著者
神名 麻智 木村 直人 山下 康貴 柳田 高志 松村 幸彦
出版者
The Japan Petroleum Institute
雑誌
Journal of the Japan Petroleum Institute (ISSN:13468804)
巻号頁・発行日
vol.56, no.5, pp.326-330, 2013 (Released:2013-11-01)
参考文献数
15
被引用文献数
6 6

草や木に代表されるリグノセルロース系バイオマスから効率よくエネルギーを生産することは,今後のエネルギー生産において非常に重要な課題である。リグノセルロース系バイオマスからエタノールを生産する過程の一つである水熱前処理はその処理過程で,後の処理段階である発酵を阻害する物質類を生成する。これらの発酵阻害物質は酵母の増殖,発酵に影響を及ぼすことが知られているが,定量的な整理は行われておらず,反応器の設計には困難が生じている。本研究では4種類の発酵阻害物質について酵母増殖に与える影響を実験的に確認,Monod式にフィッティングさせ,発酵阻害物質のMonod式のパラメーターに及ぼす影響を確認した。
著者
高西 敏正 木村 直人 伊藤 孝 諸富 嘉男 井谷 徹
出版者
The Japanese Society for Hygiene
雑誌
日本衛生学雑誌 (ISSN:00215082)
巻号頁・発行日
vol.53, no.2, pp.463-469, 1998-07-15 (Released:2009-02-17)
参考文献数
34

The purpose of this study was to analyze the effects of fluid ingestion and its composition on uric acid metabolism after exercise. Six healthy males volunteered for the study which was comprised of three different experiments; Exp. 1, Exp. 2, and Exp. 3. In all the experiments, subjects performed treadmill exercise (70% VO2max) for 70 minutes respectively. For seven hours after exercise, subjects ingested mineral water at 10°C ad-lib in Exp. 1, 1.5 times the volume of mineral water consumed in the first experiment in Exp. 2, and the same volume of sports drink as in the first experiment in Exp. 3. No significant differences were observed in oxygen uptake and heart rate during exercise among the three experiments, so it was considered that the produced serum uric acid (SUA) levels in the three experiments were about the same level. However, the decrease in SUA, urinary uric acid excretion (UUA), clearance of uric acid (CUA) and fractional excretion of uric acid (FEUA) in Exp. 3, in which the sports drink was consumed instead of mineral water were higher than in Exp. 1 and Exp. 2. On the other hand, no significant differences were found in Exp. 2 and Exp. 3. A significant relationship between UUA and FEUA was found among the three experiments, while there was no correlation between UUA and urine volume.These results show that; 1) the sports drink ingestion can increase the efficiency of recovery from high serum uric acid after exercise, 2) the increase in uric volume due to high mineral water intake does not elevate UUA, and 3) the increase in UUA due to sports drink ingestion was associated with the increase of FEUA.
著者
木村 直人 勝村 俊仁 浜岡 隆文 下光 輝一
出版者
The Japanese Society of Physical Fitness and Sports Medicine
雑誌
体力科学 (ISSN:0039906X)
巻号頁・発行日
vol.47, no.5, pp.549-560, 1998-10-01 (Released:2010-09-30)
参考文献数
18
被引用文献数
2 2

本研究の目的は, 磁気共鳴分光法 (31P-MRS) と近赤外分光法 (NIRS) とを用いて, 等尺性運動負荷時に見られる局所的な筋疲労, 特に運動強度の違いが筋疲労の程度や筋持久力 (持続時間) に及ぼす影響を細胞内の代謝および酸素動態の面から観察し, さらに各負荷強度の持続時間.どの関連について検討を加え, 以下の結果を得た.1) 各相対強度での持続時間は50%MVCで95.3±13.6秒, 30%MVCで209±41.9秒であり, また低強度の10%MVCでは963±236秒と, 50%MVC時の10倍であった.2) 運動中の各測定項目の変動をみると, 運動開始時においてPCrの低下及びPi (H2PO4-) の上昇が見られた.細胞内pHは運動開始40秒 (50%MVC) ~347秒 (10%MVC) まで安静時レベル (-6.95pHunit) 維持したものの, それ以降'低下を示した.また各測定項目 (pH低下率及びH2PO4-増加率) とも強度の上昇に伴いその変化の程度は増大を示した.3) 筋内の酸素化レベルは, 全ての強度において運動開始時直後から直線的に低下を示した.しかしながらその後の変化は各強度間で異なり, 10%, 30%MVCではその後上昇し一定レベルを維持した.一方50%MVCではさらに低下し, 平均値において10%を下回っていた.4) 各相対強度におけるpH低下率及びH2PO4-増加率と持続時間との間には, いずれも負の相関関係が認められた.pH低下率と持続時間との問にはr=-0.578~-0.871の相関係数が得られ, 10%, 30%MVCではそれぞれ有意 (P<0.05) であった.また, H2PO4-増加率との間にはr=-0.370~-0.740の相関係数が得られた.本研究の結果から, 最大下の等尺性運動時における筋持久力 (持続時間) には, 筋興奮・収縮連関やエネルギー供給系に対して直接あるいは間接的に関与する細胞内pHの低下率が重要な因子であることが示唆された.
著者
齊藤 美奈子 加賀谷 〓彦 森井 秀樹 中川 喜直 木村 直人 吉田 博幸 広田 公一
出版者
一般社団法人日本体力医学会
雑誌
体力科学 (ISSN:0039906X)
巻号頁・発行日
vol.40, no.1, pp.31-40, 1991

