著者
最上 敏樹 吾郷 眞一 山形 英郎 酒井 啓亘 桐山 孝信 中川 淳司 中谷 和弘 児矢野 マリ 兼原 敦子 坂元 茂樹
出版者
早稲田大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2008

3年+1年にわたって研究会の開催や協議を通じ、この意欲的な分野の先鞭をつけてきた。とりわけ立憲主義の問題は、わが国ではこの共同研究がきっかけになって活性化したと言っても過言ではなく、わが国学界に最先端の論題を導入し、国際水準の議論ができる基盤を作ったと自負している。それと旧来の機能主義の理論枠組みをどう接合するかについても大きな展望が開けた。
著者
中窪 裕也 野田 進 中内 哲 柳澤 武 矢野 昌浩 丸谷 浩介 吾郷 眞一 井原 辰雄
出版者
一橋大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2005

本研究は、わが国の雇用保険制度の現状と課題を考えるための素材として、失業保険制度の国際比較を行ったものである。対象国として、イギリス、フランス、ドイツ、アメリカ、中国の5か国を取り上げている。本研究において行った活動は、次の4点である。第1に、基礎的な作業として、わが国の雇用保険制度の内容を精査したことである。この間、雇用保険法の2007年改正も行われたが、それを含むいくつかの事項について、論考を発表した。第2は、本研究の本体にあたる、5か国の失業保険制度の研究である。各国について、書籍やインターネットで入手できる資料をもとに基本調査を行ったうえで、担当者が現地を訪問し、ヒアリング調査と資料収集を行った。その内容は、研究成果報告書の中に収められている。各国ごとに制度の様相はさまざまであるが、欧州諸国における早期再就職の促進に向けての失業認定や給付の再編、アメリカにおける州法の多彩な内容、中国における制度創設と定着の努力などが分析されている。第3は、関連事項として、日本および各国の最低賃金制度についても検討を行ったことである。両制度は、労働者にとって就労時の所得保障と失業時の所得保障という形で連続するものであるが、各国における最低賃金制度の概要を、上記の研究成果報告書の中に織り込んだ。第4は、以上を踏まえたうえで、わが国の雇用保険制度(および最低賃金制度)について、体系的な現状分析と将来の方向性の検討を行ったことである。これに関しては、日本労働法学会の114回大会のシンポジウムで報告する機会が与えられ、「労働法におけるセーフティネットの再構築-最低賃金と雇用保険を中心として」というタイトルの下に、6名が報告を行った。このときの報告内容とシンポジウムでの討論の模様は、日本労働法学会誌111号(2008年)に収められており、本研究の一部をなす。
著者
吾郷 眞一 柳原 正治 野田 進 中窪 裕也
出版者
九州大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2006

国際労働法の分野においてある程度市民権を持ちつつある「企業の社会的責任」(CSR)が実定法として機能する余地はあるのかどうか、という問題意識を出発点とし、国際公法と国内労働法の二つの観点から実態を分析し、帰納的手法を用いてCSRの法的位置づけを行った。国際公法の視点からソフトローの一つとして、あるいはまた実定法を補完するものとして一定の役割を果たすと同時に危険性もはらむものであることがわかった。
著者
緒方 靖哉 熊谷 健一 吾郷 眞一 北川 俊光 久原 哲 白畑 實隆 井上 治典
出版者
九州大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
1995

本研究の成果として、研究代表者及び分担者の所属する九州大学大学院農学研究科遺伝子資源工学専攻と法学部の教官が担当し、遺伝子資源工学専攻及び法学部の学生を対象に「バイオテクノロジー概論」及び「バイオテクノロジー法学概論」と題する学際講義を、この三年間にわたり開催した。平成7年度には、「バイオテクノロジーと法」と題するシンポジウムを開催し、バイオテクノロジーにおける知的所有権の問題を取り上げ、バイオテクノロジーの分野における法の関与に関し議論を行った。また日本農芸化学会主催の第20回化学と生物シンポジウムにおいて、本研究分担者である法学部教官が全面的に協力し、遺伝子導入生物の法学的見地からの解釈について討論を行った。平成8年度には、LHL(Life-Human-Law)研究会を三回開催し、バイオテクノロジーにおける成果物の知的財産としての保護のあり方、生物資源情報に関する問題点と法学的な保護のあり方及び現実に行われたDNA鑑定と現時点におけるDNA鑑定の根本的な問題点などについて、活発な討論会を行った。また九州バイオテクノロジー研究会・平成8年度技術講習会を開催し、バイオテクノロジーにおける基礎技術の公開とその提供を行った。平成9年度においては、本研究主催で“理系と文系の情報交流の現状と今後の課題"と題する公開シンポジウムを開催した。本シンポジウムにおいては、財団法人工業所有権協力センター・広田洋二郎氏及び福岡県弁護士会・岩田務氏を招聘し、討論会を行った。さらに本研究分担者、農学、法学研究科大学院生をパネラ-とし、法学・農学研究科における大学院学際講義の現状の把握と今後に向けた問題点の整理・検討を行った。