著者
大滝 一登
出版者
全国大学国語教育学会
雑誌
国語科教育 (ISSN:02870479)
巻号頁・発行日
vol.90, pp.17-25, 2021-09-30 (Released:2021-10-20)
参考文献数
36

本稿は、高等学校「現代国語」新設において「作文の能力」が重視された高等学校独自の背景や改革の経緯を考察し、その到達点を明らかにするものである。特に、当時国が有していた情報と問題意識、改訂に関わった研究者の見解に着目し検討を行った。そこで明らかとなったのは、科学技術立国を目指す社会情勢の中、高等学校の作文教育の低調さを示す調査資料の存在、作文を重視しアメリカで注目されていた「コナント・レポート」への傾倒、コンポジション理論の導入を積極的に進めた森岡健二の作文教育観と、言語過程説に基づき独自の作文教育理論を構築しようとした時枝誠記のそれとが混在した形で指導事項として示されたと考えられる我が国独自の「作文の能力」観であった。
著者
尾村 嘉昭 福本 幸夫 大滝 一夫
出版者
社団法人日本獣医学会
雑誌
日本獸醫學雜誌 (ISSN:00215295)
巻号頁・発行日
vol.45, no.1, pp.23-30, 1983-02-25

35頭のニホンジカについて血液培養により染色体検査を試みたところ, 個体によって65, 66, 67, 68と染色体数に変異があった. この染色体の変異は, 常染色体中における大型のメタセントリック(M)染色体およびサブメタセントリック(SM)染色体の存否に起因していた. この二つの異形染色体の有無により, 6つの核型を観察することができた. このような染色体の多型現象は, 常染色体中の4個のアクロセントリック(A)染色体が動原本部で癒合して大型のM染色体をつくるか, SM染色体をつくるかにより, 生じたものと思われる. なお, いずれの場合も染色体の基本数は70で一定しており, いわゆるRobertson型転座によるものと思われる. すべての検査個体に共通して, 常染色体中に中型のM染色体1対が存在した. X染色体はA染色体中最大で, Y染色体は小型のSM染色体であり, 識別は容易であった.
著者
佐藤 斎 大滝 一 藤崎 俊之 中野 雄一
出版者
耳鼻咽喉科臨床学会
雑誌
耳鼻咽喉科臨床 (ISSN:00326313)
巻号頁・発行日
vol.89, no.11, pp.1319-1322, 1996-11-01 (Released:2011-11-04)
参考文献数
8
被引用文献数
1 1

Two cases of psychogenic hearing loss combined with psychogenic aphonia are reported.Case one was a 15-year-old female with psychogenic hearing loss that appeared just before taking a high school entrance examination. After she passed the examination, the complaint of hearing loss was reduced. Three years later she suddenly suffered from psychogenic aphonia prior to taking a college entrance examination. The aphonia also diminished after she passed the examination. Both the hearing loss and aphonia were attributed to the stress caused by the entrance examinations.Case two was a 26-year-old female who suddenly suffered from profound hearing loss and aphonia simultaneously. The conditions were brought on apparently by a psychogenic reaction to a stressful relationship with her mother-in-law.In both cases, the threshold of auditory brain stem evoked response was normal while the threshold of pure tone audiogram indicated profound sensorineural hearing loss. The phonolaryngogram was useful for diagnosis and evaluation of voice disturbance.