著者
内田 和子
出版者
一般社団法人 日本治山治水協会
雑誌
水利科学 (ISSN:00394858)
巻号頁・発行日
vol.45, no.1, pp.51-68, 2001-04-01 (Released:2018-03-31)
参考文献数
54
被引用文献数
2
著者
小谷 新太郎 千葉 裕典 千葉 昭二 内田 和子 田中 平夫
出版者
Japanese Society for Food Hygiene and Safety
雑誌
食品衛生学雑誌 (ISSN:00156426)
巻号頁・発行日
vol.7, no.6, pp.503-507_1, 1966-12-05 (Released:2009-12-11)
参考文献数
5

非イオン, 陰イオン, 陽イオンおよび両性界面活性剤の発育阻止効果について E. coli, Staphylococcus aureus, B. subtilis を用いて検討を行なった. 非イオンは, 阻止効果が認められず, 陰イオンは E. coli 以外の2種に対して1920倍まで効果があった. 陽イオンは B. subtilis と Staphylococcus に対し30, 720倍でも効果があった. 両性では B. subtilis には960倍, Staphylococcus には480倍で効果があったが E. coli には60倍以下であった. 非イオン10%, 陽イオン10%, 両性1%の混合は, 石炭酸係数170で両性を15%に増しても係数に変りはなかった.
著者
内田 和子
出版者
公益社団法人 日本地理学会
雑誌
日本地理学会発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.2009, pp.198, 2009

2000年9月の東海豪雨では約8000億円の被害を生じた。典型的な都市型水害とみなされるこの災害の原因は集中豪雨であるが、被害を拡大した要因として、被災地域の住民が地域の地形条件と土地開発の歴史、人々の治水への対応の歴史を十分に理解していなかった点が指摘できる。<br> 破堤した新川は1787年に開削された人工の排水幹線であり、庄内川の放水路でもある。庄内川からの分派点には洗堰が設けられ、分派後の庄内川には遊水地も設置され、当時の名古屋城下を守るために何重もの治水策が講じられていた。破堤地点は木曽川系統の河川の旧河道と新川とが交差する付近であり、地形条件からみた破堤の危険箇所である。また、庄内川下流部の越水地点は、近世の干拓地とデルタとの境界付近の勾配遷移点であって、木曽川系統の河川が形成した大きな自然堤防により閉塞されている。<br> この災害で大きな被害を受けたもう1つの地点は、名古屋市東部の天白川下流部である。この地点は東西を丘陵と台地に閉ざされ、南部も砂州に閉塞された、古代には入り江であった低湿地であるため、湛水しやすい。越水地点は天白川より勾配の大きい支川・藤川が合流する付近で、しばしばの氾濫により天白川が大きな自然堤防を形成している。しかも、天井川である天白川はこの付近でもっとも緩い勾配となっている。<br> このように、東海豪雨で大きな被害を受けた地点は、地形条件や土地開発の歴史からみて治水上、警戒を要する地点であった。当然、古くからの居住者や為政者は様々な治水対策を講じてきた。しかし現代では、被災地に多くの人々が居住し、人々の心から治水上の警戒意識が薄れていった。以上のように、現代の日本の都市域においても、洪水と地形条件や土地開発の歴史との間には密接な関連がみられ、それらを知ることは減災に寄与できる。<br> 本シンポジウムで対象とする熱帯河川流域は、一般的に日本と比べて河川改修の進捗は小さい上に、気温や降水量などの水文条件は日本より災害を招きやすい条件にあると思われる。こうした地域において、地形条件や水文条件の解明は減災を考える上で、いっそうの重要度を増し、そのような研究を行う地理学者の役割は大きいため、熱帯河川流域における地理学者の社会的貢献も大きいと考える。
著者
内田和子著
出版者
古今書院
巻号頁・発行日
1994
著者
内田 和子
出版者
Tokyo Geographical Society
雑誌
地学雑誌 (ISSN:0022135X)
巻号頁・発行日
vol.104, no.4, pp.525-543, 1995-08-25 (Released:2009-11-12)
参考文献数
23
被引用文献数
1

Japanese flood control was rapidly developed in Modern Ages when regular flood protection works began onnationwide scale. It is flood prevention cooperatives that promoted those public works by bearing a part of the expenses in Modern ages.Flood prevention cooperatives are classified into 3 types according to functions. They are the one that takes a share in the expenses of flood protection works and irrigation-drainage works (type I), the one that practices flood defense activities (type II), and the one that petitions to realize and promote river improvement works and acts a part of the works as an agent of prefecture (type III). The author conducted research on cooperative dues that support activities of cooperatives. The results are as follows.Amount of share in the expenses taken by flood prevention cooperatives much differs in compliance with their functions. In type I cooperative dues were very high, in type II they were less and in type la they were much less. In all types cooperative dues were imposed by standards that based on the degree of flood damages. Especially in type I, much amount of cooperative dues were levied according to many grades, but type II and type III had a few grades. Their objects of imposition were land and houses, and in urban areas they included fabrics such as railroads.Flood prevention cooperatives dissolve when they accomplished their purposes in each function. But the cooperatives of type II shift to public flood defense corporations that consist of municipalities and act by budgets of municipalities.Flood prevention cooperatives fully understood natural features of geomorphology, hydrology and so on, and social features of land use, land ownership, and so on of their areas. On the basis of these recognition they contrived their unique imposition system in consideration of benefit by public flood prevention works. In consequence they promoted public flood prevention works by taking a share in expenses.
著者
内田 和子
出版者
地理科学学会
雑誌
地理科学 (ISSN:02864886)
巻号頁・発行日
vol.44, no.1, pp.1-16, 1989

筆者は治水費用賦課の観点から,水害常習地域における水害予防組合の解体する過程を明らかにしようとした。事例として鶴見川水害予防組合において,治水費用の分析・考察を行った。その結果,次の諸点が明らかになった。(1)主として流域内の水害危険度の差異による多種類の賦課金が河川改修の進展によって,一律の賦課となった。(2)流域内の都市化に伴い,住民の防災意識が変化して,特に1965(昭和40)年以降組合費の納入状況が悪化した。そのため歳入面では地方公共団体からの補助金への依存率が高まった。(3)歳出面では,都市化に伴う水害の増加により,管理費が減少し,警備費と積立金が増加した。したがって鶴見川水書予防組合は,都市化,河川改修,住民の防災意識の変化を要因として解散し,地方公共団体の費用で運営される水害予防協会に変化した。
著者
内田 和子
出版者
岡山大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008

ため池卓越地域においては、その決壊に備えるためのハザードマップ作成が重要である。筆者は全国都道府県対象にため池ハザードマップ作成状況の調査を行い、作成例が?なく、作成方法や活用方法も多様であることを明らかにした。次に、その中から先進事例について現地調査を行い、マップ作成の成功要因や留意事項を明らかにした。結果は、ハザードマップ作成は行政が主体と成らざるを得ない、想定区域の想定手法は何種類かあり、行政の予算に応じた方法を選択すべきである、行政と住民が連携したマップ作りが効果的であるが、ファシリテーターと住民の危機意識が鍵となる等である。マップ作成は地域性に応じた方法を考慮すべきであって、作成マニュアルが必要であり、その作成も可能であることが明らかとなった。