著者
大野 健彦 中谷 桃子 中根 愛 セン ユージン
出版者
The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers
雑誌
電子情報通信学会論文誌 D (ISSN:18804535)
巻号頁・発行日
vol.J94-D, no.1, pp.94-106, 2011-01-01

情報家電の利用時,ユーザが「作業にうんざりする」と感じる場面がしばしば登場する.このような状態を検出し,その発生原因を特定,解消することは情報家電の使いやすさを向上させる上で重要な役割を果たす.特に利用開始前に必要な接続・設定作業には,うんざりしやすい様々な要因が含まれる.本研究では情報家電の接続作業におけるうんざり状態の要因を明らかにすることを目的として,ビー玉評価法と呼ぶ「うんざり」状態を検出する簡易な方法を考案し,情報家電の配線作業に適用した実験について述べる.実験の結果,うんざりする程度は人によって大きく異なること,またユーザがマニュアル読解時,特に適切なページにたどりつけない場合にうんざりする場合が多いことが示された.またビー玉評価法がこのような作業の評価に適切であることが示された.
著者
大野 健一 大野 泉 細野 昭雄 上江洲 佐代子 川端 望 木村 福成 ALTENBURG Tilman LEFTWICH Adrian KHAN Mushtaq GEBRE-AB Newai GEBREHIWOT Berihu Assefa 森 純一 PHAM Hong Chuong NGUYEN Thi Xuan Thuy
出版者
政策研究大学院大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2010-04-01

市場経済やグローバル化と矛盾しない産業振興を「プロアクティブな産業政策」と定義し、東アジアを中心にそのような政策事例を収集・比較したうえで、その具体的な内容、つくり方、組織、文書などを解説する英文・和文の書物を出版した。また研究成果を現実の開発政策に適用するために、本学が国際協力機構(JICA)等と共同で実施しているエチオピア政府およびベトナム政府との産業政策対話において、カイゼン、官民協力、行動計画のつくり方などにつき提言を行い、そのいくつかは実際に採用された。
著者
大野 健彦
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. HIP, ヒューマン情報処理 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.100, no.138, pp.31-36, 2000-06-15
被引用文献数
6

本論文では人がWWWを利用して目的の情報を探すプロセスを明らかにするため, ユーザーの視線を測定して注目している領域の種類を調べた結果について報告する.実験はあらかじめWWWプラウザの画面をキャプチャして得られた画像を被験者に提示し, 被験者に目的の情報を選択させる形式でおこなわれた.実験の結果, 被験者は一般に各領域に対して極めて短い時間しか注目していないということがわかった.また, 被験者が特定領域に長く注目している回数は, 問題によって大きく異なるという結果が得られた.これらの結果はWWW画面のデザインによってユーザーが目標を探し出すプロセスが大きく異なることを示しており, ユーザーの視線を測定することでWWWの画面デザインを評価できる可能性があることを示している.
著者
大野 健彦
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告ヒューマンコンピュータインタラクション(HCI) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2006, no.3, pp.67-74, 2006-01-13
被引用文献数
3

個人キャリブレーションにおいてわずか1 点のみを注視すればよい,新しい視線計測法を提案する.一般に個人キャリブレーションは複雑で面倒な作業として知られており,9 点から20 点のキャリブレーションマーカを順次注視する必要がある.提案手法はわずか1 点を注視すればよいことから,個人キャリブレーションに要する手間が大幅に軽減されている.本手法(OPC 法と呼ぶ) はディスプレイの上部にキャリブレーションマーカを表示し,ユーザがそのマーカを注視している間にユーザの眼球形状と視線算出に用いる眼球形状モデルの差分を算出し,以降の視線計測に用いる.差分の算出にあたっては,オートフォーカスカメラを用いたカメラから眼球までの距離,ならびにカメラ近辺に配置された2 組の近赤外線LED を用いている.予備評価実験の結果,本手法を用いることでおおまかなユーザの視線が算出可能であることが示された.A novel gaze tracking method which requires only one calibration marker for the personal calibration is proposed. In general, personal calibration is known as the troublesome task, which requires the user looks at nine to twenty calibration markers successively. Different from traditional methods, the proposed method drastically reduce the cost of personal calibration. This method, which is called the One-Point Calibration method (OPC method), displays a calibration marker on the top of the screen. While the user looks at the marker, the difference between the user's eyeball shape and the eyeball model used in calculating the user's gaze direction is estimated. Then, the difference between the user's gaze direction and the estimated gaze direction by the eyeball model is compensated. To estimate the difference between the user's eyeball shape and the eyeball model, we use the distance between the camera and the eyeball derived from the auto-focus camera, and two infrared lights arranged near the video camera. The preliminary user study confirmed that it is possible to detect the user's rough eye gaze with the proposed method.
著者
大野 健彦
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告コンピュータビジョンとイメージメディア(CVIM) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2001, no.87, pp.171-178, 2001-09-13
被引用文献数
5

人の視線を測定する技術の発展と共に,その利用方法も眼球運動の研究から,視線インタフェースへと広がりつつある.本稿では視線測定装置を視線インタフェースに利用する場合に要求される条件を述べ,これまでに提案されてきた視線測定法がどのように要求を満たしてきたかを紹介する.次に視線インタフェースの具体例をコマンド型インタフェースと非コマンド型インタフェースの2種類に大別して紹介し,最後に視線インタフェースの将来形として,視線コミュニケーションに向けた研究について紹介する.The improvement of gaze tracking system enables us to expand its research area from measurement of eye movements to gaze interface field. In this paper, the requirements of gaze tracking system for gaze interface device are described at first, and then technologies that satisfied them are presented.Next, the researches of gaze interface are shown within two categories, command-based interface and noncommand-based interface. Finally, the challenge of gaze communication between man and computer is described.