著者
小俣 謙二
出版者
日本社会心理学会
雑誌
社会心理学研究 (ISSN:09161503)
巻号頁・発行日
vol.29, no.1, pp.1-10, 2013-08-31 (Released:2017-02-24)
被引用文献数
1

The present study aimed to examine the possibility that the reputation of a rape victim and the prejudice that women desire violent sex interactively influence third party bystanders' blame of the victim and assessment of psychological damage suffered by the victim. College students (n=399; 177 men, 222 women) responded to a questionnaire. Respectability was defined as follows: less respectable victims were part-time cabaret hostesses and the average respectable victims were average female students. Results indicated that less respectable victims were blamed more and assessed as having suffered less damage in comparison to the average student victims. In addition, there was an interaction between respectability and respondents' prejudices about the sexual desires of women, such that the effect of respectability on blaming the victim was limited to respondents with fewer prejudices about the sexual desires of women.
著者
小俣 謙二
出版者
日本犯罪心理学会
雑誌
犯罪心理学研究 (ISSN:00177547)
巻号頁・発行日
vol.51, no.1, pp.13-27, 2013-10-31 (Released:2017-07-30)
参考文献数
56

本研究は,レイプ被害者の友人など周囲の人間の性役割観と被害者への過失帰属との関係について,以下の二つの仮説を立て,検証した。仮説1は,伝統的性役割観と被害者への過失帰属の関係は,周囲の者の「女性の暴力的性願望を肯定する態度」と「派手な若い女性が被害に遭うという被害者観」によって媒介され,これらの態度と認知が過失帰属を強めるというものである。仮説2は,上記の関係は,「見知らぬ変質者がレイプをおこなうという加害者観」によって媒介されるが,その加害者観は被害者への過失帰属を弱めるというものである。男女大学生370名(男子学生162名,女子学生208名)に質問紙調査を実施し,次の結果が得られた。1)仮説1の,女性の暴力的性願望を介するパスは男子学生,女子学生いずれの回答者でも支持された。2)しかし,被害者観の影響は女子学生でのみ確認できた。3)仮説2は,男子学生でのみ確認された。これらの性差について,Shaverの個人的類似性の概念による解釈の可能性が議論された。また,本研究では過失帰属と同時に被害の過小評価も従属変数に含めたが,分散が小さいことから分析の対象から外し,これについては今後の課題とした。
著者
小俣 謙二
出版者
日本社会心理学会
雑誌
社会心理学研究 (ISSN:09161503)
巻号頁・発行日
vol.29, no.1, pp.1-10, 2013

The present study aimed to examine the possibility that the reputation of a rape victim and the prejudice that women desire violent sex interactively influence third party bystanders' blame of the victim and assessment of psychological damage suffered by the victim. College students (n=399; 177 men, 222 women) responded to a questionnaire. Respectability was defined as follows: less respectable victims were part-time cabaret hostesses and the average respectable victims were average female students. Results indicated that less respectable victims were blamed more and assessed as having suffered less damage in comparison to the average student victims. In addition, there was an interaction between respectability and respondents' prejudices about the sexual desires of women, such that the effect of respectability on blaming the victim was limited to respondents with fewer prejudices about the sexual desires of women.
著者
小俣 謙二
出版者
名古屋文理大学短期大学部
雑誌
名古屋文理短期大学紀要 (ISSN:09146474)
巻号頁・発行日
vol.23, pp.41-51, 1998-04-01

犯罪の環境心理学的研究は, 従来, 犯罪者の人格特性などの主体的要因の分析を主におこなってきた.とくにわが国の場合こうした傾向が強いように思われる.しかし, 行動は通常主体と環境の相互作用の結果として生じるのであり, 犯罪もその例外ではない.このような立場から本研究ではまず, 従来の犯罪研究において環境の関与がどの程度明らかにされてきたのかを概観した.その際, 環境を巨視的環境と微視的環境の二つに分け, それぞれについて概観した.その結果, 所見の不一致や犯罪の分類の不十分さなど, 多くの課題が残されていることを指摘した.次に, わが国の場合, 実証的な研究そのものが不足していることから, 犯罪環境として最もしばしば言及される人口密集と犯罪の関係を都道府県単位で検討した.とくに, 今回の分析では密集を周辺環境の密集と住居内の密集に区分すること, 社会変動の影響の検討も含めて継年的な分析をおこなうことに主眼をおいた.その結果, 人口密集でも, 周辺環境の密集の指標である人口密度は犯罪認知総数, 窃盗, 強盗, 粗暴犯と関連するのに対して, 住居内密集の指標である一人当たりの畳数は殺人と強盗と関連するという違いがみられた.また, 人口密集や求人倍率, 都市公園面積, 転入率などの環境要因は年とともに相関関係が強くなること, 住居内密集度では1980年代後半以降に総数や窃盗との関係が弱まること, 知能犯はバブル景気の時期に当たる1980年代後半の一時期に密集の二つの指標や求人倍率と関連することなど, 年による変化もみられた.これらを踏まえて, 犯罪と環境の問題に関する今後の研究の課題と問題点を指摘した.
著者
小俣 謙二
出版者
社団法人日本家政学会
雑誌
日本家政学会誌 (ISSN:09135227)
巻号頁・発行日
vol.46, no.8, pp.775-781, 1995-08

