著者
大槻 麻衣 丸山 啓太 葛岡 英明 鈴木 雄介
出版者
ヒューマンインタフェース学会
雑誌
ヒューマンインタフェース学会論文誌 (ISSN:13447262)
巻号頁・発行日
vol.22, no.1, pp.25-34, 2020-02-25 (Released:2020-02-25)
参考文献数
50

With respect to collaborative physical tasks, gaze and gestures play significant roles when referring to physical objects. In video-mediated communication, however, such nonverbal cues become "ineffectual" when they are presented via a 2D monitor, making video-mediated collaborative physical tasks inefficient. This study focuses on gaze cues to support remote collaborative physical tasks using a mobile terminal and uses an eye-shaped display, "ThirdEye," a simple add-on display that represents a remote participant's gaze direction. ThirdEye is expected to be especially effective when used with mobile terminals. We investigated whether the ThirdEye’s gaze shift is effective in leading a local observer's attention toward objects in the local environment, even when ThirdEye is presented with the actual face image of a remote person. Experimental results show that ThirdEye can lead the local participant’s attention to intended objects faster than without ThirdEye.
著者
浅井 拓己 大槻 麻衣 柴田 史久 木村 朝子
出版者
日本ソフトウェア科学会
雑誌
コンピュータ ソフトウェア (ISSN:02896540)
巻号頁・発行日
vol.35, no.3, pp.3_32-3_44, 2018-07-25 (Released:2018-09-25)

仮想現実 (Virtual Reality; VR)空間や複合現実 (Mixed Reality; MR)空間のような3次元空間では,仮想データを空間上に提示し,操作することが可能である.しかし,その操作のために必要となるメニューの3次元空間上の表示位置や操作方法についてはしばしば問題となる.既存研究では腕や手など身体上に表示する手法が提案されているが,項目数や配置に制限があった.本研究では,手を開くというジェスチャによって,非利き手に追随するメニューを手掌の前の空間に表示し,それを利き手で操作するというOpenPalmMenuを提案する.表示領域を空間とすることで身体上に表示するよりも多くの項目を様々なレイアウトで表示できるほか,手掌の傍に表示することで空間中の操作しやすい位置への移動や円滑な操作を可能にする.本研究では,実験によって提案メニューの有用性,および設計指針を確認した後,その結果を考慮して設計したメニューをモデリングアプリケーションに導入し,提案メニューの使用感に関する調査を行った.
著者
大門 正幸 大槻 麻衣子 谷口 智子
出版者
国際生命情報科学会
雑誌
国際生命情報科学会誌
巻号頁・発行日
vol.34, no.1, pp.65-65, 2016

臨死体験者、過去生記憶や中間生記憶を持つ子ども、神秘体験者、霊媒を通したいわゆる「霊」、などの語るところによれば、人は生まれる前に人生の目標を決め、死後には人生を回顧するという。現時点では、この人生の仕組の実在性を直接検証することはできないが、このような仕組の存在について知ったり、また実体験を通してそれを実感することがより前向きな生き方につながることは、多くの実例が示しているところである。このワークショップでは、このような仕組の存在を示唆する若干の事例(中間生記憶、臨死体験など)を紹介した後、実際に自分の人生の使命に思いを馳せ、ここまでの人生を回顧する作業を通して、参加者が各自の人生をよりよく生きるためのヒントを提供することを目標とする。
著者
佐野 祐士 佐藤 晃矢 白石 僚一郎 大槻 麻衣
出版者
特定非営利活動法人 日本バーチャルリアリティ学会
雑誌
日本バーチャルリアリティ学会論文誌 (ISSN:1344011X)
巻号頁・発行日
vol.22, no.4, pp.493-502, 2017 (Released:2017-12-31)
参考文献数
35

