著者
土田 敬明
出版者
特定非営利活動法人 日本レーザー医学会
雑誌
日本レーザー医学会誌 (ISSN:02886200)
巻号頁・発行日
vol.41, no.1, pp.53-82, 2020-04-15 (Released:2020-05-01)
参考文献数
7

令和2年診療報酬改定に対する日本レーザー医学会社会保険委員会の取り組みとその結果について述べる.また,現在薬機法で承認されているレーザー機器及び保険収載されているレーザー治療を表としてまとめ,その詳細について述べる.
著者
土田 敬之
出版者
Japan Society of Corrosion Engineering
雑誌
Zairyo-to-Kankyo (ISSN:09170480)
巻号頁・発行日
vol.53, no.1, pp.44-49, 2004-01-15 (Released:2011-12-15)
参考文献数
9
被引用文献数
3 4

無水のアルコールはアルミニウムとアルコキシド反応を起こすことが知られている. しかし, 複数のアルコールが混在した場合の挙動は報告されていない. また, 微量の水の存在でアルコキシド反応を防止することが知られている. そこで筆者は (1) 共沸点近傍の混合アルコール溶液とアルミニウムの反応, (2) 混合アルコール溶液とアルミニウムとの反応を抑制する最低含水濃度の関係を調べることを目的とした. 353K, 373K, 393Kの各温度における72時間処理という条件で, 炭素数2~4のアルコールすなわちエタノール, ノルマルプロパノール, イソプロパノール, ノルマルブタノール, イソブタノールの5種類のアルコールを用い, 混合アルコール溶液50mlと純アルミニウム (JIS-A1085) 板片をSUS304製容器の中で反応させた. 試験の結果, 単体成分のアルコールに比べ混合アルコール溶液の場合, 反応温度が低下する傾向が見られた. また, 混合アルコール溶液の方が反応を抑制する最低含水濃度が高くなる傾向があることを発見した. これらの結果をアルコールの溶解現象の立場から考察を加え, 混合アルコール溶液中のアルコールクラスターのサイズ, 構造及び安定性が反応に大きく関与している可能性を示唆した.
著者
大浜 和憲 土田 敬 矢崎 潮 田中 松平 長尾 信 亀水 忠 川口 雅彦 俵矢 香苗 清水 博志
出版者
特定非営利活動法人 日本小児外科学会
雑誌
日本小児外科学会雑誌 (ISSN:0288609X)
巻号頁・発行日
vol.32, no.5, pp.776-783, 1996
被引用文献数
4

胆道穿孔を合併した先天性胆道拡張症4例を報告した.性別は男児1例,女児3例で,年齢は13日から4歳であった.形態は嚢腫状拡張3例,紡錘状拡張1例であった.主脈は腹痛,発熱と嘔吐が3例に,腹部膨満,黄疸と意識障害が1例に認められた.全例とも炎症所見はそれほど強くなかった.直接ビリルビンの上昇が1例に,高アミラーゼ血症が2例に認められた.発症から手術までの期間は2日から13日であった.初期治療として腹腔単ドレナージ術が2例に,嚢腫十二指腸吻合術と外胆瘻造設術が各1例に行われた.全例,1ヵ月から5年後に根治術を受けて生存している.自験例4例を含む本邦報告例93例の検討から,症状は嘔吐が最も多く,腹部膨満,腹痛,発熱がそれに次ぐ.小児の急性腹症で黄疸や肝胆道系酵素・膵酵素の上昇などがあれば,腹部超音波検査を必ず行い,胆管の拡張と大量の腹水貯留があれば胆道拡張症に胆道穿孔を合併したものとほぼ診断できる. 初期治療は外胆道瘻造設術が妥当である.先天性胆道拡張症で胆道穿孔をおこす原因は胆道内圧の上昇と膵液の逆流による胆管壁の荒廃の2つが考えられるが,嚢腫状拡張よりも紡錘状拡張の方が穿孔を起こしやすいことから,後者の方がより大きな因子といえる.また穿孔をおこす年齢は4歳までがほとんどで,胆道壁の未熟性も穿孔に関与していると考えられる.
著者
池田 徳彦 吉田 浩一 本多 英俊 永田 真一 林 和 坪井 正博 土田 敬明 古川 欣也 奥仲 哲弥 平野 隆 中村 治彦 加藤 治文
出版者
特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会
雑誌
気管支学 (ISSN:02872137)
巻号頁・発行日
vol.24, no.8, pp.612-617, 2002
被引用文献数
2

内視鏡的蛍光診断は中心型早期肺癌,扁平上皮化生などの気管支微小病変の診断に有用と報告されている.当院では肺癌治療前,喀痰細胞診異常,術後の経過観察など600例に本検査を施行,合計997部位を生検し,組織診断と蛍光診断の診断率を評価した.癌病巣では白色光,蛍光に差を認めなかったが,蛍光診断で病巣の進展を客観的に把握し得た.化生病巣においては白色光では発見困難で蛍光でのみ診断された病巣は全体の約40%を占め,蛍光診断の有用性が示唆された.また,喀痰細胞診異常症例に蛍光内視鏡を併用することにより病変の局在同定率は白色光単独の場合の59%から72%へと上昇した.簡易型の蛍光診断装置(System of Autofluorescence Endoscope, SAFE, Pentax)は従来より用いられてきたLight Induced Fluorescence Endoscope(LIFE,Xillx)と同程度の診断能を有すると考えられた.中心型早期肺癌の治療戦略の一環として蛍光診断と超音波内視鏡検査を併用することにより浸潤範囲と壁深達度を正確に評価し適正治療を選択することが行われている.蛍光診断は特別な前処置も必要とせず,従来の内視鏡検査と併用することにより,日常検査の精度向上が期待でき,適応はますます拡大するものと思われる.一方,ラマン分光の応用やOptical Coherence Tomography(OCT)の出現は内視鏡診断にoptical biopsyという新たな進歩をもたらすであろう.