大学の男子競歩選手5名 (選手群) と体育専攻男子大学生5名 (対照群) を被検者とし, 競歩と普通歩行におけるスピードと酸素需要量・歩長, 歩数の関係から, 競歩の特性, 競歩の健康の維持・増進のための運動としての有用性について検討を行ったが, その結果, 次のように要約された.<BR>1.本研究における競歩の限界スピードは, 選手群が200~220m/min, 対照群が160m/minであった.普通歩行の限界スピードは両群とも140m/minであった.<BR>2.競歩と普通歩行の境界スピードは, 両群とも約130m/minにみることができ, 普通歩行はその直後に限界に達しているが, 約130m/minより低スピードにおいて, 競歩は普通歩行より効率が悪いが, それ以上のスピードでは効率が良いということがわかった.<BR>3.選手群の普通歩行, 対照群の両歩行のoptimal speedは60m/minであった.これに対し, 選手群の競歩におけるoptimal speedは60~80m/minであり, やや高いスピードまでみることができた.<BR>4.選手群は, 両歩行とも対照群のそれより同一スピードにおいて小さい酸素需要量を示しており効率よく歩くことができた.<BR>5.選手群は, 競歩において歩行の限界まで歩長, 歩数とも増加を示したが, 選手群の普通歩行と対照群の両歩行は, 歩幅が80cm付近で, 歩長が限界に達し, その後のスピードの増加は, 歩数の増加によって得ているが, やがて歩数の増加も限界に達し, 歩行困難になるということがわかった.<BR>6.競歩における選手群と対照群の歩長と歩数の差を比較すると, 歩数より歩長に大きな違いをみることができ, 速いスピードまで歩くには, 歩長を大きくできることが条件になると考えられる.<BR>7.対照群に競歩を行わせた場合, 選手群ほど歩長を伸ばすことはできず, 歩行スピードを高めることはできないが, 普通歩行よりは速いスピードの160m/minまで歩行を可能とし, この時, 77.5%Vo<SUB>2</SUB>maxの強度に相当する運動を行うことができた.これにより, 競歩は呼吸循環器系の改善に十分効果的な強度の運動法であることが示唆された.
著者
齊藤 美奈子 加賀谷 煕彦 森井 秀樹 中川 喜直 木村 直人 吉田 博幸 広田 公一
出版者
日本体力医学会
雑誌
体力科學 (ISSN:0039906X)
巻号頁・発行日
vol.40, no.1, pp.31-40, 1991-02-01
被引用文献数
1

