著者
加藤 宏之
出版者
三重大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2016-04-01

PD後に発症する脂肪肝炎の病態を マウスもしくはラットPDモデルを作成し、その原因をMMP-9 に着目し、解明するため本研究を行った。マウスPD後、HE染色で肝細胞の空洞化がみられ脂肪沈着が示唆された。しかし、マウスにPDを施行すると術後から極度の食欲不振に陥り脱水状態となり24h以上の生存が得られないためRatを用いたPDモデルを作成することとした。ラットにおいてもPD群でTNF-aのmRNA発現上昇を認めMMP-9の免疫染色でもPDモデルで肝MMP-9発現上昇を認めた。HE染色では肝細胞の空洞化、脂肪沈着が認められたがラットでも術後極度の食欲不振を認め48h以上の生存が困難であった。
著者
小川 朋子 田川 朝子 橋本 律夫 加藤 宏之
出版者
日本神経学会
雑誌
臨床神経学 (ISSN:0009918X)
巻号頁・発行日
vol.50, no.10, pp.700-703, 2010 (Released:2010-11-04)
参考文献数
12
被引用文献数
1 1

反復性過眠症の38歳女性例を経験した.発症は26歳で,食欲不振と失禁をともなう高度の過眠のエピソードをくりかえした.過眠期に脳波の徐波化をみとめたが,間欠期脳波は正常で,過眠期の髄液オレキシン濃度も正常であった.炭酸リチウムを中止すると過眠期が頻発し,再開にて過眠発作は軽減した.反復性過眠症の治療は確立していないが,本例では炭酸リチウム療法が有効であったため報告する.
著者
加藤 宏之
出版者
理学療法科学学会
雑誌
理学療法科学 (ISSN:13411667)
巻号頁・発行日
vol.22, no.1, pp.7-12, 2007 (Released:2007-04-10)
参考文献数
20

脳卒中後に見られる片麻痺の回復の脳内機序の詳細は不明である。最近開発されたfunctional MRI(fMRI)や光トポグラフィー(NIRS)を用いると脳卒中患者の麻痺手運動時の脳活動を非侵襲的に画像化することができる。また,拡散テンソル・トラクトグラフィーにより錐体路を描出することもできる。これらの評価法により,片麻痺の回復には,既存の運動ネットワークの損傷の程度に応じて,可逆的障害からの回復や大脳皮質運動ネットワークの再構築を駆使して,運動機能を回復させることを示唆するデータが得られている。さらに,この機能回復には発症後1ないし2ヶ月の臨界期が存在することも示唆されている。
著者
加藤 宏之 橋本 律夫 樋渡 正夫
出版者
国際医療福祉大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2007

脳卒中後の運動機能回復の機序を解明するために、fMRIと拡散テンソル・トラクトグラフィーによる錐体路の描出の同時計測を行った。脳卒中後の脳機能の再構築は動的であり、片麻痺の回復は運動ネットワークの損傷の程度に応じて、可逆性障害からの回復と、ネットワークの代償、動員、再構築を駆使して最良の運動機能の回復を得るための機構が存在する。この変化は脳卒中発症後の1、2か月以内に見られ、機能回復の臨界期の存在を示唆する。