We focused on the effect that applying visual and haptic stimuli reduce the task load of situation awareness during a ball game, and we hypothesized that as a result, they also reduce the number of misplays. We developed the system which can provide the visual and haptic stimuli for supporting 3-on-3 soccer game in real-time; for visual stimuli, the position relationship of opponent players are shown, and for haptic stimuli, the position of opponent player who are in the out of view angle. Through the experiment we evaluated whether the visual and haptic stimuli can reduce the task load in a ball game. As a result, the proposed visual or haptic stimuli itself reduced the player's task load and improved the ball handling skill. On the other hand, we found that the combination of visual and haptic stimuli did not reduce the task load of player, and did not contribute to the reduction of misplay.
著者
大槻 麻衣 大隈 隆史
雑誌
研究報告ヒューマンコンピュータインタラクション(HCI) (ISSN:21888760)
巻号頁・発行日
vol.2020-HCI-187, no.13, pp.1-6, 2020-03-09

超高齢化・少子化のために労働人口減が進む現代日本社会において,サービス業における人手不足が今後ますます深刻化することが予想される.現状,サービス業における訓練では,OJT (On the Job Training) として,指導者が訓練者に付き添い,実際の接客を通じて指導を行うことが多いが,訓練者の認知や判断の途中経過を指導者が客観的に捉えることが難しいことから,OJT による指導は極めて難しい.また,訓練の効果を評価するためには,採点者に依らない定量的な指標の計測が必要であるが,実店舗での接客中に計測することも困難である.これらの問題に対し我々は,飲食サービス業において特に実店舗で訓練が難しい要素である「気づき」と「優先順位判断」に着目した VR 業務訓練システムを開発する.提案システムでは,VR 空間に再現した実店舗モデルを用いて訓練を行う.訓練者は複数のテーブルに対して並列して接客業務を訓練することができ,また,指導者はリアルタイム,あるいは後からその様子を見て採点可能とした.本稿では提案システムの設計とプロトタイプの実装について述べる.
著者
丸山 啓太 大槻 麻衣 葛岡 英明 鈴木 雄介
雑誌
研究報告グループウェアとネットワークサービス(GN) (ISSN:21888744)
巻号頁・発行日
vol.2017-GN-101, no.26, pp.1-6, 2017-03-03

ビデオ会議システムにおいて,遠隔参加者の視線方向を正確に伝達することが 1 つの課題となっている.この問題を解決するために,我々は,ビデオ会議システムの簡便なアドオンとして利用できる眼球型立体ディスプレイ 「ThirdEye」 を開発した.ThirdEye は人工ウレキサイト (テレビ石) を半球状に加工して作成し,底面の画像を表面に投影することができる.すなわち,LCD 上に瞳を描画し,その上に ThirdEye を置くことで,人の眼球を模倣することができる.我々は,ビデオ会議システムにおいて,ThirdEye によって対話者の視線誘導が可能かどうかを評価する実験を行った.その結果,ビデオ会議の映像のみの場合よりも,ThirdEye によって視線を併せて提示した時の方が,対話者の視線がより誘導されることを示した.
著者
大槻 麻衣 木下 裕介 小早川 真衣子 ホー バック 渡辺 健太郎
雑誌
研究報告ヒューマンコンピュータインタラクション(HCI) (ISSN:21888760)
巻号頁・発行日
vol.2023-HCI-203, no.38, pp.1-5, 2023-05-24

ビジョン創出・参加者間の価値観理解のために,ビジョンを体現する状況を演劇形式で表現するアクティングアウトや,シンプルな積み木をヒトやモノに見立て,参加者がそれらを動かしながらストーリーを作る,といった表現活動がある.本研究では,働き手自らが新たな生活スタイル・働き方をデザインするにあたり,この活動に人間拡張技術を取り入れる試みを行った.具体的には,体験者同士が (1) AR 技術を活用した人形劇で自身の考えたストーリーを実現・記録し,(2) そのストーリーを,VR によって様々な視点から体験可能とした.AR 技術によって人形を拡張し,情報を付与することで参加者のイメージ構築に寄与し,また,VR の大きな特徴の 1 つである「没入感」を活用することで,参加者がストーリーを自分事として捉え,参加者間のストーリー共有がより深まり,議論を促進する効果が期待できる.また,これまで,VR 体験を構築するためにはある程度の専門知識やツールの習熟が必要であったが,本プロジェクトでは AR 人形劇という形にすることにより,一般の方でも簡単に体験を構築した点に新規性がある.本稿では,システムのプロトタイプの開発と,それを用いた予備実験について述べる.
著者
大槻 麻衣 大下 勉 木村 朝子 柴田 史久 田村 秀行
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. PRMU, パターン認識・メディア理解 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.110, no.381, pp.75-80, 2011-01-13
参考文献数
9

