著者
金森 悟 小島原 典子 江口 尚 今村 幸太郎 榎原 毅
出版者
一般社団法人 日本産業精神保健学会
雑誌
産業精神保健 (ISSN:13402862)
巻号頁・発行日
vol.31, no.2, pp.105-113, 2023-06-20 (Released:2023-06-20)
参考文献数
24

目的:本研究は,デジタルヘルス・テクノロジを用いた介入による労働者のメンタルヘルスへの効果や脱落・遵守状況を検証したメタアナリシスをマッピングし,研究されていないギャップを特定することを目的とした.方法:PubMedにて労働者,デジタルヘルス・テクノロジ,メンタルヘルス,メタアナリシスに関するキーワードで2018年以降の文献を検索し,スコーピングレビューを行った.文献から抽出したデータは,研究デザイン,対象者,介入内容などとした.研究の質はAMSTAR 2を用いて評価した.結果:採択した4件におけるアウトカムへの効果は概ね小さい~中程度であった.また,脱落率の高さを示すものもあった.研究の質はいずれも信頼性の評価が極めて低~低であった.考察:未検討の対象があること,用語や定義が統一されていないこと,研究の質の低さなどの課題があり,質の高いシステマティックレビュー/メタアナリシスが必要である.
著者
小島原 典子
出版者
日本内分泌外科学会・日本甲状腺外科学会
雑誌
日本内分泌・甲状腺外科学会雑誌 (ISSN:21869545)
巻号頁・発行日
vol.36, no.1, pp.2-7, 2019 (Released:2019-04-24)
参考文献数
8

「診療ガイドライン作成の手引き2014」を参照して作成して「甲状腺腫瘍診療ガイドライン2018年版」が完成した。本稿では,益と害のアウトカムに注目して本ガイドラインの作成方法について概説する。臨床上の重要課題を,疫学,診断・非手術的管理,組織型別治療方針,放射線治療,分化癌進行例,術後治療,分子標的薬治療の領域に分け,44のCQ を益と害の両方を考慮して選定した。初版以降2014 年2月までPubMed,医中誌 WEB,およびCochrane Libraryを検索し,最終的に採用された論文はについてエビデンスの内的・外的妥当性を吟味し,「強く推奨する」,「弱く推奨する」と推奨を提示した。今後,本ガイドラインの普及による診療の標準化と甲状腺腫瘍患者の健康アウトカムの評価が計画されており,作成グループは作業を継続して普及啓発を促進することが望ましいと考える。
著者
佐藤 康仁 畠山 洋輔 奥村 晃子 清原 康介 小島原 典子 吉田 雅博 山口 直人
出版者
一般社団法人 日本医療情報学会
雑誌
医療情報学 (ISSN:02898055)
巻号頁・発行日
vol.34, no.1, pp.35-43, 2014 (Released:2016-04-20)
参考文献数
24
被引用文献数
3

Mindsサイトは,診療ガイドラインを中心とした医療情報を2002年より継続してインターネット上に提供している.本研究は,Mindsユーザを対象に実施したユーザ満足度に関するアンケート調査結果を分析することで,Mindsサイトの今後の課題を明らかにすることを目的として実施した.調査方法は,インターネット上の自記式アンケート調査とした.調査対象は,Mindsサイトにユーザ登録をしている者とした.アンケートへの回答者は2,940名(回答率8.2%)であった.「利用目的は達成されたか」について,達成できた割合が高かったのは,医療系学生の「学習や知識習得のため23名(53.5%)」,コメディカルの「診療のため82名(50.0%)」となっていた.利用目的を達成できた者は,利用したことがあるコンテンツの種類が多く,それぞれのコンテンツが役に立ったとする割合が高くなっていた.本研究により明らかとなったMindsサイトの課題は,システムや運用における対応を実施することで順次改善していきたい.
著者
能川 和浩 小島原 典子
出版者
公益社団法人 日本産業衛生学会
雑誌
産業衛生学雑誌 (ISSN:13410725)
巻号頁・発行日
vol.60, no.3, pp.61-68, 2018-05-20 (Released:2018-05-31)
参考文献数
14

目的:休職中の労働者が復職するときに,就業上の配慮として軽減業務が産業医から指示されることは多い.例えば,時短勤務で復職すると休職期間が短縮する,業務負荷を軽減すると復職後の再休職が低下するなど,就業上の配慮は復職後の就業アウトカムを向上させる効果はあるのだろうか.我々は,産業保健現場からの疑問に対してGrading of Recommendations, Assessment, Development and Evaluation(GRADE)アプローチを採用して定性的システマティックレビューを行い,日本の産業保健現場において活用できる推奨を作成した.方法:「科学的根拠に基づく産業保健における復職ガイダンス(復職ガイダンス2017)」のレビュークエスチョンのひとつとして「P:私傷病で休職中の労働者に対して,I:復職時の就業上の配慮は,C:ない場合と比べて,O:休職期間の短縮など就業上のアウトカムを向上させるか」が公募より選定された.復職時の就業上の配慮として,時短勤務などの軽減業務に関する介入研究について,Cochrane Library,PubMed,医中誌Webを用いて文献検索を行った.632件の無作為化比較試験(Randomized controlled trial;RCT),またはコホート研究が抽出されたが,既存のシステマティックレビューは検索されなかった.復職ガイダンス策定委員会がスコープで決定した選択基準,除外基準に従い,2名が独立して文献スクリーニングを行った.介入研究は,RevMan5.3を用いてバイアスリスクの評価を行い,観察研究のバイアスリスクは,Newcastle-Ottawa scaleで評価した.GRADEPro GDTを用いて,バイアスリスク,非一貫性,非直接性,不精確,出版バイアスなどからエビデンス総体の確実性の評価を行った.GRADEのEvidence to Decisionを採用して,推奨作成グループの無記名投票により推奨作成を行った.結果:筋骨格系障害による休職者に対する時短勤務または,軽減作業に関する3研究(RCT1件,コホート研究2件)が抽出されたが,統合できるアウトカムはなかった.メタアナリシスは行わなかったが,定性的システマティックレビューの結果より,時短勤務が休職期間を短くし,軽減作業が再休職率を下げる可能性があることが示唆された.推奨作成グループで検討し,休職中の労働者に対して,復職時に就業上の配慮を行うことが筋骨格系障害において推奨された.(低いエビデンスに基づく弱い推奨)考察と結論:今回の結果は,産業保健体制の異なる海外の筋骨格系障害からの休職者に対する研究の定性的システマティックレビューによるものである.今後,我が国における,メンタルヘルス不調などほかの疾患に関する比較研究,費用対効果などのエビデンスを蓄積させていくことが求められる.
著者
森實 敏夫 小島原 典子
出版者
東京女子医科大学学会
雑誌
東京女子医科大学雑誌 (ISSN:00409022)
巻号頁・発行日
vol.88, no.Extra1, pp.E38-E46, 2018-01-31 (Released:2018-02-28)
参考文献数
20

In systematic reviews, the evaluation of the risk of bias and indirectness on effect estimates is essential to assess the certainty of the body of evidence. A program in the programming language R was developed to execute a meta-analysis adjusting for the effects of biases after assessing bias magnitudes, directions, and uncertainty. The program visualizes the effects of biases by creating an overlayered forest plot of bias-adjusted and -unadjusted values. When performing meta-analyses and sensitivity analyses, this helps assess the certainty of the body of evidence by setting various estimates for biases and indirectness of individual studies as risk ratios and standard deviations or 95 % confidence intervals.