著者
安藤 勝洋 福川 裕一 友田 博通
出版者
Architectural Institute of Japan
雑誌
日本建築学会計画系論文集 (ISSN:13404210)
巻号頁・発行日
vol.80, no.708, pp.379-389, 2015
被引用文献数
3

This study aims to clarify the formulation process and structural features of historic conservation system of Hoi An ancient town in Viet Nam. The conservation work began after the Vietnam War, and its process can be classified into 4 phases in accordance with the enactment and implementation of policies. Through reviewing the process, we found that the following features have played important roles. 1) a conservation fund created by revenues of tourist ticket. 2) the regeneration of state-owned buildings has played leading roles for the conservation. 3) professional organizations are responsible for both tangible and intangible cultural heritage conservation.
著者
杉山 文香 友田 博通 Ayaka SUGIYAMA Hiromichi TOMODA
出版者
昭和女子大学近代文化研究所
雑誌
学苑 (ISSN:13480103)
巻号頁・発行日
no.801, pp.56-62, 2007-07

This report clarifies the types and features of a super-high-rise apartment building, 'Tokyo Times Tower', built as part of a development in the area of Akihabara station, and estimates its value as a well-designed 'product' for sale. Its characteristics are examined from the angles of product planning, sales method, and design manuals. The researchers also refer to the results of a survey completed by the potential residents which the researchers believe will suggest proper conditions of location and plans to be supplied for the upcoming multistory apartment buildings.
著者
友田 博通 斎藤 英俊 福川 裕一 山田 幸正
出版者
昭和女子大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
1999

ベトナムの伝統住居は、最近の経済発展と生活近代化の影響で消滅の危機に瀕している。ベトナム文化情報省と共同し、年2省、省内全域を対象に民家を体系的に探索整理した。第一次調査では村落単位に1~2件を抽出して悉皆調査を行い、第二次調査ではこの約1割を抽出し詳細調査を実施している。また、ベトナムの民家史に不可欠の中国の概略調査を併せて実施している。平成11年度はナムディン省・ゲアン省、平成12年度はティエンザン省・カンガイ省、平成13年度はタインホア省・カンナム省を対象に調査した。ハノイ周辺の中国の影響が強い住居形式から、フエに見られるベトナム独自の住居形式がどのような形で変遷し成立したかを確認できた。さらにフエ省より南に位置するティエンザン省カンガイ省では、フエ省以北に見られない棟木を支える中柱形式が見られ、これは南部に土着的にあった形式か、中部山岳部に居住する少数民族の影響かなど、新たなベトナム民家史上の謎が議論された。また、中国南部からハノイまで概略調査を実施、広東省広州市の漢民族住居・広東省広西省の北部のトン族住居・広西省沿海部に居住するベトナム人と先祖を同じくする欽族住居、ベトナムに入ってランソン省タイ族・トゥー族住居を調査した。中国南部の伝統的住居はベトナム中部の形式に近く、バクニン省等のハノイ圏の住居との類似性は福建省の伝統住居との類似性が高かった。これらの結果から、3年間でベトナム民家史上重要と考えられる中心的省を取り上げた概ねベトナムの民家史の大筋は明確になった。また、毎年3月実施した意見交換会ではベトナム側からも熱心な議論がでて、民家研究者が広範に育ってきたと実感している。さらに、2000年にJICA開発パートナーに採用され、この調査結果を受け、年2省、各省1件の修復と5件の文化財指定を実施することになった。調査研究が実際に行政によって実施される貴重な事例にもなった。
著者
鈴木 成文 友田 博通 在塚 礼子 初見 学 畑 聡一 小柳津 醇一
出版者
東京大学
雑誌
総合研究(A)
巻号頁・発行日
1986

1.本年度中に実施した調査分析は主に下記の2点である.(1).韓国における住宅の近代化の実態を把握することを目的に, 近代化型住宅の典型例として, 都市部における最近の建売住宅と農村部のセマウル住宅を対象に, 住様式の実態を把握.(2).韓国側共同研究者によって実施された都市型韓屋の調査資料を, 近代化による変容という視点から分析.2.これまでの文献調査および実態調査(伝統的都市韓屋・都市独立住宅・集合住宅・農漁村民家・セマウル住宅)を基に, 韓国住宅の近代化過程における住様式の継承と変容について考察・整理した.(1).継承されている点は, 床暖房方式およびユカ坐の起居様式, 主要な二つのオンドル部屋を板の間(マル)でつなぐ室配列構成, 夫婦の居室(アンバン)のもつ家の中心としての性格, 独自の食文化を背景とする充実した炊事作業空間, 等である.(2).変容しつつある点は, 暖房や建設経費および住宅内動線の合理化を目的とする住宅のコンパクト化, 内庭型の構成から外庭型の構成への変化と日常生活空間としての庭の役割の減少, 住宅内部とくに台所と庭との関係の希薄化, 玄関の設置, 暖房・設備方式の改良, 浴室・便所の室内化, 台所の床上化とダイニングキッチン形式の普及および欧米式のリビングルーム(コシル)概念の導入による生活の機能分化, 等である.3.以上の近代化過程を日本と比較して考察すると, 日常生活の機能的合理化や充足に関わる部分は変容し易い反面, 住宅の対社会性に関わる部分では, 共有された社会的慣習や文化を背景に, 住宅の基本的構成(韓国のアンバンーマルの連鎖や日本の続き間)は根強く継承されているといえる.