本研究では,立体視可能な複合現実空間において,多数のパーツから構成される仮想の3Dオブジェクトを分解し,その内部や個々のパーツ同士の接続関係,位置関係を至近距離で観察できるシステムを構築する.こうした分解・観察というタスクにおいて誤操作を回避し,操作の快適性,応答の心地よさを向上させるために,実世界で互いに接合・接着された物体の挙動や応答を模倣する3種類のメタファを導入する.本論文では,提案手法の基本概念,それを具現化するメタファとその物理計算モデル,ユーザ・インタフェースとしての実現に関して述ペ,実運用から得た知見や今後の発展させるペき方向性に関して論じる.
著者
大槻 麻衣 大下 勉 木村 朝子 柴田 史久 田村 秀行
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MVE, マルチメディア・仮想環境基礎 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.110, no.382, pp.75-80, 2011-01-13
参考文献数
9

本研究では,立体視可能な複合現実空間において,多数のパーツから構成される仮想の3Dオブジェクトを分解し,その内部や個々のパーツ同士の接続関係,位置関係を至近距離で観察できるシステムを構築する.こうした分解・観察というタスクにおいて誤操作を回避し,操作の快適性,応答の心地よさを向上させるために,実世界で互いに接合・接着された物体の挙動や応答を模倣する3種類のメタファを導入する.本論文では,提案手法の基本概念,それを具現化するメタファとその物理計算モデル,ユーザ・インタフェースとしての実現に関して述ペ,実運用から得た知見や今後の発展させるペき方向性に関して論じる.
著者
大槻 麻衣
出版者
立命館大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2008

前年度は,空間型操作を支援するポストWIMP型インタフェースの内,実世界と同様の感覚で,実物体に対して仮想的な描画が可能な筆型デバイスの開発を行った.本年度は,複合現実空間では実物体も仮想物体も同等に扱えることに着目し,仮想物体を対象としたデバイスの開発を行った.仮想物体を対象とした場合,描画対象に穂先が接触する際に生じる穂先のしなりや反力が無く,描画感に乏しいという問題がある.これを解決するために,力覚および視覚フィードバック機構を備えた新たな筆型デバイスの開発を行った.具体的には,力覚フィードバック機構として把持部の一部が可動する機構を,視覚フィードバックとして穂先を任意の方向・強度でしならせることが可能な機構を備えた試作デバイスを作成し,研究室内で運用した.試作デバイスではこれらの機構を駆動させるのにソレノイドを用いていたが,駆動量が調節できず,十分な解像度が得られなかった.そのため,DCモータを用いたデバイスへと改良し,より現実に近い描画感提示を実現した.上記と平行して,「空間への入力」という広い観点から3次元複合現実空間における仮想物体の分解・観察に適した操作法に関する研究を行った.ここでは,多数のパーツで構成された複雑な仮想物体をジェスチャ操作によって部分的に分解し,手元でその詳細を観察するという作業を想定し,誤操作を回避可能,かつ,操作の快適性・応答の心地よさを向上させる手法を提案した.具体的には,実世界と同様の感覚で操作が行えるよう,磁石や接着剤のように,簡単には外れないが,意図的に力を加えることで外れる方法で接合された物体の挙動や応答を模したものとした.これらの成果は2010年9月のヒューマンインタフェースシンポジウム,翌年1月にMR分野の専門家が集うSIG-MRにて口頭発表を行った他,日本バーチャルリアリティ学会論文誌に学術論文として投稿した(現在査読中).