著者
寿楽浩太 土田 昭司 下 道國 神里 達博
出版者
一般社団法人 日本原子力学会
雑誌
日本原子力学会誌ATOMOΣ (ISSN:18822606)
巻号頁・発行日
vol.60, no.9, pp.542-548, 2018 (Released:2020-04-02)

東京電力福島第一原子力発電所事故から7年。福島県の農畜産物の価格が,事故前の水準に戻らない。風評被害はなぜ,起こるのか。この問題にはどう対処すればいいのか。原子力学会の理事会と社会環境部会は春の年会でこれをテーマにしたセッションを企画し,この問題に対する解決策を探った。ここでは登壇した4人の講演と,その後の質疑の概要を紹介する。
著者
寿楽 浩太 大川 勇一郎 鈴木 達治郎
出版者
Sociotechnology Research Network
雑誌
社会技術研究論文集 (ISSN:13490184)
巻号頁・発行日
vol.3, pp.165-174, 2005
被引用文献数
1 1

本稿は原子力政策の是非を問うものではないが,その立地問題に関する地方自治体での新しい意思決定プロセスの事例研究を通して,エネルギー技術導入に関する意思決定プロセスの質の向上に貢献することを目的としたものである.事例には,新潟県巻町の立地中止事例と北海道の発電所増設事例を取り上げた.分析の結果,(1)法や制度による「公式」のプロセスと,そうでない「非公式」プロセスの全体をとらえることの重要性,(2)最終的な意思決定に至るまでの「中間プロセス」における選択肢の評価,社会的学習,課題設定の更新などの役割への注目,(3)「手続き的公正」の重要性,(4)プロセスの目的や方法についての共通了解の重要性,(5)意思決定の「場」の設定のあり方への注目,などの知見と示唆が得られた.
著者
諸葛 宗男 城山 英明 交告 尚史 寿楽 浩太 鈴木 達治郎
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2009

巨大化技術の安全システムは現代社会が抱える大きな課題である。本研究では巨大化技術の代表例として原子力を取り上げ、その安全法システムの問題点を摘出しその解決方策を検討した。本研究の半ばの2011年3月11日に東京電力福島第一発電所事故が発生したため、事故で露呈した原子力法システムの問題点の検討を追加した。解決策の検討ではしたがって、事故前の研究で抽出した問題点と併せ、包括的に解決する解決方策を検討した。