著者
森泉 由恵 スクッスィー ピヤワン 本藤 祐樹 和気 洋子
出版者
一般社団法人 日本エネルギー学会
雑誌
日本エネルギー学会誌 (ISSN:09168753)
巻号頁・発行日
vol.92, no.5, pp.491-502, 2013 (Released:2013-05-31)
参考文献数
20
被引用文献数
1

Ethanol production using multiple feedstocks has the potential to be an important option for the development of ethanol industry in Thailand. In the present study, two types of plants that produce ethanol from both cassava and molasses (multi-feedstock plant) were evaluated with respect to profitability and greenhouse gas (GHG) emissions and compared with the performance of one type of plant that produce ethanol from cassava only (single-feedstock plant). The results show that multi-feedstock plants have lower GHG emissions than a single-feedstock plant. Despite environmental benefits, multi-feedstock plants have no advantage in terms of profitability. However, the use of multiple feedstocks is more effective for avoiding the risk of feedstock price fluctuation and ensuring the economic viability of ethanol production. In addition, scenario analysis was carried out to explore the effective use of the biogas collected from wastewater treatment process. The analysis suggests that when the biogas is used for electricity generation, profitability of all plants is significantly improved compared with when it is used for steam generation. Although the biogas utilization for electricity generation has a negative impact on the environmental performance, it is an appealing option from a cost perspective.
著者
吉野 直行 深尾 光洋 池尾 和人 中島 隆信 津谷 典子 木村 福成 古田 和子 竹森 俊平 和気 洋子 嘉治 佐保子 友部 謙一
出版者
慶應義塾大学
雑誌
特別推進研究(COE)
巻号頁・発行日
1999

1997年に発生したアジア通貨危機は、資本自由化・為替制度・コーポレートガバナンスなど、さまざまな問題に起因している。本研究では、最終年度において、通貨危機に対する各国の対応(資本流出規制)の効果について、理論的・実証的な分析を行い、輸出入依存度の高い経済においては、資本規制も短期的には有効であることが導出された。為替制度のあり方についても、日本の経験、通貨危機の影響を踏まえ、中国の(実質的な)固定相場制をどのように変更することが望ましいか、アジアの共通通貨のベネフィットに関する議論もまとめることが出来た。また、バブルを発生させた各国の銀行行動の分析では、(i)金融機関の数(オーバーバンキング)、(ii)担保価値への影響を与える地価の変動、(iii)経営能力とガバナンス、(iv)地域経済の疲弊などの要因を、クラスター分析で導出した。アジア各国への日系企業の進出では、工業団地の役割について、現地調査を含めた分析をまとめた。日系企業の進出の立地として、労働の質、市場としての魅力を背景とした立地が多いことも、調査により明らかとなった。日本からの企業進出は多いが、海外から日本国内への直接投資は非常に少ない。地価・賃料の高さ、労働賃金の高さ、通信コストの高さなど、アジアにおける日本の劣位も明らかにされた。歴史パートでは、人口成長率の違いが経済発展に与える効果を、タイ・日本について比較分析を行った。COE研究における5年間の研究成果は、海外との研究協力や、海外のジャーナルへの論文発表、国内・海外の学会での発表、国内外での書籍の出版などを通じて、発信することができた。こうした研究成果を基礎に、アジアとの結びつきが重視されている現状も踏まえ、さらに研究を発展させる所存である。
著者
折原 佑輔 和気 洋子 宇都宮 仁 青島 均
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本醸造協会誌 (ISSN:09147314)
巻号頁・発行日
vol.101, no.5, pp.349-356, 2006-05-15 (Released:2011-09-20)
参考文献数
16
被引用文献数
1 4

1) 赤味樽および甲付樽に清酒を, 0, 2, 7, 14日間貯蔵し, グルコース, 着色度, 低沸点香気成分及び杉樽由来成分セスキテルペン類香気成分量を測定した。2) グルコース, 低沸点香気成分は, 樽貯蔵しても増加しなかった。着色度とセスキテルペン類は貯蔵日数と共に増加した。セスキテルペン類は甲付樽の方が早く抽出され, カディネン, オイデスモールは甲付樽に保存した方が赤味樽に保存したものに比べて含有量が大きかった。3) アフリカツメガエル卵母細胞にGABAA受容体を発現させて, 清酒の効果を検討した。清酒は応答を引き起こしGABA様活性を示した。また, この応答は清酒中のGABA含有量に対して大きかった。しかし, この応答は樽貯蔵しても増加しかった。4) 樽酒をペンタン抽出して芳香成分のGABAA受容体応答への影響を測定したが, 有意な効果は見られなかった。5) 樽貯蔵により, 総ポリフェノール量及びDPPHラジカル捕捉活性は相関して増加した。しかし, 過酸化水素の有意な増加は見られなかった。
著者
桜本 光 吉岡 完治 和気 洋子
出版者
慶應義塾大学出版会
雑誌
三田商学研究 (ISSN:0544571X)
巻号頁・発行日
vol.53, no.2, pp.137-148, 2010-06

資料中国遼寧省瀋陽市康平県で実施中の植林事業は,2009年12月4日付けで京都議定書に基づくクリーン開発メカニズム(CDM)プロジェクトとして,日本政府より承認を受けた。本稿では,かねてより砂漠化防止対策として実施中の植林プロジェクトの経緯・概要・CDM 事業化へ向けての手続き・今後の展望について紹介を行う。本プロジェクトは,日本政府が承認した,大学が実施する初めての植林CDM プロジェクトであることから,植林CDM フレームの学際的普及に努め,地球に負荷を与えない研究・教育の推進として役割を果たしていく予定である。Japanese Government approved the project Small-scale Afforestation for Desertification Combating at Kangping County, Liaoning Province China which Keio University has been promoting under the Kyoto Protocol on 4th Dec in 2009.In this thesis, we intend to introduce the outline of this project, procedure to CDM approval by Executive Board, and views in the future of this Afforestation project in China.This is the first Afforestation project among Japanese university which has been admitted by Japanese Government.So this project is expected to value on the importance role of Afforestation CDM project to academic world, and will lead to the enviromental research and educational promotion which will affect favorable effects on the earth.