著者
武藤 彰宣 坂本 裕子 田島 健一郎 後藤 邦康
出版者
Brewing Society of Japan
雑誌
日本醸造協会誌 = Journal of the Brewing Society of Japan (ISSN:09147314)
巻号頁・発行日
vol.92, no.7, pp.535-540, 1997-07-15
被引用文献数
3

糖化力測定キットを用い清酒醪中の糖化力の測定を行った。当測定キットは醪中のグルコース及びエタノールによる影響は受けずに,醪中の糖化力の変化を十分に測定することが可能であった。醪中の糖化力は醪初期(掛米投入後24時間前後)にピークを持ち,中期以降(7~10日前後)から麹抽出液から推定される値になり,漸減する傾向を示した。この減少率より醪中で初期の糖化力が半減するには30~40日必要であることが分かった。実地醪では醪後半から予測される糖化力に影響する留醪の割合は4割前後で,留麹投入以前の麹の糖化力も醪の経過に大きい影響を与えるものと考えられた。個々の投入段階の麹を分析する方法よりも,実用レベルでは留時の水麹の試料を用いることにより,段仕込みの影響を考慮せず,醪中期以降の糖化力を推定することが実用的であった。
著者
井上 清文 坂本 裕子
出版者
食生活研究会
雑誌
食生活研究 (ISSN:02880806)
巻号頁・発行日
vol.32, no.1, pp.8-21, 2011
著者
井上 清 坂本 裕子
出版者
食生活研究会
雑誌
食生活研究 (ISSN:02880806)
巻号頁・発行日
vol.32, no.2, pp.89-98, 2012
著者
高野 吉郎 大島 勇人 前田 健康 馬場 麻人 坂本 裕次郎 寺島 達夫 花泉 好訓
出版者
東京医科歯科大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
1995

口腔領域における抗原提示細胞ネットワークの全容を解明するための一連の研究の一環として、ラット切歯、臼歯、ヒト永久歯および乳歯を用いて、以下に示す項目について検討を行った。1.抗原提示細胞ネットワーク:マクロファージを含む抗原提示細胞ネットワークをMHC class II抗原に対する免疫組織化学と、ACPaseの酵素組織化学の二重染色法、ならびに免疫電顕法により精査した。歯根膜と歯髄で、樹状細胞郡とマクロファージ郡の2郡に大別し、両者の分布パターンの異同を大筋で明らかにした。幼若な個体では歯髄、歯根膜ともに樹状細胞は少数で、成長に伴って増加した。ラット臼歯歯根膜では樹状細胞と破骨細胞の棲み分けが確認され、歯髄では樹状細胞が頻繁に象牙細管に細胞突起を刺入していることが確認された。2.窩洞形成刺激が歯髄樹状細胞に与える影響:従来看過されていた窩洞形成後の樹状細胞の早期反応の詳細を明らかにした。窩洞形成直後から多数の樹状細胞が象牙細胞の傷害野へ集積し、修復象牙質の形成開始期まで溜まってダイナミックな動態を示すことが確認され、樹状細胞が外来抗原刺激の感受に加えて、歯髄修復に何らかの関与をしている可能性が示唆された。3.抗原提示細胞と破骨細胞の前駆細胞判別の試み:歯槽骨の骨形成野と骨吸収野が歯根の近遠心で明瞭に区別されるラット臼歯歯根膜では、同じ骨髄単球系細胞である樹状細胞と破骨細胞がやはり明瞭な棲み分けをしていることが確認された。そこで矯正的に骨の吸収と添加の方向を変化させ、樹状細胞と破骨細胞の局在性を変化させることで、in situでの両細胞の分化を誘導し前駆細胞の異同を検討した。4.ヒト乳歯歯髄の樹状細胞:健常、歯根吸収期、歯冠吸収期の乳歯歯髄に多数の樹状細胞の存在を確認した。樹状細胞はヒト永久歯歯髄やラット臼歯と同じく象牙細管に突起を刺入するものが多く、特に乳歯では歯髄側の象牙質吸収野に見られるセメント質様組織の形成との関係が伺われた。当初計画した歯髄樹状細胞の所属リンパ節への移動に関する細胞化学的検討と樹状細胞の抗原物質処理経路の免疫細胞化学的検討については、今後の検討課題とした。
著者
中島 千恵 坂本 裕子 浅野 美登里 落合 利佳 鳥丸 佐知子
出版者
京都文教短期大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2007

