著者
渡邊 保貴 小峯 秀雄 安原 一哉 村上 哲 ベ ジェヒョン 豊田 和弘
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集C
巻号頁・発行日
vol.66, no.4, pp.788-799, 2010

水道事業から排出される浄水汚泥を道路構成材料として有効利用する上で,浄水汚泥の排出量が少量であることから一般の土質材料と混合して利用することが検討されている.しかしながら,こうした混合利用の効果は力学的側面から検討されることが多く,環境負荷低減の側面からは十分に検討されていない.本研究では,最終処分量の削減や天然資材の保全の観点から浄水汚泥の環境価格を定義し,浄水汚泥を砂質土と混合利用したときの環境負荷低減効果を貨幣価値に換算した.その結果,浄水汚泥の混合利用は必ずしも環境負荷低減に結びつかず,浄水汚泥を単体で利用することが最も望ましいこと,そして,浄水汚泥を混合する場合には,混合する天然資材の量を減少させることが重要であることを示した.
著者
川上 聖 安原 一哉 秋間 健 村上 哲 小峯 秀雄 池永 貞二
出版者
国際ジオシンセティックス学会 日本支部
雑誌
ジオシンセティックス論文集 (ISSN:13446193)
巻号頁・発行日
vol.20, pp.109-116, 2005

本研究は,タイヤシュレッズを(1)ジオネットで補強した水平地盤として適用した場合,(2)壁体のない盛土地盤((1)片側補強と(2)両側補強)として使用した場合を想定して行った小型支持力模型試験(変位制御)を行った結果とその考察結果を報告したものである.本研究の結果,以下のことがわかった.1) タイヤシュレッズのみで構成された水平地盤でも締固めとジオシンセティックス補強を施すことによって支持力の向上につながる.しかし,支持力改善に及ぼす締固め効果に比べると,補強効果は大きくない.ただし,締固めと補強を併用することによって,支持力改善効果が顕著になる.2) 盛土の壁面に土のうを用いた補強を施すことによって締固めたタイヤシュレッズ地盤はより安定する.3) 片側土のう補強盛土地盤に比べると,両側土のう補強盛土地盤では,載荷に伴う土のう部分の水平変位は,締固めの程度に関係なく極めて小さい.よって,この方法によれば,壁体がなくても堅固な盛土の構築が可能であることが示唆される.
著者
三村 信男 江守 正多 安原 一哉 小峯 秀雄 横木 裕宗 桑原 祐史 林 陽生 中川 光弘 太田 寛行 ANCHA Srinivasan 原沢 英夫 高橋 高橋 大野 栄治 伊藤 哲司 信岡 尚道 村上 哲
出版者
茨城大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2005

気候変動への影響が大きいアジア・太平洋の途上国における適応力の形成について多面的に研究した.ベトナム、タイ、南太平洋の島嶼国では海岸侵食が共通の問題であり、その対策には土地利用対策と合わせた技術的対策が必要である.また、インドネシア、中国(内蒙古、雲南省など)の食料生産では、地域固有の自然資源を生かした持続可能な農業経営・農村改革が必要である.また、本研究を通して各国の研究者との国際的ネットワークが形成されたのも成果である.