著者
前田 潤治
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.51, pp.229-230, 1995-09-20

動画像を扱うアプリケーションでは、その膨大な情報の圧縮技術が必須となる。動画像情報圧縮技術は大きくは通信系と蓄積系に分類されるが、本稿ではリアルタイム性を要求される通信系に焦点を当てる。現在、動画像圧縮技術はMPEG-1,2、H.261など、内容が何であろうと画面を正方形のブロックに機械的に分割し、その正方形ごとに個別に処理を加えるブロックベースのものが全盛である。(これらの標準では、処理の内容によって対象となる正方形は、厳密には「ブロック」「マクロブロック」などと呼び方が変わるが、本稿ではこれらをまとめて単に「ブロック」と呼ぶことにする。)これらの手法を特徴づける要素技術として二次元離散的コサイン変換(DCT)がある。DCTは注目しているブロック、または注目しているブロックと前のフレーム中にある参照ブロックとの差分を符号化する技術であるが、計算時間、圧縮率、画質のいずれの観点からも、DCTを行なわずに済むものならその方が理論的には望ましい。具体的には隣接フレーム間のブロック同士の類似度が高ければ、時間的に前のブロックの情報のみを使うことによってDCTを省くことができる。しかし現実には、避け得ない雑音のために隣接フレーム間の類似度が不当に低く評価されてしまい、不必要なDCTが行なわれてしまう。そこで本稿では、雑音の悪影響を受けにくいフレーム間類似度判定法を提案する。
著者
天野 実 森 英昭 松川 俊一 前田 潤平 宮田 昭海 林田 政義 入江 準二 冨岡 勉
出版者
一般社団法人日本消化器外科学会
雑誌
日本消化器外科学会雑誌 (ISSN:03869768)
巻号頁・発行日
vol.24, no.9, pp.2452-2456, 1991-09-01
被引用文献数
5

膵外に発育した非機能性膵島腫瘍の1例を経験した.症例は56歳男性で,定期原爆検診で左上腹部腫瘤を指摘され,著者らの病院に入院した.膵内分泌ホルモン過剰分泌による症状は認められなかった.腫瘤は膵尾部より膵外に発育しており,膵の一部を含めて腫瘤を摘出した.大きさは13.6×11.8×9.4cm,900gで,病理組織診断は疑悪性の非機能性膵島腫瘍であった.術後3年半後の現在,再発の所見もみられず健在であるが,なお経過観察中である.
著者
真木 太一 善 功企 守田 治 新野 宏 前田 潤滋 野村 卓史
出版者
九州大学
雑誌
特別研究促進費
巻号頁・発行日
2006

台風0613号は9月10日にフィリピン沖で発生し、石垣島に接近した後、東シナ海を北東進して佐世保市付近に上陸し、大きい被害を与えて玄界灘から日本海に抜けた。風速は石垣島で69.9m/s、長崎県で50m/sを越えた。佐賀県唐津市の大雨は、台風が2000kmも離れていた時の前線刺激に起因する。豪雨と土砂災害の特徴が解明された。竜巻が宮崎県や大分県で5個発生し、特に延岡市では、列車の転覆被害があり、3名の死者が発生した。佐賀・長崎県を中心に潮風害が非常に激しく、米の作況指数が佐賀地域で42であり、潮風害と海岸からの距離との関連性が調査され、指数関数的に減少し15kmまで及んだ。台風時の降雨が少なく、長崎県での潮風害樹木の特徴が塩分付着との関連性から評価された。潮風害と人工衛星リモートセンシング画像評価による植生指数・健全度(NDVI)の低下との関連性が解明された。潮風害に強い防風林樹種が選定された。延岡市の竜巻はF2と評価され、長さ7.5km、最大幅200mであった。竜巻の被害特性は、屋根瓦などの二次的飛散物による増加があり、市内・住宅地での被害が大きく、突風による被害増大の関連性が評価された。また、屋根のケバラ付近の固定強度に問題があることが判った。アンテナ支線の避雷コイルの破損状況からの竜巻の特徴が解明された。宮崎県の竜巻発生頻度の多さと積乱雲発生との関連性やレインバンド中の積乱雲のモデルによるシミュレーションが評価された。竜巻発生への地形の影響の関与が調査され、半島や島の影響が空気力学的に裏付けられた。長崎県での停電、長崎・北九州の海上空港の台風害の特徴が裏付けられた。台風による高齢者や障害者の不便と支援の在り方の対応特性が提示された。台風と文教施設、農業用施設ハウスの被害から被害発生要因と対策が考察された。暴風・竜巻等によるリスク低減対策がアンケート調査や建築物の被害評価基準の問題点が指摘された。
著者
冨永 良喜 小澤 康司 村本 邦子 前田 潤
出版者
兵庫教育大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2007

2004年12月に発生したインド洋大津波の被災地インドネシア・アチェの被災した教師36名に対して2007年9月、2日間の心のケア研修プログラムを実施した。また、アチェの中学生及び高校生に対して、心のケア授業を実施した。2008年6月には、アチェの中学・高校生297名に、心理教育のための心のケア・アンケートを実施した。その結果、97%の生徒が「またツナミが来るのではないか心配だ」と回答した。防災教育の必要性を示唆する結果であった。