著者
前田 奎 大山卞 圭悟 加藤 忠彦 水島 淳 山本 大輔 梶谷 亮輔 広瀬 健一 尾縣 貢
出版者
一般社団法人 日本体育学会
雑誌
日本体育学会大会予稿集
巻号頁・発行日
vol.69, pp.206_3, 2018

<p> 円盤投の指導現場において、投てき動作前半の局面で円盤あるいは円盤を保持する腕を積極的に加速させる動作について、「円盤を走らせる」という表現が用いられている。この「円盤を走らせる」動作は、効率の良い投てき動作を遂行させる上で重要であると指導現場では認識されているが、実際に競技力の高い円盤投競技者ほど「円盤を走らせている」のか、という疑問が生じる。そこで本研究では、「円盤を走らせる」動作に関連すると考えられるパラメータとパフォーマンスとの関係について明らかにすることを目的とした。国内一般レベルから世界トップレベルまでの記録を有する男子円盤投競技者62名(記録:38.05 – 68.94m)を対象に、競技会での投てき動作を撮影し、3次元動作分析を行った。円盤の速度について確認したところ、第一両脚支持局面の変化量および右足離地時点について、対象者全体で見た場合、投てき距離との間に有意な正の相関関係が認められた。しかし、競技レベルごとに見ると、世界トップレベル競技者12名については、有意な負の相関関係が認められたのに対して、国内競技者50名については、有意な正の相関関係が認められた。</p>