響が大きいことを報告した。この報告より、歩行では上部体幹と骨盤は協調して動いていると考えられる。また、骨盤回旋運動は股関節を中心として生じることから、上部体幹の可動域と股関節の可動域には関係があると考える。そこで今回、入谷が考案した上部体幹の可動性を評価する自動体幹回旋テストを用い、上部体幹の可動域と股関節の可動域の関係について調べたので報告する。<BR>【方法】対象は健常成人14名(男性7名、女性7名)、年齢24.9±2.2歳である。測定はゴニオメーターを使用し、1)自動体幹回旋テストでの上部体幹の可動域(左右の後方回旋)2)股関節可動域(腹臥位での左右の内外旋角度)の2項目を測定した。自動体幹回旋テストは立位において骨盤を固定した状態で上半身を後方に回旋するものである。分析は、上部体幹の可動域の左右角度差と左右の股関節内旋及び外旋の角度差の相関関係を調べた。また、股関節内旋の角度差と外旋の角度差の相関関係も調べた。なお、左右差については各項目において右側から左側を減じた。統計処理は、Spearman順位相関を用いた。<BR>【結果】上部体幹可動域の左右差と股関節内旋角度差の関係では負の相関関係を認め(r=-0.588、p<0.05)、股関節外旋角度差とは相関関係を認めなかった。上部体幹の後方回旋の大きい側が股関節外旋の大きくなったものが14名中10名、反対側の外旋が大きくなったものが14名中2名、外旋角度に左右差がないものが14名中2名であった。上部体幹の後方回旋の小さい側が股関節内旋の大きくなったものが14名中13名、内旋角度に左右差がないものが14名中1名であった。また、股関節内旋の角度差と外旋の角度差の関係では負の相関関係を認めた(r=-0.759、p<0.01)。<BR>【考察】第40回日本理学療法士学会では上部体幹の後方回旋の可動性が大きい側が歩行時の骨盤の前方回旋が大きくなるという報告をした。この報告と今回の結果より上部体幹の後方回旋の可動性が大きい側が歩行時の骨盤の前方回旋が大きくなり、歩行時の骨盤の後方回旋が大きい側は股関節内旋角度が大きく、前方回旋が大きい側は股関節外旋角度が大きくなる傾向があると考えられる。骨盤の後方回旋に伴い股関節は内旋運動を、前方回旋では外旋運動を伴うために股関節の回旋可動域に左右差が生じたと考える。日常生活において歩行は日々繰り返される動作であり、歩行時の形態と関節可動域角度の左右差との間に関係があったことは、歩行動作によって関節可動域が規定されたと考えられる。理学療法において、関節可動域の特徴と動作との関係を明確にすることは評価・治療において有意義なものと考える。<BR><BR>
著者
入谷 誠 山嵜 勉 大野 範夫 山口 光国 内田 俊彦 森 雄二郎 黒木 良克
出版者
The Society of Physical Therapy Science
雑誌
理学療法のための運動生理 (ISSN:09127100)
巻号頁・発行日
vol.7, no.1, pp.47-54, 1992

下肢障害の理学療法の目的は下肢機能の再建である。下肢の機能と下肢筋力とは切り放して考えることはできないが、我々は個々の筋力強化を行うのではなく、下肢全体の統合された機能を最大限に発揮させることにより、筋力も自然と改善され、結果的に機能をよリ早期に、また効率よく改善することができるものと考えている。したがって我々の理学療法は機能的な診方、特に下肢各関節の相互の関連を中心に診て、荷重位での機能的な訓練を中心に行っている。ここでは主として正中位感覚獲得法、テーピング、足底挿板(Dynamic Shoe Insole)について紹介した。
著者
入谷 誠
出版者
公益社団法人日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学 (ISSN:02893770)
巻号頁・発行日
vol.25, no.8, pp.501-505, 1998-11-30