著者
豊田 和弘 アゲエバ カテリーナ 村上 弥生 福田 大 清水 達夫 鳳龍四号開発チーム 趙 孟佑
出版者
一般社団法人 日本航空宇宙学会
雑誌
日本航空宇宙学会誌 (ISSN:00214663)
巻号頁・発行日
vol.67, no.5, pp.158-160, 2019-05-05 (Released:2019-05-05)
参考文献数
5

キューブサットなどの超小型衛星はその大きさから推進機を搭載することは難しいが,搭載できればミッションの幅が大きく広がる.また,宇宙ゴミにならないように25年以内にデオービットすることもルール化された.このような背景から固体推進剤を用いた真空アーク推進機(VAT-pi2)の開発を行ってきた.陰極である導電性の固体推進剤,陽極,コンデンサおよび電源からなる真空アーク推進機はその簡単な構造から小型化できロバストである.また低地球軌道に存在するプラズマと干渉することで点火装置なしで自発放電をすることが可能である.今回VAT-pi2の軌道上での動作試験を超小型衛星「鳳龍四号」で行った.300V発電太陽電池を電源として動作させている.また放電電流を計測できるオシロスコープを搭載しており,同時に放電の様子を撮影できるカメラも搭載されている.軌道上での実験の結果,VAT-pi2の放電を確認することができた.放電波形および放電画像の取得は引き続き行っていく.
著者
久能 均 黒田 克利 豊田 和弘 山岡 直人 小林 一成
出版者
日本植物病理学会
雑誌
日本植物病理學會報 (ISSN:00319473)
巻号頁・発行日
vol.57, no.1, pp.57-60, 1991-01-25
被引用文献数
2

Erysiphe graminis の分生胞子をオオムギ子葉鞘細胞に接種した(一次菌)。さらに同一細胞上に, 別の子葉鞘上で発芽させた同菌の発芽胞子を細針で移植接種した(二次菌)。ー次菌が二次菌よりも0〜5時間早く侵入を開始すると二次菌の吸器形成率は約80%, またこの時間差が6時間以上になると約93%に上昇した。針移植した対照区の吸器形成率は約63%であったので,ー次菌の侵入によって誘導される受容性は同じ菌の二次菌にも有効であると結論された。この受容性は一次菌が吸器形成に成功した細胞でのみ誘導された。一細胞で誘導された受容性は, 一次菌が侵入を開始してから少なくとも9.5時間までには隣接細胞に移行しなかった。
著者
渕上 慎悟 豊田 和弘 趙 孟佑 Fuchikami Shingo Toyoda Kazuhiro Cho Mengu
出版者
宇宙航空研究開発機構宇宙科学研究所(JAXA)(ISAS)
雑誌
平成25年度宇宙輸送シンポジウム: 講演集録 = Proceedings of Space Transportation Symposium FY2013
巻号頁・発行日
2014

平成25年度宇宙輸送シンポジウム(2014年1月16日-17日. 宇宙航空研究開発機構宇宙科学研究所(JAXA)(ISAS)), 相模原市, 神奈川県
著者
奥村 哲平 増井 博一 豊田 和弘 趙孟 佑 今泉 充
出版者
一般社団法人 日本航空宇宙学会
雑誌
日本航空宇宙学会論文集 (ISSN:13446460)
巻号頁・発行日
vol.55, no.647, pp.590-596, 2007 (Released:2007-12-27)
参考文献数
14
被引用文献数
6 7

Electrostatic discharge (ESD) occurs on the solar array due to space plasma interaction. It is considered that solar cell suffers degradation of electric performance, once ESD occurs at the solar cell edge. In order to study the degradation of solar cell electrical performance, we performed ESD tests on Si solar cell in a vacuum chamber. After the ESD tests the solar cell maximum power decreased. We found the damage on surface electrode in the vicinity of ESD spot. Infrared emission due to current leak was found at the spot. The solar cell degraded due to the leak resistance produced by ESD.
著者
武藤 乗仁 Örger Necmi Cihan 豊田 和弘 趙 孟佑
出版者
電気・情報関係学会九州支部連合大会委員会
雑誌
電気関係学会九州支部連合大会講演論文集 2019年度電気・情報関係学会九州支部連合大会(第72回連合大会)講演論文集
巻号頁・発行日
pp.247-248, 2019-09-19 (Released:2020-01-20)

従来、推進剤を軌道上で補給可能な電気推進機が研究されてきた。このような方式の電気推進機には地球低軌道や、深宇宙探査への使用を目指したものがあるが、近年のUZUME計画に見る人類の月に対する関心や、小型衛星の需要の増加を考慮した推進機の研究例は未だ無い。そこで本研究では、小隕石の月面への衝突による巻き上げや、クーロン力による月面からの離脱によって月上空に浮上したレゴリス粒子を軌道上で取り込み、噴射することで推力を得る新しい電気推進機の研究開発に取り組んでいる。本発表では加速原理、レゴリス粒子径に対して得られる推力、推進機の形状等について述べる。
著者
渡邊 保貴 小峯 秀雄 安原 一哉 村上 哲 ベ ジェヒョン 豊田 和弘
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集C
巻号頁・発行日
vol.66, no.4, pp.788-799, 2010