rights: 日本体力医学会rights: 本文データは学協会の許諾に基づきCiNiiから複製したものであるrelation: IsVersionOf: http://ci.nii.ac.jp/naid/110001929615/The purpose of this study was to clarify some of the characteristics of race-walking, especially the relationship between walking speed and oxygen requirement, and stride in race-walking and normal walking, and to examine whether rase-walking is effective for the maintenance and promotion of health. The subjects were five male race-walkers (race-walker group) and five male college students (control group). The results obtained were as follows : 1.Under race-walk conditions,the highest speeds attained in the race-walker and control groups were 200〜220 m/min and 160m/rnin, respectively. Under normal walking conditions, however, the values were 140 m/nlin in both groups. 2.A lower oxygen requirement was observed at slower speed during normal walking and at a higher speed(over 130 m/min) during race-walking. 3.Oxygen requirement(ml/kg/100 m) in the race-walker group was minimal at 60〜80 m/min during race-walking and at 60 m/min during normal walking.Values in the control group were minimal at 60 m/min under both walking conditions. 4.The oxygen requirement in the race-walker group was less than that of the control group under both walking conditions. 5.Under normal walking conditions,as the speed increased,both step-length and step frequency gradually increased,until step-length reached a limit of 80 cm. Thereafter, walking was maintained only by an increase in step frequency.However,in the race-walkes group,the subjects were capable of increasing their step-length further,and maintaining a higher speed(up to 220m/min). 6.It was suggested that race-walking is one of the most efficient exercises for maintaining and improving health.
著者
木村 直人 寺尾 由美子 鏡味 芳宏 東峯 万葉 廣澤 麻里 岡部 直樹 新宅 勇太 伊谷 原一
出版者
日本霊長類学会
雑誌
霊長類研究 Supplement
巻号頁・発行日
vol.33, pp.59-60, 2017

<p>日常的な動物園飼育下サル類の栄養評価は,飼育員の観察眼に頼った主観的評価となることが多い。客観的な評価法としてよく用いられるのは体重測定であるが,栄養評価に重要な体脂肪率は分からない。体脂肪率の測定法にはCTやDEXA等があるが,いずれも機器が大型であったり高価であったりするため動物園では実用性に乏しい。本研究は簡易で安価,かつ客観的な栄養評価を実施するためイヌ用の体脂肪計が応用できないか検討するとともに,体サイズやサル種によって標準的な体脂肪率に違いがあるか否か調べることを目的とした。検査や治療等の目的で麻酔をかけられ不動化された個体のうち,体重600g以上のリスザルからチンパンジーまでを対象とし,測定部位に外傷や皮膚疾患のないこと,消毒用アルコールに対する過敏症をもっていないこと,妊娠または授乳中ではないことといった諸条件を遵守した。①体重測定,②ボディーコンディションスコア(以下BCS)評価,③身体計測,④皮厚計測,⑤伏臥位にてイヌ用体脂肪計(花王ヘルスラボ犬用体脂肪計IBF-D02®)を用いての体脂肪率測定,⑥獣医療上必要に応じて実施される血液検査の6項目を実施した。結果,キツネザル科からヒト科までの20種86頭から90件のデータを得た。体脂肪率の最低値は10%未満(マントヒヒ♂),最高値は30.7%(カニクイザル♀)であった。体脂肪率の測定は1分ほどでできた。皮厚値と体脂肪率,BCSと体脂肪率の間でそれぞれ正の相関傾向が見られ,イヌ用体脂肪計がサルの体脂肪率測定に応用可能であることを確認した。皮厚値と体脂肪率の散布図における象限分析の結果,体サイズ別で標準的な体脂肪率に差が出る傾向がみられた。このことはサル類において体サイズごとに標準の体脂肪率が異なる可能性を示唆している。イヌでも犬種ごとに標準体脂肪率が異なることが知られているので,今後はデータ数を増やしてサル種ごとの標準体脂肪率を求めていきたいと考えている。</p>
著者
木村 直人 岩附 信行 池田 生馬
出版者
一般社団法人 日本機械学会
雑誌
日本機械学会論文集 (ISSN:21879761)
巻号頁・発行日
vol.84, no.863, pp.18-00092, 2018 (Released:2018-07-25)
参考文献数
12
被引用文献数
2

Linkage mechanisms with 1 DOF consisting of links and lower pairs cannot completely generate the specified output motion. In order to solve that problem, the novel kinematic pair with 1 DOF is developed. This kinematic pair consists of two surfaces in line contact with each other and can generate relative rolling motion along the specified spatial trajectory. Thus, it is called the spatial rolling contact pair. The relative rolling motion along an arbitrary trajectory is specified so as to satisfy the kinematic condition of the spatial rolling motion. Rolling contact surfaces which can generate the specified motion are designed based on ruled surfaces of the instantaneous screw axis. Some norms to evaluate stability of rolling contact between designed pairing elements are introduced, and the pairing elements are constrained by many linear elastic elements so as to satisfy them. Some examples of the proposed kinematic pair are designed, and one of them is manufactured as a prototype. By some experiments, it is confirmed that the prototype generates the specified rolling motion and keeps rolling contact by designed elastic constraint. Finally, it is revealed that a spatial 4-bar mechanism with the spatial rolling contact pair can completely generate the specified output motion and can be synthesized more easily than the mechanism synthesized by conventional methods.
著者
井上 恵子 西川 〓八 木村 直人 広田 公一
出版者
日本体力医学会
雑誌
体力科學 (ISSN:0039906X)
巻号頁・発行日
vol.41, no.2, pp.156-165, 1992-04-01
被引用文献数
2 2

