著者
藤井 博英 宇佐美 覚 牟田 能子 入江 良平 大和田 猛 清水 健史 伊藤 治幸 藤田 あけみ 大山 博史
出版者
日本赤十字秋田看護大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010

我々は、民間信仰の「イタコ」を利用した自死遺族のグリーフワークを促進する要素を明確にすることを研究目的とした。「イタコ」を利用した対象者群と、利用しなかった対象者群の半構造化面接の結果を質的に分析し、それぞれに6つの因子が導出された。「イタコ」を利用した遺族は全てソーシャルサポートを受けておらず、「イタコ」を利用し、語ることによる心の浄化と、故人との内的な対話を通した相互理解や赦しの獲得がグリーフワークの促進要素として見いだされた。
著者
藤井 博英 伊藤 治幸 角濱 春美 清水 健史 村松 仁 森 千鶴 石井 秀宗 中村 恵子 田崎 博一
雑誌
青森県立保健大学雑誌 = Journal of Aomori University of Health and Welfare (ISSN:13493272)
巻号頁・発行日
vol.10, no.1, pp.27-34, 2009-06

今日、精神科医療においては、これまでの入院中心の精神医療から地域での生活を支えるための支援が行われている。なかでも精神科訪問看護は、精神障がい者の地域生活をサポートする上で重要な役割を果たしている。そこで、本研究では、質問紙開発のために、精神科訪問看護師が認知する精神科訪問看護のアウトカムを明らかにすることを目的とし、文献概観および北東北3県で訪問看護を実施している施設で訪問看護に従事する看護師49名を対象に半構造化面接を実施し内容分析を行った。面接の内容は、1)患者の観察点、2)実施した看護内容、3)患者の変化や効果、4)症状悪化のサインについてである。精神科訪問看護師が認知する訪問看護のアウトカムを文献概観および内容分析の結果をカテゴリー分類した結果59項目23カテゴリーに分類された。本研究の結果と文献検索から得られたアイテムとはほとんど整合していた。本研究の特徴的な事としては、利用者本人のケアだけではなく、家族ケアにも視点を置かれていた。centered mind medical care. Above all, the psychiatric home visiting an important role when there is it, and mentally-handicapped persons supports the local life of the person. Therefore, in this study, I was aimed at clarifying the outcome of the psychiatry home visiting at home that community mentally psychiatric visiting nurses visit recognized and I carried out a half posture Creator interview for 49 nurses who engaged in documents general view and the temporary nursing at home of the institution which carried out temporary nursing at home in three prefectures of North Tohoku and performed a content analysis. The contents of the interview about 1)the patient of the observation 2)practice content 3) a change and the effect patients, 4) a sign of symptom aggravation. Documents surveyed the outcome of the temporary nursing at home that nurse psychiatry visit recognized and it was classified the results of the content analysis in 23result 59 items categories that were similar for a category. I almost adjusted it with the item provided from document retrieval as a result of this study. When it is decided that this study is characteristic, the knowledge at the action level that I compare it with there being the thing which put a viewpoint for the family care as well as the care of the user person himself, an existing study and depend, and is concrete is a provided point.
著者
山下 勝弘 柏木 史郎 加藤 祥一 伊藤 治英 亀田 秀樹
出版者
一般社団法人 日本脳卒中学会
雑誌
脳卒中 (ISSN:09120726)
巻号頁・発行日
vol.20, no.5, pp.469-474, 1998

高血圧性脳内出血患者の長期予後と理学療法の現状について検討した.山口県の北部地域において1990年から1996年までの7年間に高血圧性被殻,視床出血に罹患した330人を対象とした.患者の平均年齢は66.2歳で,男女比は1.4:1であった.発症からデータ集計までの平均期間は3.8年で,長期予後はBarthelindex(BI:10~29点)で評価した.<BR>多変量解析では,長期予後は出血の大きさと理学療法の積極性に有意に相関した(p<0.05).被殻出血では小出血,中等大出血,大出血の80%,40%,11.1%が長期予後良好(BI:29点)であり,視床出血ではこれらの割合が,75%,51.6%,14.3%であった.一方,長期予後が不良(BI:10~28点)の患者では,理学療法を積極的に継続している患者は,わずかに22%であった.<BR>高血圧性脳内出血患者では,特に長期予後不良の患者で理学療法が積極的に行われておらず,患者の長期予後改善に向けて理学療法に対する積極的な取り組みが必要である.
著者
石川 清康 陣山 真理子 伊藤 治
出版者
公益社団法人 日本獣医師会
雑誌
日本獣医師会雑誌 (ISSN:04466454)
巻号頁・発行日
vol.46, no.12, pp.1006-1009, 1993

