著者
西念 幸江 柴田 圭子 安原 安代
出版者
社団法人日本家政学会
雑誌
日本家政学会誌 (ISSN:09135227)
巻号頁・発行日
vol.54, no.10, pp.867-878, 2003-10-15
被引用文献数
5 or 0

真空調理には,保存が可能という利点がある.しかし,真空調理した食品の保存に伴う食味及び物性の変化についての検討が少ない.そこで,本研究では保存期間が物性,食味に及ぼす影響を検討した.さらに,真空調理は保存後,提供に際し,原則として再加熱を行うため,再加熱の物性や食味への影響を明らかにするのと同時に湯煎温度を検討した.(1)再加熱湯煎温度を沸騰にすることは調理性や物性への影響が大きいことが確認され,湯煎温度75℃と85℃を比較すると85℃が再加熱時間の短縮の上から有効と考えられた.(2)保存期間の延長に伴い水分,多汁性の減少によりパサつくことが推察された.また,官能評価では12日が低く評価される傾向にあり,物理的測定値と高い相関が認められた.これらよりレストラン等で真空調理した場合に用いられている「6日」は食味や物性の面からは妥当な保存期間であると示唆された.しかし,6日以降の食味や物性の変化については今後の検討が必要と考えられた.
著者
柴田 圭子 渡邉 容子 三好 恵子 大貫 勇 眞田 英輔 宇田川 政喜 安原 安代
出版者
社団法人日本家政学会
雑誌
日本家政学会誌 (ISSN:09135227)
巻号頁・発行日
vol.55, no.5, pp.389-398, 2004-05-15
被引用文献数
2 or 0

オニオンスープをモデルに,ベースのスープ(炒めタマネギ添加前のブイヨンやコンソメ類)の影響およびタマネギの加熱方法がオニオンスープの食味や呈味成分へ及ぼす影響を検討し,以下のような結果を得た.(1)手作りのコンソメをオニオンスープのベースに用いた場合,特にうま味・こくが強くなって有意に好まれることが認められた.(2)即席コンソメを用いた場合でもオニオンスープの総合評価においては,嗜好的な有意差がみられなかった.(3)炒めタマネギの添加は遊離糖量の増加による甘味増強効果が認められた.同時に,有機酸量も増加したが,有機酸の種類と量および酸味抑制効果のあるペプチド類などの影響で官能的な酸味における有意な強弱差や嗜好差は認められなかった.(4)揚げタマネギを用いた場合,スープの色が濃く,甘味とうま味およびこくの弱い淡白な食味のオニオンスープであったことから,炒めダマネギの代用とはならず,別の食味を形成することが認められた.
著者
柴田 圭子 渡邉 容子 今村 美穂 小幡 明雄 安原 安代
出版者
The Japan Society of Cookery Science
雑誌
日本調理科学会誌 (ISSN:13411535)
巻号頁・発行日
vol.48, no.4, pp.301-307, 2015

本研究の目的は,魚の漬け焼き―醤油を用いて調味した焼き魚の1種―において,その調理特性や食味におよぼす醤油の影響を評価することである。メカジキを異なる配合割合の醤油や食塩濃度の調味液に浸し,250℃オーブンで加熱した。<br> 基準配合のNaCl 5.2%(w/w)調味液の場合,加熱歩留りには醤油配合割合の影響が見られなかった。しかし,醤油配合割合が25%以下の場合,加熱魚肉の嗜好性は低下した。<br> 0.5時間の浸漬において,生臭みは標準と醤油無添加の調味液のみに有意差がみられ,このことは醤油配合調味液の短時間の浸漬の有用性を示した。調味液の食塩濃度が2.6%(w/w)以下の場合には,加熱魚肉の嗜好性が低下した。更に,漬け焼きとして好まれるには,調味液の食塩濃度が少なくとも3.9%(w/w)であることが認められた。
著者
西念 幸江 柴田 圭子 安原 安代
出版者
社団法人日本家政学会
雑誌
日本家政学会誌 (ISSN:09135227)
巻号頁・発行日
vol.54, no.7, pp.591-600, 2003-07-15
被引用文献数
9 or 0

真空調理した鶏肉と茄で加熱した鶏肉の加熱経過に伴う肉の中心温度の変化を測定し,食味及び物性を比較した.さらに,食塩で調味後,真空調理した鶏肉の物性及び調理性についても検討した.(1)加熱方法が物性,食味に及ぼす影響「湯煎温度:70 ℃,中心温度:70 ℃,加熱保持時間:5分」の条件で真空調理した鶏肉は,茄で加熱(湯煎温度:95〜100℃,中心温度:85℃)に比べ,歩留りが高く,軟らかく,ジューシーな食味になった.(2)食塩添加が物性,食味に及ぼす影響下処理時の1%食塩の添加は加熱時間を幾分か短縮し,収縮の抑制,水分保持に関与し,歩留りやテクスチャー及び総合的な嗜好性を向上させる効果がみられた.
著者
柴田 圭子 西念 幸江 安原 安代
出版者
社団法人日本家政学会
雑誌
日本家政学会誌 (ISSN:09135227)
巻号頁・発行日
vol.53, no.9, pp.901-916, 2002-09-15
被引用文献数
5 or 0

The results of studies on the extraction of chicken stock and the preparation of chicken consomme are reported. The effect on the stock of different body parts of the chicken (bony parts, wing parts, and tissue components of bone, skin and meat) on the taste was investigated. The effect of additional meat (added skinless chicken breast meat representing 0%, 15%, 30%, 45% or 60% of the final consomme volume) on the taste of consomme was also investigated. Stock extracted from each type of tissue demonstrated unique characteristics (e.g., meat stock exhibited a stronger umami intensity as it contained large amounts of 5'-IMP and Glu, whereas bone and skin stock each displayed weak umami intensity but contained a large amount of peptides) However, the difference between stock made from the bony parts and wing parts blended with equal amounts of the three kinds of stock from the tissues (as these were included in the original bony or wing part) was minimal. Additional meat demonstrated a greater effect on the taste of consomme than the kind of stock used. A sensory evaluation determined the most preferable level of additional meat to be 15%, there being no improvement by increasing the level to 45% or 60%.