個室の領域化は自己形成の途上にあり情緒的にも不安定な時期にある青年にとって重要な問題である.他方,わが国では子供部屋は居住空間の中で物理的に確保されているものの,他者がそこに無断で入ることも容易にできる.このような状況では,なわばり行動が青年の部屋の使い方や心理的自立性の発達において重要な役割を果たすと考えられる.この可能性を検討するために質問紙調査を実施し,以下の結果を得た.防御的態度は男女ともあまり強くなかったが,それは負の感情にあるような場合の男子の部屋の使い方に影響を及ぼす.もう一つのなわばり行動である空間の自己表出化については,個室の自己表出性を高める者ほど部屋に対して肯定的な感情をもち,心理的自立性も高いという結果が得られた.これらの所見は個室の領域化が青年の日常生活において重要な役割を果たすことを示している.
著者
小俣 謙二
出版者
日本社会心理学会
雑誌
社会心理学研究 (ISSN:09161503)
巻号頁・発行日
vol.27, no.3, pp.174-184, 2012

Effects of the predictability and controllability of crime on risk perception and the fear of crime were investigated in 688 Japanese university students (362 males, 323 females, and 3 unidentified; mean age 19.9 years). It was hypothesized that both predictability and controllability would be directly related to risk perception, whereas these variables would have a direct as well as an indirect relation via risk perception to the fear of crime. This hypothesis was examined for two types of risk perception, assessments of personal risk and crime trends, and two types of crimes, face-to-face and non-face-to-face crimes. Results indicated the following, (1) There was a significant relationship between the predictability and controllability of crime and risk perception, regardless of the type of crime. (2) The indirect paths from predictability and controllability to fear of crime via risk perception were significant for the two types of crimes. (3) A significant direct relationship between predictability and the fear of crime was found only for face-to-face crimes. The significance of these findings is discussed.
著者
小俣 謙二
出版者
学校法人滝川学園 名古屋文理大学
雑誌
名古屋文理短期大学紀要 (ISSN:09146474)
巻号頁・発行日
vol.23, pp.41-51, 1998-04-01 (Released:2019-07-01)

犯罪の環境心理学的研究は, 従来, 犯罪者の人格特性などの主体的要因の分析を主におこなってきた.とくにわが国の場合こうした傾向が強いように思われる.しかし, 行動は通常主体と環境の相互作用の結果として生じるのであり, 犯罪もその例外ではない.このような立場から本研究ではまず, 従来の犯罪研究において環境の関与がどの程度明らかにされてきたのかを概観した.その際, 環境を巨視的環境と微視的環境の二つに分け, それぞれについて概観した.その結果, 所見の不一致や犯罪の分類の不十分さなど, 多くの課題が残されていることを指摘した.次に, わが国の場合, 実証的な研究そのものが不足していることから, 犯罪環境として最もしばしば言及される人口密集と犯罪の関係を都道府県単位で検討した.とくに, 今回の分析では密集を周辺環境の密集と住居内の密集に区分すること, 社会変動の影響の検討も含めて継年的な分析をおこなうことに主眼をおいた.その結果, 人口密集でも, 周辺環境の密集の指標である人口密度は犯罪認知総数, 窃盗, 強盗, 粗暴犯と関連するのに対して, 住居内密集の指標である一人当たりの畳数は殺人と強盗と関連するという違いがみられた.また, 人口密集や求人倍率, 都市公園面積, 転入率などの環境要因は年とともに相関関係が強くなること, 住居内密集度では1980年代後半以降に総数や窃盗との関係が弱まること, 知能犯はバブル景気の時期に当たる1980年代後半の一時期に密集の二つの指標や求人倍率と関連することなど, 年による変化もみられた.これらを踏まえて, 犯罪と環境の問題に関する今後の研究の課題と問題点を指摘した.
著者
小俣 謙二 天野 寛
出版者
名古屋文理大学短期大学部
雑誌
名古屋文理短期大学紀要 (ISSN:09146474)
巻号頁・発行日
vol.22, pp.19-27, 1997-04-01

現代青年の心理的特徴を理解するための一つの基礎的資料を得る目的で, 若者の日常生活で身近なものの一つであるテレビCMに対する女子短大生の評価とその理由について分析を行った.方法は, 好きなCMと嫌いなCMおよびその理由の自由記述を求めるアンケート調査と, 実際にCM(10本)を呈示し, そのイメージを調べる実験の二つを用いた.その結果, いずれの方法でもタレントに代表されるCMキャラクターのイメージ(親しみやすさ, かわいらしさ)と音楽の好み, CM全体の明るさ, 愉しさが重要な判断基準となっていることが示された.同時に, 明るさやユーモアも, それが知性に欠けると受けとめられる場合やくどいと思われる場合には否定的に評価されることも示された.また, 全体的には判断基準にこうした共通性がみられるものの, どのタレント・音楽が好まれるかなど, その内容には多様性がみられた.こうした特徴は現代青年の明るさ志向や自己感性の重視とその表現への拘りなどの心理的特徴と関連があると思われる.
著者
小俣 謙二
出版者
社団法人日本家政学会
雑誌
日本家政学会誌 (ISSN:09135227)
巻号頁・発行日
vol.49, no.1, pp.77-87, 1998-01-15
被引用文献数
2

The aim of this study is to clarify residential and psychological factors related to the Japanese students who tend to confine themselves in their own rooms. The questionnaire was answered by 268 students, 134 males and 134 females. The findings are as follows. Their tendency to withdraw to their rooms was not particularly strong, but some residential and psychological factors were ascertained to explain their withdrawal tendency. Two residential factors (density, number of equipment in a room) and two psychological ones (degree of self-identity, exclusive attitude) were identified to be related to the withdrawal by both sexes. Some differences, however, were found between male and female students. Furthermore, the female seemed more sensitive to the factors studied here. The mechanism of withdrawal must be further studied, but, in the meantime, the findings strongly suggest the necessity of empirical study on what their rooms mean to adolescents.