- 著者
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芳賀 京子
- 出版者
- 東北大学
- 雑誌
- 挑戦的萌芽研究
- 巻号頁・発行日
- 2011-04-28
本研究は古代ギリシアで祀られていた神像を、アイスキュロスにならい、神話にさかのぼる由来を持ち圧倒的な神性を備えていた「古き神像」と、アルカイック時代以降に彫刻家が新しい大理石彫刻・ブロンズ鋳造技術を用いて制作した「新しき神像」に二分し、それぞれの神性の特質について文献資料や現存する礼拝像の詳細な調査により考察するものである。その結果、前者の神性は強力だが接触的・限定的で、像の力が神の意志とは無関係に機能したのに対し、後者は像が神のダブルイメージとして機能することで視覚的かつ広範囲に力を及ぼし得たこと、その「新しい」神性を意識的に礼拝像に賦与したのがフェイディアスだったことが明らかとなった。