著者
太田 直哉 藤井 雄作 伊藤 直史
出版者
The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers
雑誌
電子情報通信学会論文誌 D (ISSN:18804535)
巻号頁・発行日
vol.J92-D, no.6, pp.888-896, 2009-06-01

犯罪捜査において,容疑者が着ている衣服の色は重要な情報である.もし容疑者がカラーの監視カメラによって撮影されていた場合には衣服の色が同定できるが,白黒の監視カメラの場合には色の情報は通常得られない.しかし色の異なったいくつかの照明下で容疑者が撮影されていて,その撮影環境が再現できる場合には何らかの色の情報が得られると考えられる.本論文ではこの問題を数学的に解析し,どのような条件のときにどのような色情報が得られるかを明らかにする.それに基づいて色情報推定の具体的な手順を構築し,実験で効果を確認する.更に照明の色を積極的に制御すれば,提案する方法は簡便な分光反射率の測定法としても利用できるので,これについても言及する.
著者
新島 和孝 太田 直哉 金谷 健一
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告. CVIM, [コンピュータビジョンとイメージメディア] (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.118, pp.1-8, 1999-09-19
参考文献数
12
被引用文献数
1

自動車の運転者の支援を目的として、死角となりやすい左右後方から近付いて来る車両を画像処理を用いて検出する。検出のために用いる基礎的情報は画像の動き(オプティカルフロー)であるが、一般に画像の動きを計算するためのに必要な演算量は多く、それを実行するためには高価な装置を必要とする。これに対し、ここでは昆虫が複眼のような単純なセンサによる情報と、簡単な神経系による処理で十分な情報を得ていることに注目し、荒い解像度の画像情報と簡単な処理により目的を達成することを試みる。実験には通常のカメラと計算機を使用しているが、将来的にはフォトダイオードアレーのような簡単な受光素子と電子回路で装置を実現することを想定している。
著者
神宮彩実 太田直哉
雑誌
第73回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2011, no.1, pp.527-528, 2011-03-02

犯罪捜査において、防犯カメラに写った不審車両のナンバープレートを認識することは大変重要である。しかしナンバープレートが小さく撮影されていて、目視で数字を認識できない状況も多い。本研究では防犯カメラが犯罪後も使用可能であること、ナンバープレートには0から9の10種類の数字しか使われていないことの2点に着目し、このような場合にも防犯カメラの画像から数字を認識する手法を提案する。また、実験によってその有用性を確かめる。
著者
太田 直哉 藤井 雄作 伊藤 直史
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D, 情報・システム (ISSN:18804535)
巻号頁・発行日
vol.92, no.6, pp.888-896, 2009-06-01

犯罪捜査において,容疑者が着ている衣服の色は重要な情報である.もし容疑者がカラーの監視カメラによって撮影されていた場合には衣服の色が同定できるが,白黒の監視カメラの場合には色の情報は通常得られない.しかし色の異なったいくつかの照明下で容疑者が撮影されていて,その撮影環境が再現できる場合には何らかの色の情報が得られると考えられる.本論文ではこの問題を数学的に解析し,どのような条件のときにどのような色情報が得られるかを明らかにする.それに基づいて色情報推定の具体的な手順を構築し,実験で効果を確認する.更に照明の色を積極的に制御すれば,提案する方法は簡便な分光反射率の測定法としても利用できるので,これについても言及する.
著者
太田 直哉 大中 慎一 亀井 俊男 土屋 徹雄 溝口 正典
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. PRU, パターン認識・理解
巻号頁・発行日
vol.94, no.241, pp.57-64, 1994-09-21
被引用文献数
3

高速道路を走行する車両の前方視野画像を用いて、道路環境を理解する視覚システムについて報告する。現在構築中のこのシステムは、自律的に走行するのに必要な情報として、道路帯(レーン)、他車両、障害物を認識する予定であり、現在までに道路帯および追い抜き車両の認識部分の実装を完了した。本論文では、研究の中間報告として、システムの構成に関する計画と実装を完了した部分について述べる。道路帯はレーンを表す白線によるエッジを検出することで認識する。追い抜き車両は、画面両側のオプティカルフローを解析して検出し、Snakesによって追跡する。これらの情報は3次元環境モデルに集約・保持される。このシステムを実際の高速道路画像を用いて動作させた結果を示す。
著者
田北 啓洋 藤井 雄作 太田 直哉 上田 浩 丸 浩一 吉浦 紀晃
出版者
群馬大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2012-04-01

防犯カメラの最大の欠点である「プライバシ侵害の可能性」を解消した,新たな防犯カメラシステム「e自警カメラ」の普及を目的とし,e自警カメラの開発・改良,社会実験を通した運用方法の開発を行ってきた.その過程で,屋外機の前を常時撮影し暗号化保存するドアホン「e自警ドアホン」の開発も行った.また,社会実験に参加した市民の意識の中で,e自警カメラを用いることで,プライバシ侵害に対する不快感・危惧が減少し,逆に,見守られない場合の不安感が増大する意識変化が生じてくることが確認できた.「事件の際,目撃情報が無いことが有り得ない社会」の実現に向け,前進することができた.
著者
丸 浩一 藤井 雄作 太田 直哉 上田 浩 吉浦 紀晃 田北 啓洋
出版者
香川大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2009

本研究では, PCとカメラを活用して市民が身の回りを確実に見守る社会の実現を目指すコンセプトと,暗号化保存によりプライバシーの侵害を回避するためのコンセプトを合わせた新たな防犯カメラシステムのコンセプトの普及を目的とした技術開発および実験を行った.その成果として,プライバシー保護機能を付与した様々な防犯カメラシステムを開発し,本コンセプトの適用形態を大幅に拡大した.また,社会実験を通じた検証を行った.これらの活動により,本コンセプトの大規模な普及への足掛かりを得た.