豚オーエスキー病 (AD) および豚コレラ (HC) 両生ワクチン接種豚と各ワクチン単独接種豚の免疫学的ならびに臨床反応を比較した. 両ワクチンは4週間隔または同時に接種された. いずれのワクチン接種豚も臨床症状を示さず, また中和抗体価についても各群間に有意差を認めなかった (危険率5%).
著者
坂上 潤一 伊藤 治 生井 幸子
出版者
独立行政法人国際農林水産業研究センター
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2007

西アフリカのギニアをモデルに、数年間の品種比較試験を通して、天水低湿地水田の収量形成要因の特定と環境型と遺伝子型の交互作用の解析を行い、対象地域の環境に適応した品種群を明らかにしようとした。その結果、収量形成に及ぼす最も重要な形質は、環境にかかわらず登熟歩合であった。全期間、サイト、品種の登熟歩合と収量の相関係数はr=0.743(P<0.001)となり、極めて高正の相関が認められた。さらに、収量は1穂籾数とも相関があり(r=0.419(P<0.001)、1穂籾数の増加は収量向上に影響を及ぼしていると考えられることから、対象の天水低湿地水田全般においては、穂数よりも穂重の特徴のある草型がより適性が高いと言えるが、収量は環境によって変動しており品種の環境への評価を詳細に進める必要があろう。次に、環境型・遺伝子型の交互作用を解析によって、異なる環境に対する品巣の一般適応性が明らかになった。そのような品種群は環境の良否にかかわらず講習を示す品種であり、本研究においては西アフリカで伝統的に栽培されているGambiakaとアフリカライスセンターで高収量を目的に育種されたアジアイネとアフリカイネの交雑種NERICAと呼ばれる系統のWAB1159-2-12-11-2-4などが、供試品種の中ではより一般適応性が高いと考えられた。これら品種はいずれも登熟歩合が高く、収量の回帰係数が1に近く、回帰の残差分散も小さい特徴を示した。
著者
伊藤 治 渡辺 厳 PETERS Gerald A.
出版者
日本土壌微生物学会
雑誌
土と微生物
巻号頁・発行日
vol.25, pp.57-63, 1983

窒素固定生物であるらん藻との共生体であるアカウキクサにおいて,培地中に化合態窒素が存在した場合,窒素固定能ならびに窒素収支がどのような影響を受けるか,また培地窒素は宿主とらん藻との間を行ききするものであるかどうかについて調査を行なった。1.培地窒素の吸収返度の濃度依存性はアンモニアで最も高く,尿素,硝酸の順に低くなった。吸収速度の大きさも同様な順序であった。2.アセチレン還元能が無窒素区の半分となる濃度は,アンモニアと尿素で約10mM,硝酸で25mMであった。3.全体の窒素収支の中で培地窒素の占める割合はアンモニア,尿素,硝酸の順であった。5mMで比較すると,各々約50,40,20%であった。4.アンモニア,尿素添加により全窒素の有意な増加が認められた。特に前者の効果は顕著であった。硝酸では無窒素区とほとんど変わらなかった。5.^<15>Nで標識した無機態窒素を含む培地に一定時間置かれたアカウキクサかららん藻を分離したところ^<15>Nの富化が認められた。このことは窒素の動きが,らん藻から宿主へという一方性のものではなく,宿主かららん藻へというものも含む両方向性のものであることまたは,らん薬において窒素の流出入に関してsourceとなるものとsinkとなるものとに分かれていることを示している。
著者
柿野 俊介 長次 良雄 梶原 浩司 伊藤 治英
出版者
日本脳神経外科コングレス
雑誌
脳神経外科ジャーナル (ISSN:0917950X)
巻号頁・発行日
vol.8, no.2, pp.115-118, 1999
参考文献数
19
被引用文献数
2

頭蓋骨原発の類上皮腫は稀な腫瘍で, その画像的特徴をまとめた報告も少ない.われわれは, 23歳女性の頭蓋骨原発類上皮腫を経験したので, その画像的特徴について報告した.今回の報告と過去の報告を総じてみると以下のようになる.X線では, 骨欠損像とその周囲の硬化像が認められる.CTでは骨条件, およびhelical CTによる三次元構成像により腫瘍周囲の骨破壊像の把握が可能である.MRIでは嚢胞内内容物の割合によりさまざまなintensityをとるが, 一般的にはT1Wlでhypo-intensity, T2Wlでhyper-intensityである.シンチグラムでは, 骨シンチによる腫瘍周囲の集積像が認められる.以上の放射線学的特徴を把握していれば, 頭蓋骨原発の類上皮腫の術前診断が容易にできると考えた.