1.2年間の取り組みを通した学生の食意識改善度、連携力向上の分析:入学後の知識の獲得が意識改善に影響をもたらし、意思決定に関わる価値の内面化、一情報獲得への姿勢にも一定の効果があった。しかし、著しい行動変容をもたらすには至らなかった。とりわけ、女子学生のやせ願望は改善しなかった。学生対象のアンケートは自己認識を高め、問題意識、改善意識を高める手段として効果があを目指した大学祭での食育実践では、約60%が他専攻の学生と一緒に活動できたことを評価しておりった。また、家庭におけお「お手伝い」の無と改善度との相関関係が伺われた。連携力を培うこと、企画検討のプロセスが相互の専門性に関心を持ち、連携する上での困難や問題点に気づかせる機会となった。2.卒業生対象の追跡調査の実施と分析:食育基本法制定以前の学生(平成15年度入学)291名と本研究を通して様々な経験をした平成19年度入学生377名を対象にアンケートを実施し、大学教育の効果を探った(回収率約30%)。大学で学んだ知識や技術の有用感は、平成19年度入学生の方が約30%多かった。しかし、食育基本法が制定され既に3年を経過しているにも関わらず、保育士、栄養士ともに「活用の機会が無い」と感じていた。3.保育園での食育実践:学生の連携力を高める更なる取り組み:合同の講演会に加え、中島、坂本、浅野が担当するゼミで合同授業や合同保育園見学を行い、近隣の保育園2箇所で学生主体の食育実践を行った。4.京都府下の保育園アンケートの分析とフィードバック:平成20年度に実施したアンケート結果から、保育園では栄養士より保育士が食育の企画や実施に取り組んでいるケースが多いことがわかった。栄養士の保育所への配置も含め、今後、養成校のみだけでなく、政策的にも栄養士の保育園や学校での食育実践力に力が注がれる必要があると考える。
著者
山田 ひとみ 坂本 裕子 米中 由美 内谷 文子 阿曽沼 洋子 中島 由美子 横尾 京子
出版者
日本新生児看護学会
雑誌
日本新生児看護学会誌 (ISSN:13439111)
巻号頁・発行日
vol.9, no.1, pp.40-45, 2002-09

本研究は、体重測定時に「包み込み」を行うことにより、早産児のストレスを緩和できるか否かを明らかにすることを目的とした。当施設での裸のままで保育器外へ出す体重測定法(従来法)と、児をタオルで囲い頭部以外の身体を布で覆った状態で出すという体重測定法(包み込み法)を、早産児4事例において、各方法12場面(4名×3回)を交互に行った。体重測定前の児の状態を安静とし、体重測定中・体重測定後0~5分の5分間・体重測定後6~10分の5分間の各時期を、行動学的側面(ストレスサイン・state)から比較検討し、以下の結果を得た。ストレスサインにおいては、体重測定中では14項目中7項目で有意差が認められ、体重測定後0~5分の5分間・6~10分の5分間においても体重測定中よりは少数であるが、有意差が認められた。stateにおいては、包み込み法では体重測定中に全く上昇が見られないという結果が得られた。これらより、「包み込み」は体重測定中の早産児のストレスを緩和するのに有用であると示唆された。今後もあらゆるケアにおいて、児のストレスサインを適切に読み取り、対処法を探索していく必要がある。The purpose of the present research was to clarify whether or not the stress of preterm infants can be relieved by "wrapping up" during measurement of their body weight. The body weights of four preterm infants were measured using alternately our facility's traditional method, whereby babies are taken naked as they are from the incubator ("traditional method"). and a method whereby the infants were taken out clothed in a towel so that their bodies except for the head were covered in fabric ("wrap-up method"). Each infant's body weight was measured 3 times using the two methods, making a total of 12 cases. Before weight measurement the infants were put into a restful state; subsequently they were examined for behavioral aspects (stress signs and state) during (a) weight measurement. (b) the 5 minute period immediately after weight measurement (minutes 0 to 5). and (c) the subsequent 5 minute period (minutes 6 to 10). Below are the results of the comparison that was made of the behavioral aspects in each of these periods. A significant difference occurred in stress signs during weight measurement, with just 7 out of 14 signs being observed with the wrap-up method. During the 1st (minutes 0-5) and 2nd (minutes 6-10) 5 minute periods following weight measurement the number of stress signs observed was small compared to those occurring during weight measurement, but again there was a significant difference. As regards stress state, the result obtained was that no increase whatever was observed during weight measurement when the wrap-up method was used. These results indicate that the wrap-up method is useful for relieving stress in premature babies during body weight measurement. In the future it will be necessary to read accurately the stress signs in babies under all types of care and to explore methods to remedy such stress.
著者
小濱 純 斉藤 貢一 坂本 裕則 岩崎 雄介 伊藤 里恵 堀江 正一 中澤 裕之
出版者
公益社団法人 日本分析化学会
雑誌
分析化学 (ISSN:05251931)
巻号頁・発行日
vol.56, no.12, pp.1019-1024, 2007 (Released:2008-01-29)
参考文献数
21
被引用文献数
3 5

食品添加物として使用されているL-プロリンをキラル分離・定量するために,オルトフタルアルデヒド(OPA)と9-フルオレニルメチルクロロホルメート(FMOC-Cl)を使用した選択的な前処理法を検討し,液体クロマトグラフィー/質量分析法によるプロリンの高感度かつ選択的な測定法の構築を試みた.夾雑成分の1級アミノ酸をOPA試薬により誘導体化し,固相抽出カートリッジを用いて2級アミノ酸であるプロリン及びヒドロキシプロリンとの分離を行い,続いて2級アミノ酸をFMOC誘導体とした.この2ステップ誘導体化法により試料のクリーンアップが効果的に行われ,2級アミノ酸に選択的な前処理が可能となった.また,β-シクロデキストリン系のキラルカラムを極性有機相モードで用いることにより,プロリンの良好な光学異性体分離が達成された.清涼飲料水,粉ミルク及び食酢を試料として添加回収試験を行った結果,平均回収率は80∼104% 以内と良好であった.本法は液状食品中のプロリンを光学分離,測定することが可能であり,食品添加物として使用されるプロリンの安全性を確保するための有効な分析法の一つになるものと期待される.