日常継続的な運動を行っていない6名の男子学生(23〜25才)に対し, 主に上腕二頭節がコンセントリックおよびエクセントリック収縮となるような重量負荷運動を課した. 運動強度は20%MVCであった. そしてその運動の3週間後に同一運動(2nd Ex.)を再負荷し, 筋痛と血清CK活性値, および白血球数におよぼす影響について検討し, 以下の結果を得た. 1. 血中乳酸値は, 1st, 2nd Ex.とも運動直後に有意(p<0.01)な上昇を示し, 運動終了6時間後には安静レベルに戻った. 血中乳酸値は, 両運動間ではとんど差はみられなかった. 2. 白血球数は1st Ex.および2nd Ex.ともに運動終了直後から6時間後まで一過性に増加し, その後安静レベルに戻ったが, 運動終了7日後に再び上昇を示した. 1st Ex.の運動終了6時間後と7日後に, 5%レベルで安静値より有意な上昇が認められた. 3. 血清CKは, 1st Ex.において5名に安静値からの著しい上昇(266〜763%)がみられ, 上昇のピークは運動終了3〜4日後と遅延した上昇を示した. これに対し2nd Ex.のCKは僅かな変動しか示さなかった. 血清CK値の両運動間には有意(p<0.01)な差が認められた. 4. 1st Ex.の運動後, 3〜7日間に亘って被検者全員に筋痛が認められ, そのピークは運動終了2日後であった. しかし2nd Ex.においては, 筋痛の程度は軽く, 消失も早くなる傾向が認められた. 5. 2nd Ex.において, 1st Ex.と同程度の筋痛が見られた被検者YIについては, CKについても1st Ex.と同様の上昇が認められた. しかしその値は, CK上昇が見られた5名中最も低い値であった. 以上のことから, 1st Ex.により, 新組織に損傷を与え筋痛を引き起こしたものと思われるが, 2nd Ex.で認められた筋痛と白血球数およびCK逸脱の低減は, 筋組織の損傷後修復過程が進行し, 3週間後の運動負荷に対し耐えうる準備ができたことによると推察された. また, 1st Ex.においてCK上昇の程度が低かった者には2nd Ex.においても筋痛とCKの低減が認められず, 筋組織に適応を引き起こす閾値が存在することが推測された.
著者
伊藤 孝 鈴川 一宏 木村 直人 熊江 隆
出版者
日本体育大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
1997

競技能力の向上を図る目的として、運動選手は一週間から一ヶ月にわたる強化合宿を実施している。本研究では、選手の健康管理および傷害発症の予防から、強化合宿時およびその後の回復時における生体の免疫機能の変化、特に好中球の活性酸素種産生能(ROM産生能)について、調査(1);男子長距離選手(n=11)を対象とし、夏季における4回の強化合宿期間中(約40日間)の変化、調査(2);女子長距離選手(n=7)を用い夏季強化合宿中および合宿後の回復時における変化について、それぞれ調査・検討を行った。採血は、早朝空腹時、安静状態にて正中皮静脈より11ml採取した。好中球のROM産生能は、ルシゲニンおよびルミノール依存性化学発光法におけるpeak height(PT;photon/sec)を用いて評価した。調査期間中における血清CPKはいずれも経日的に増加を示し、合宿後には両調査において有意な上昇が見られた。一方、調査(1)における好中球のROM産生能は、経日的に僅かに減少を示したものの、合宿後には逆にルミノール依存性化学発光によるPHは約2.3倍の上昇を示していた。したがって、調査(1)では、合宿中の運動ストレスに対して生体は適応を示していたと考えられる。それに対して調査(2)における好中球のROM産生能は合宿直後においていずれも有意に低下した。この結果から、調査(2)では、運動ストレスによる生体負担が高まり、免疫機能を抑制したと思われる。しかしながら、終了3日後には反対に著しく上昇し、さらに終了20日目においてもこれらの上昇は継続していた。この原因の一つとして生体内における恒常性の保持に、その後の代償的反応が相加的に加わったことがよりいっそう免疫機能を亢進させたものと推察した。