- 著者
-
柴田 圭子
渡邉 容子
安原 安代
- 出版者
- 一般社団法人 日本調理科学会
- 雑誌
- 日本調理科学会誌 (ISSN:13411535)
- 巻号頁・発行日
- vol.41, no.5, pp.304-312, 2008-10-20 (Released:2013-04-26)
- 参考文献数
- 31
- 被引用文献数
-
9
和風のだし汁の食味特性を検討するため,かつおだし,煮干しだし,昆布だし,混合だしを日常使用頻度の高い濃度において調製した。更に市販だしも調製した試料と比較した。かつお-昆布だし(かつお2%,昆布1%)は4%かつおだしよりも官能評価では有意に高く評価され,また,抽出を促進する加熱時間の延長はスコアを向上させなかった。かつお-昆布だしをはじめ,煮干し-昆布だし(煮干し2%,昆布1%は)においても,呈味成分(Glu,5′-IMP)の測定,官能評価により相乗効果が確認された。主成分分析の結果より,各単独だしおよび混合だしのそれぞれの持つ特徴が確認できた。即ち,かつおだしはより強い酸味を持ち,煮干しだしは若干の苦味と生臭みを持ち,昆布は穏やかな甘味のあるうま味を持ち,混合だしは単独だしよりも複雑な食味を持っていた。