- 著者
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今村 航平
田村 誠
横木 裕宗
- 出版者
- 公益社団法人 土木学会
- 雑誌
- 土木学会論文集 (ISSN:24366021)
- 巻号頁・発行日
- vol.79, no.10, pp.23-00054, 2023 (Released:2023-10-20)
- 参考文献数
- 43
気候変動による海面上昇への適応策である住宅移転に関して,住宅地の新規建設が可能な土地を浸水域から地理的距離が近い順に選定するシミュレーションを実装し,日本の全浸水影響人口を移転させる場合の移転費用,土地利用の変化,移動距離をそれぞれ推計した.その結果,2050年,2070年の移転費用はSSP5-RCP8.5では117-118兆円,150-151兆円,SSP1-RCP2.6では100-101兆円,108-109兆円と推計された.これらの金額は既往研究で推計された移転費用の範囲の下限に近かった.移転先の土地利用については,人口減少に伴って生じる荒地の使用が経年増加し,代わりに農地や森林の使用が経年減少した.遠い未来ほど人口減少によって浸水域の近傍に荒地が増えるため,移動距離は短くなった.