著者
伊藤 寛子 和田 裕一
出版者
一般社団法人 日本教育心理学会
雑誌
教育心理学研究 (ISSN:00215015)
巻号頁・発行日
vol.47, no.3, pp.346-353, 1999-09-30 (Released:2013-02-19)
参考文献数
23

本研究では, 非漢字圏日本語学習者の漢字の記憶表象の特性について, 自由放出法を用いて検討した。漢字能力が異なる外国人 (初級者, 中級者, 上級者) および口本人に, 思いついた漢字を15分間できるだけ多く書くように求め, その後, 各々の漢字の想起に用いられた手がかりが何であったかについての質問をした。この手がかりの内容を検討した結果, 初級者の漢字の記憶検索には意味手がかりよりも形態手がかりが多く用いられるが, 漢字能力の向上に伴って形態手がかりより意味手がかりのほうが多く用いられるようになることが明らかになった。この結果は, 第二言語の語彙表象と概念表象との間の直接的な結び付きの程度の変容という点から議論された。また, 日本人よりも外国人の検索において, 部首よりも小さな漢字の構成要素が形態手がかりとして用いられることが多いこと, さらに, 外国人の形態手がかりには, 書き順から考えて不自然な取り出し方をした漢字の部分があることが示された。これらのことは, 外国人の漢字の記憶には日本人とは異なる形態的記憶表象が存在することを示唆するものであると考えられる。
著者
伊藤 寛子 和田 裕一
出版者
日本教育心理学会
雑誌
教育心理学研究 (ISSN:00215015)
巻号頁・発行日
vol.47, no.3, pp.346-353, 1999-09-30

本研究では,非漢字圏日本語学習者の漢字の記憶表象の特性について,自由放出法を用いて検討した。漢字能力が異なる外国人(初級者,中級者,上級者)および日本人に,思いついた漢字を15分間できるだけ多く書くように求め,その後,各々の漢字の想起に用いられた手がかりが何であったかについての質問をした。この手がかりの内容を検討した結果,初級者の漢字の記憶検索には意味手がかりよりも形態手がかりが多く用いられるが,漢字能力の向上に伴って形態手がかりより意味手がかりのほうが多く用いられるようになることが明ちかになった。この結果は,第二言語の語彙表象と概念表象との間の直接的な結び付きの程度の変容という点から議論された。また,日本人よりも外国人の検索において,部首よりも小さな漢字の構成要素が形態手がかりとして用いられることが多いこと,さらに,外国人の形態手がかりには,書き順から考えて不自然な取り出し方をした漢字の部分があることが示された。これらのことは,外国人の漢字の記憶には日本人とは異なる形態的記憶表象が存在することを示唆するものであると考えられる。
著者
土岐 利彦 堀口 正之 和田 裕一 矢嶋 聰 後藤 牧子 金野 多江子 伊藤 圭子 東岩井 久
出版者
特定非営利活動法人 日本臨床細胞学会
雑誌
日本臨床細胞学会雑誌 (ISSN:03871193)
巻号頁・発行日
vol.26, no.6, pp.1000-1004, 1987-11-22 (Released:2011-11-08)
参考文献数
18

頸部細胞診でclass IIIを呈した患者で, クラミジア感染症のスクリーニングを行いさらに, クラミジア陽性例の細胞像を検討し, 以下の結果を得た.1.380例中18例 (4.7%) が, EIA法でクラミジア陽性であった.2. 陽性例では, 細胞診上, central target formationや, 星雲状封入体など, クラミジア感染に特徴的とされていいる所見は全例で認められず, 細胞診のみでクラミジア感染を推定するのは困難と思われた.3. 陽性例の56%に, 細胞診または組織診上, human papillomavirus (HPV) 感染の徴候が認められた.4. 治療例13例の細胞異型は, 6例で消失したが, 7例では存続していた. 消失例6例の細胞異型は, 主として軽い化生異型であった. これに対して, 異型持続例7例中, 6例にHPV感染の徴候が存在し, このHPV感染による細胞異型は, 治療に関係なく持続していた.以上より, クラミジア感染時にみられる細胞異型は, 同じSTDとしてHPV感染を合併する場合に, 特に問題になってくると考えられる.
著者
平野 勝也 和田 裕一 森田 直子
出版者
東北大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010

本研究により,街並みメッセージが,場所単独のイメージのみ成らず.係留効果を通じて,場所が展開する場合において,大きく場所のイメージに影響することも明らかにした.そのことにより,既に明らかになっている場所単独のイメージと,表通りから裏通りに入ると言ったような場面展開のパタン整理を,様々な繁華街において調査を実施することを通じて,繁華街を創り上げていくデザインボキャブラリーとしての取り纏められた.