著者
芦原 直哉
出版者
大手前大学・大手前短期大学
雑誌
大手前大学論集 (ISSN:1882644X)
巻号頁・発行日
vol.9, pp.317-337, 2008

本稿の目的は交渉が人類社会発展に果たしてきた役割を明らかにし、その歴史認識に立ってこれまでの交渉の定義を見直し、21世紀の社会が正しく発展していくための交渉のタイプを明示することにある。最初に、人類の発展は協力関係による分業の歴史であり、分業を成り立たせたることを可能にしたのは人類が営々と行ってきたコミュニケーションとしての交渉であることを論ずる。次に、その歴史的認識を踏まえこれまでの交渉についての定義である相互の妥協に基づく分配という定義ではなく、新しい定義として「交渉とは、複数の交渉当事者が共通目的を達成するために、コミュニケーションを通じて協力関係を構築し、協働によって価値を創造し双方の問題を解決することである。」とした。最後に倫理観と交渉者双方の交渉目的と利害の関係軸を使って5 つの交渉タイプに分類して今後のあるべき交渉タイプを模索した。結論として、社会の協力関係に基づく分業という観点に立ち返り、従来の交渉タイプである分配型交渉を利害交換型交渉へ、更には共利協働の理念に基づく問題解決型交渉及び最高レベルの交渉である価値創出型交渉に転換するべきであると論じる。
著者
中森 泰三 藤原 直哉 松本 直幸 岡田 浩明
出版者
日本土壌動物学会
雑誌
Edaphologia (ISSN:03891445)
巻号頁・発行日
no.84, pp.5-9, 2009-03-31

持続可能な農業に向けて農業生態系の生物多様性に関心が高まっている.日本では農業生態系におけるトビムシの多様性に関する知見は限られている.そこで,我々は慣行および保全型畑地に加えて森林土壌およびリター堆肥におけるトビムシの種組成を明らかにした.総個体数および種数ともに慣行畑地より保全型畑地において多かった.また,畑地土壌からMesaphorura silvicola(Folsom)が日本から初めて得られたので合わせて報告する.
著者
木原 直哉
雑誌
情報処理
巻号頁・発行日
vol.61, no.2, pp.136-137, 2020-01-15
著者
阿部 長 丸山 泉 原 直哉 明吉 康則
出版者
日本理学療法士学会
雑誌
理学療法学 (ISSN:02893770)
巻号頁・発行日
vol.23, no.4, pp.232-236, 1996
参考文献数
10
被引用文献数
1

脳卒中片麻痺患者(CVA患者)21例を対象に,下肢筋の能力の一部である筋持久力が歩行耐久性に及ぼす影響について検討した。対象は屋内歩行自立以上の歩行能力を有するCVA患者の内,麻痺側下肢のBrunnstrom stageがIV・Vの者に限定した。両側下肢の筋持久力及び歩行耐久性の指標として,膝伸展最大収縮20回前後の膝伸展筋力と300m最速歩行前後の歩行速度の低下率を用いた。また,歩行耐久性評価時に歩行率・重複歩距離に関しても前後比を求め,それぞれ比較した。その結果,麻痺側下肢のみ,筋持久力と歩行耐久性とに正の相関関係を認めた。また,歩行率及び重複歩距離の前後比はt検定で有意差を認めなかった。これらの結果より,麻痺側下肢の筋持久力が高い者程,歩行耐久性も高いと考えられた。
著者
永田 基樹 藤原 直哉 西川 功 田中 剛平 鈴木 秀幸 合原 一幸
出版者
東京大学生産技術研究所
雑誌
生産研究 (ISSN:0037105X)
巻号頁・発行日
vol.65, no.3, pp.295-299, 2013-05-01 (Released:2013-09-06)
参考文献数
16

東日本大震災以降,電力の安定供給は重要な課題として注目を集めている.安定性の理解のためには数理モデルの解析が必要であるが,詳細なモデルは数理的な解析が容易ではないため,現象の本質を抽出した簡潔なモデルが必要である.本研究では,東日本の送電網の接続関係を用いて,周波数同期のダイナミクスを位相モデルによって記述した.本モデルにおいて,安定供給のためには同期した定常状態の実現が必要であるが,そのための結合強度の閾値を求めた.また,周波数同期に寄与している送電線を特定し,同期への寄与の大きさについて考察した.
著者
篠原 直哉 後川 龍男 深川 敦平 秋本 恒基 上田 京子 木村 太郎 黒田 理恵子 赤尾 哲之
出版者
公益社団法人日本水産学会
雑誌
日本水産学会誌 (ISSN:00215392)
巻号頁・発行日
vol.75, no.1, pp.70-76, 2009-01-15

福岡県で未利用であったアカモクについて成熟状況と加工品の品質との関係について報告する。福岡県大島地先で2005年12月から2006年4月の間に採取した原藻を時期別に加工し,出来た加工品の色調,粘性,フコイダン含量を成熟段階で比較した。その結果,粘性及びフコイダン含量は成熟と共に増加し,色調は未成熟のアカモクを用いた加工品では鮮やかな緑色をしているが,成熟に伴い緑色から褐色へと変化することが明らかになった。よって,成熟直前の藻体が加工原料として有用であることが示唆された。