著者
坂上 伸生 渡邊 眞紀子 太田 寛行 藤嶽 暢英
出版者
日本ペドロジー学会
雑誌
ペドロジスト (ISSN:00314064)
巻号頁・発行日
vol.48, no.1, pp.24-32, 2004-06-30 (Released:2018-06-30)
参考文献数
17
被引用文献数
1

Sclerotium grain is the resting body of ectomycorrhizal fungi found in forest soils. A melanic-spherical shape in approximately 1-2mm diameter characterizes the external feature of the grain, and a hollow structure with honeycomb transverse wall appears inside the grain. In our previous studies, we reported a high aluminum concentration inside sclerotium grains and suggested the close relationship between the status of active aluminum and the distribution of these grains in Andosols (Watanabe et al., 2001; 2002). Here we examined the chemical properties focused on active aluminum and carbon in several nonallophanic Andosols under forest vegetation for further discussions on the regulating factor of the distribution of the sclerotium grains. In each studied soil profile, the mean weight of sclerotium grain (mg grain^<-1>) had a tendency to increase with the content of exchangeable aluminum, content of total organic carbon and nitrogen, carbon content of humic acid extracted from soils. The ratio of Alp to total organic C(Al_p/T-C) showed a strong negative correlation between the mean weight sclerotium grains regardless of profiles. The bonding ratio of carbon and aluminum in soils was assumed to be one of the factor influencing the development of sclerotium grains.
著者
佐藤 嘉則 成澤 才彦 西澤 智康 小松崎 将一 太田 寛行
出版者
日本土壌微生物学会
雑誌
土と微生物 (ISSN:09122184)
巻号頁・発行日
vol.65, no.1, pp.49-54, 2011-04-01 (Released:2017-05-31)
参考文献数
22
被引用文献数
2

近年,糸状菌の細胞内部に内生する細菌の検出例が報告されている。例えば,Rhizopus属菌の菌糸内部に分布する内生細菌は,これまでRhizopus属菌が生成すると考えられていたリゾキシンを生成することが明らかとなった。このような背景から今後,糸状菌を扱う研究全般において内生細菌の検出が重要な試験項目のひとつになると考えられる。本稿では,糸状菌細胞内生細菌の検出方法として,グラム陰性細菌の細胞壁成分のひとつであるエンドトキシンの定量による内生細菌の検出法,細菌16S rRNA遺伝子を標的としたPCR法による内生細菌の検出,蛍光顕微鏡および透過電子顕微鏡を用いて,菌糸内に分布する内生細菌を直接観察する方法について,筆者らの手法を中心に既往研究を加えて解説した。本稿で紹介した検出方法は透過電子顕微鏡観察を除いて,比較的簡易であることから,糸状菌の細胞内生細菌の分布調査に広く活用されることが期待される。糸状菌細胞内生細菌および共生体(共存体)の土壌における生態学的役割については今後の研究課題である。
著者
成澤 才彦 太田 寛行 佐藤 嘉則
出版者
茨城大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2013-04-01

多くの分類群を含む菌株を供試して,内生バクテリアの存在を確認したところ,接合菌類からPCR増幅を確認できた.検出されたバクテリアは, M. elongataより検出されている内生バクテリアの近縁種であった.Veronaeopsis simplex 3菌株を供試して,内生バクテリアの検出および系統解析を行った. DNA抽出を行い PCR増幅を行った. その後,クローンライブラリー解析に供し,内生バクテリアの同定を行った.解析の結果,V. simplex 3菌株から共通してRhizobium属細菌が検出され,これらが宿主植物の生育に関わっていることが推察された.
著者
藤村 玲子 佐藤 嘉則 難波 謙二 太田 寛行
出版者
日本生態学会
雑誌
日本生態学会誌 (ISSN:00215007)
巻号頁・発行日
vol.61, no.2, pp.211-218, 2011-07-30
参考文献数
29
被引用文献数
2

森林をはじめとする植物-土壌生態系では、光合成による一次生産と微生物による有機物分解のバランスが成り立ち、豊かな生物相が維持されている。しかし、火山噴火というイベントはこの生態系を壊してリセットしてしまう。新たに生じた火山灰などの火山砕屑物や溶岩に住み始める生物は、肉眼では見えない微生物である。本稿では、三宅島2000年噴火火山灰堆積物に住みつく微生物について、2003年から6年間にわたって調査してきた結果を紹介する。まず、調査初年時に採取した火山灰堆積物の細菌密度の測定結果では、すでに1gあたり10^8の高いレベルに達していた。直接試料から抽出したDNAの16SリボソーマルRNA遺伝子を解析した結果は、Leptospirillum ferroxidansやAcidithiobacillus ferrooxidansといった独立栄養性の鉄酸化細菌が優占する細菌群集構造を示した。供試火山灰堆積物にはCO_2吸収活性があり、十分に高いニトロゲナーゼ活性も検出されており、これらの活性は鉄酸化細菌に由来することが推察された。2009年の調査においても、三宅島雄山上部の火山灰堆積物は酸性状態に維持され、鉄酸化細菌の優占が続き、化学合成無機独立栄養代謝が中心の微生物生態系であることが示唆された。以上の結果をもとに、火山灰堆積物に形成される微生物生態系のエネルギー代謝と初成土壌への有機・無機物質の蓄積について推察する。
著者
三村 信男 江守 正多 安原 一哉 小峯 秀雄 横木 裕宗 桑原 祐史 林 陽生 中川 光弘 太田 寛行 ANCHA Srinivasan 原沢 英夫 高橋 高橋 大野 栄治 伊藤 哲司 信岡 尚道 村上 哲
出版者
茨城大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2005

気候変動への影響が大きいアジア・太平洋の途上国における適応力の形成について多面的に研究した.ベトナム、タイ、南太平洋の島嶼国では海岸侵食が共通の問題であり、その対策には土地利用対策と合わせた技術的対策が必要である.また、インドネシア、中国(内蒙古、雲南省など)の食料生産では、地域固有の自然資源を生かした持続可能な農業経営・農村改革が必要である.また、本研究を通して各国の研究者との国際的ネットワークが形成されたのも成果である.