著者
村松 真理子 池上 俊一 杉山 浩平 日向 太郎 芳賀 京子 松田 陽 奈良澤 由美 中川 亜希
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2020-04-01

南イタリア・ヴェスヴィオ山麓は紀元後1世紀の火山噴火で埋没したポンペイ等の古代都市が発見され、近代考古学・古代史研究の礎が築かれた「領域 (イタリア語 territorio)」である。本研究計画は(I)2002年以来東京大学が当地域で行うソンマ・ヴェスヴィアーナ古代ヴィラ遺跡調査を総括し、(II) 歴史学、美術史、パブリック・アーケオロジー、文献学、文化史の専門家である分担研究者が協働し、当該「領域」の「古代の記憶」に位置付ることで新たな知見を獲得し、(III)国際シンポジウム等を通して文化遺産の研究・保存活用をめぐる国際的議論において、広く統合的人文知の新たな展望と社会的役割を呈示する。
著者
浦野 聡 師尾 晶子 太記 祐一 草生 久嗣 中谷 功治 小笠原 弘幸 深津 行徳 益田 朋幸 村田 光司 田中 咲子 松崎 哲也 奈良澤 由美 KORKUT Taner
出版者
立教大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2012-04-01

古代から中世にかけての地中海世界における聖域空間と社会の関係の変動を具体的に調査するため、リキア地方(トルコ南西部)のトロス遺跡の司教座聖堂に焦点を定め、発掘調査を行った。この聖堂は、古代の都市の主聖域に建造されており、それ以前の神殿や聖域との関係で重要な知見を得られることが期待されたが、キリスト教の国教化から50年ほど経った五世紀の半ばには完成し、その後、11世紀に至るまで、隣接する旧都市の主神殿クロノス神殿までの空間に教会付属の工房区域が形成され、都市の手工業の中心となったことが明らかにされた。