水道事業から排出される浄水汚泥を道路構成材料として有効利用する上で,浄水汚泥の排出量が少量であることから一般の土質材料と混合して利用することが検討されている.しかしながら,こうした混合利用の効果は力学的側面から検討されることが多く,環境負荷低減の側面からは十分に検討されていない.本研究では,最終処分量の削減や天然資材の保全の観点から浄水汚泥の環境価格を定義し,浄水汚泥を砂質土と混合利用したときの環境負荷低減効果を貨幣価値に換算した.その結果,浄水汚泥の混合利用は必ずしも環境負荷低減に結びつかず,浄水汚泥を単体で利用することが最も望ましいこと,そして,浄水汚泥を混合する場合には,混合する天然資材の量を減少させることが重要であることを示した.
著者
豊田 和弘 池田 聡子 森川 淳一 稲垣 善茂 一瀬 勇規 山本 幹博 白石 友紀
出版者
日本植物病理学会
雑誌
日本植物病理學會報 (ISSN:00319473)
巻号頁・発行日
vol.69, no.1, 2003-02-25

エンドウ褐紋病菌Mycosphaerella pinodesのマメ科植物に対する病原性が調べられた結果,本菌は自然宿主であるエンドウの他に,赤クローバー,ナツフジ,キハギ,アルファルファに感染する.これら植物における感染は,同菌の生産するサプレッサーによるナシ黒斑病菌に対する受容性誘導の程度と一致し,サプレッサーが本菌の宿主範囲を決定する因子であることをすでに報告した(Oku et al.,1980).ここでは,植物疾病の分子機構の解明に向けた新たなモデルシステムの開発を目的として,アルファルファに近縁であるMedicago truncatulaに対する褐紋病菌の病原性について調べた.この結果,各国より集められた18種のエコタイプの全てに感染し病斑が誘導されたが,うち2種では柄子殻の形成が認められた.M.truncatulaは,ゲノムサイズが小さく,遺伝子地図・ESTの充実,形質転換の容易さなどから,近年,マメ科のモデルとして選定されている.M.truncatula-M.pinodesの相互作用のモデル化は,病原性・共生といった多様な微生物との相互作用の理解につながる格好のモデルになるものと考えられる.
著者
白石 友紀 豊田 和弘 鈴木 智子 目黒 あかね 長谷川 幸子 西村 富生 久能 均
出版者
岡山大学農学部
雑誌
岡山大学農学部学術報告 (ISSN:04740254)
巻号頁・発行日
vol.99, no.1, pp.27-34, 2010-02-01

In this report, an effect of FFC-ceramic (FFC-Japan Co. Ltd., Tsu) water on the process of infection by a pea fungal pathogen, Mycosphaerella pinodes was investigated. Energy dispersive X-ray analysis showed that both of the FFC-ceramic water and a common ceramic water contained mainly Ca and S elements, of which the relative atomic percentages were 53~56% and 44~45%, respectively. Lesion formation by pycnospores of M. pinodes on pea leaves was inhibited severely by the application with both ceramic waters at the 1/2~1/6 concentration of saturated solution. Cytological observation under microscope showed that germination, germ-tube elongation and penetration were severely inhibited by these ceramic waters. However, such inhibitory effect of FFC-ceramic water was superior to that of the common ceramic water. On ethanol-killed pea epidermal tissues, both FFC-ceramic water and the common ceramic water blocked the germination, germ-tube elongation and penetration by the pathogen, indicatingthe direct effect of both ceramic waters on the fungus. In this case, the inhibiting effect of FFC ceramic water was more intensive than the common ceramic water. CaSO(4) at a 1/2~1/4 concentration of saturated solution blocked penetration by the fungus on the killed epidermis of onion bulb but scarcely affected germination and germ-tube elongation. Based on these results, we discussed the role of FFC-ceramic water in disease tolerance of plants and its availability for cultivation.本研究は,FFCセラミックス(TM)(株 エフフシージャパン)の植物病原菌の発病抑制効果について調べたものである.FFCセラミック水は原液の1/2~1/6の濃度でエンドウ褐紋病菌の発病を顕著に抑制した.この原因を調べたところ,FFCセラミック水は,病原菌の発芽,発芽管伸長,侵入(貫入)を顕著に阻害することが判明した.FFCセラミック水中にはCa並びにS,O元素が多量に存在し,SEM観察の結果と合わせると,CaSO(4)が多量に含まれることが示唆された.そこで,CaSO(4)飽和液の1/2~1/4濃度で,病原菌に対する作用を調べた結果,発芽あるいは発芽管伸長はほとんど阻害されず,低率ながら侵入も観察された.これらの結果を総合して,FFCセラミック水やCaSO4の栽培場面での応用を考察した.
著者
豊田 和弘
出版者
岡山大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010

植物に固有の細胞壁が病原体による感染を未然に防ぐ物理的な障壁となることは周知の事実であるが、外界からの生物的あるいは化学的な情報を受信(認識)し、それらを正確に伝達して細胞あるいは組織全体の防御機構を成立させる動的な小器官であることが最近の申請者らの研究によって明らかとなってきた。本研究は、細胞の外側で行われる高次の情報処理システムの分子基盤について、病理学の視点からメスを入れ、細胞(組織)の統御と恒常性の維持を図る植物細胞壁の新たな機能に迫るものである。
著者
酒井 治孝 瀧上 豊 酒井 英男 谷村 好洋 豊田 和弘 百原 新 桑原 義博 山中 寿朗 藤井 理恵
出版者
京都大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2006

ヒマラヤ山脈上昇史の鍵を握る変成岩ナップは, 約1440万年前に地表に露出・急冷し, 年間3-4cm の速度で南南西に前進し, 約1100 万年前に運動を停止した.冷却は先端から北方へ向け年間約1-1.5cm の速度で進行した.古カトマンズ湖の泥質湖成堆積物の堆積開始は約100 万年前まで遡り, 寒冷期には化学的風化が進まず, 堆積速度が遅く, 温暖期には化学的風化が促進され, 堆積速度が速かったことが判明した.