著者
並川 努 谷 伊織 脇田 貴文 熊谷 龍一 中根 愛 野口 裕之
出版者
公益社団法人 日本心理学会
雑誌
心理学研究 (ISSN:00215236)
巻号頁・発行日
vol.83, no.2, pp.91-99, 2012 (Released:2012-11-20)
参考文献数
19
被引用文献数
83

Personality scales based on the five-factor model, especially the Big-Five Scale of personality trait adjectives (Wada, 1996), are commonly used in Japan. In this study a short form of the Big-Five Scale was constructed. To avoid changes in the capacity dimension caused by the decrease in the number of items, item selection was conducted after Item Response Theory (IRT) scales were constructed for all the items. In Study 1 data was collected from 2 099 participants. A Generalized Partial Credit Model was applied to the IRT model, and items were selected using the slope and location parameters for each item. Cronbach's alpha showed that the short form, as well as the five sub-scales, had sufficient reliability as a personality test. In Study 2, we determined correlations with the NEO-FFI and tested the concurrent validity of the short form. The results indicate that the short form of Big-Five Scale demonstrates sufficient reliability and validity despite the reduced number of items.
著者
大野 健彦 中谷 桃子 中根 愛 セン ユージン
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D, 情報・システム (ISSN:18804535)
巻号頁・発行日
vol.94, no.1, pp.94-106, 2011-01-01

情報家電の利用時,ユーザが「作業にうんざりする」と感じる場面がしばしば登場する.このような状態を検出し,その発生原因を特定,解消することは情報家電の使いやすさを向上させる上で重要な役割を果たす.特に利用開始前に必要な接続・設定作業には,うんざりしやすい様々な要因が含まれる.本研究では情報家電の接続作業におけるうんざり状態の要因を明らかにすることを目的として,ビー玉評価法と呼ぶ「うんざり」状態を検出する簡易な方法を考案し,情報家電の配線作業に適用した実験について述べる.実験の結果,うんざりする程度は人によって大きく異なること,またユーザがマニュアル読解時,特に適切なページにたどりつけない場合にうんざりする場合が多いことが示された.またビー玉評価法がこのような作業の評価に適切であることが示された.
著者
中根 愛 中谷 桃子 大野 健彦
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. HCS, ヒューマンコミュニケーション基礎 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.110, no.33, pp.11-16, 2010-05-06

ICT機器の普及が進み,家庭内のネットワークに接続される機器間の配線・設定はますます複雑化してきている.これに伴い,ICT機器の配線・設定作業に対してネガティブな心理状態に陥るユーザが少なくない.本研究ではICT機器の配線・設定作業時に生じるネガティブな心理状態の生起プロセスを,インタビュー調査によって明らかにする.またこれを元にして,ネガティブな心理状態生起を抑制するための指針を構築する.
著者
草野 孔希 中根 愛 井原 雅行
雑誌
研究報告ヒューマンコンピュータインタラクション(HCI) (ISSN:21888760)
巻号頁・発行日
vol.2018-HCI-177, no.14, pp.1-6, 2018-03-09

本稿では,オフィス業務における不便を人から受ける場合と業務システムから受ける場合とで,抱く印象に違いが現れることを明らかにする.オフィスワーカーが業務で利用するシステム (業務システム) の使いやすさは,主にソフトウェア分野においてユーザビリティや,ユーザエクスペリエンスなどのキーワードで取り扱われてきた.しかし,一部の業務システムについては使いにくい不便なものであっても利用者が声を挙げずに使い続けてしまう場合がある.これは,業務システムから不便を受けるときに利用者が抱く印象に一因があると考える.そこで本研究では,不便を業務システムから受ける場合と人から受ける場合との印象の違いについて比較することで,その特徴を明らかにする.さらに,システムから受ける不便をシステムズ ・ ハラスメントと捉えることを考察し,不便について利用者がより意識的に考えて利用者同士や提供者と対話できる方法の構築に寄与する.
著者
大野 健彦 中谷 桃子 中根 愛 セン ユージン
出版者
The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers
雑誌
電子情報通信学会論文誌 D (ISSN:18804535)
巻号頁・発行日
vol.J94-D, no.1, pp.94-106, 2011-01-01

情報家電の利用時,ユーザが「作業にうんざりする」と感じる場面がしばしば登場する.このような状態を検出し,その発生原因を特定,解消することは情報家電の使いやすさを向上させる上で重要な役割を果たす.特に利用開始前に必要な接続・設定作業には,うんざりしやすい様々な要因が含まれる.本研究では情報家電の接続作業におけるうんざり状態の要因を明らかにすることを目的として,ビー玉評価法と呼ぶ「うんざり」状態を検出する簡易な方法を考案し,情報家電の配線作業に適用した実験について述べる.実験の結果,うんざりする程度は人によって大きく異なること,またユーザがマニュアル読解時,特に適切なページにたどりつけない場合にうんざりする場合が多いことが示された.またビー玉評価法がこのような作業の評価に適切であることが示された.
著者
中根 愛 米村 俊一 浅野 陽子
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SITE, 技術と社会・倫理 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.331, pp.13-18, 2008-11-28
被引用文献数
1

新規顧客の獲得,既存顧客の維持をできる製品,すなわち選ばれ続ける製品の評価を行うためには,製品の性能に関わる定量的な指標やユーザビリティといった評価指標では不充分になってきている.ここで注目される概念として,ユーザが製品の利用を通じて享受する経験全てを意味するユーザエクスペリエンス(UX)がある.本稿では,UXは製品に一定ではなく,時間軸によって変化するだろうということを前提に,UXに影響を与える因子の重み付けが時間軸によって変化し,更に人と製品の関わりによってその変化の仕方も異なる,というUXの評価モデルを提案し,モデルの妥当性を検討した.