著者
小林 徹 Tohru KOBAYASHI
出版者
長崎国際大学
雑誌
長崎国際大学論叢 = Nagasaki International University Review (ISSN:13464094)
巻号頁・発行日
vol.5, pp.149-156, 2005-01

茶道は平和を追求する作法であり、現代社会に受け継がれている。作法は無駄のない動作と静寂のなかにその価値がみいだされる。武士道は戦う武士が勝利のために規範とするものである。規範のなかに現代人が守り伝えるべき約束事は存在する。しかし武士が存在しない現代においては新しい規範をつくって精神的拠り所とする試みが必要である。
著者
小林 徹
出版者
特定非営利活動法人 日本小児循環器学会
雑誌
第51回日本小児循環器学会総会・学術集会
巻号頁・発行日
2015-04-21

リサーチクエスチョンは自らが臨床現場で発見した「わからないこと、しりたいこと」、即ち臨床の疑問(クリニカルクエスチョン)を一定の形式に沿って定式化し、臨床研究として解明する形に整理したものである。NEJMやLANCETといった一流紙に掲載される大規模研究も、元をたどると小さなクリニカルクエスチョンから出発している。このクリニカルクエスチョンを実現可能なリサーチクエスチョンに翻訳する過程は臨床研究にとって最も重要な作業と言っても過言ではない。翻訳作業の第一歩として、クリニカルクエスチョンを、「どのような対象(Patents)に、どのような治療(暴露)を行ったら(Intervention or Exposure)、どのような治療(暴露)がなかった群と比較して(Comparison)、どのように結果(アウトカム)が違うか(Outcome)」のいわゆるPICO(PECO)形式に変換する。対象患者や介入(暴露)群の設定は、その定義をできる限り具体的かつ明確に表現する。比較対象群は介入(暴露)群とその介入(要員)以外は似通った集団かつその分け方が恣意的でない(医学的な根拠がある)ことが大切であり。介入型研究の場合は倫理的な麺に十分配慮する必要がある。知りたいアウトカムは原則1つのみに絞る。また、患者対象や介入(暴露)と同様に定義が明確かつ具体的であり、さらに定量的に測定可能であることが必須である。設定したアウトカムが社会にとって切実な問題であればその研究の価値は高い。良いリサーチクエスチョンにはFeasible(実現可能性がある)、Interesting(興味深い)、Novel(新規性がある)、Ethical(倫理的)、Relevant(切実な問題)、いわゆるFINERの5要素を満たす。リサーチクエスチョンへの翻訳作業中には常にFINERを念頭に置くことが肝心である。
著者
小林 徹也
出版者
茨城県立竜ヶ崎第一高等学校
雑誌
奨励研究
巻号頁・発行日
2013-04-01

1. 研究目的 : 高校生に考える力をつけるため, 数学の問題を解く際「結論から仮定へ」の推論をより利用させることを目標とし, 今回その推論を「解析」とし, 次の2つの解明を目的とした.A : 「解析」をその意識的な指導, 方向, 機能および名称に着目して整理することB : 高校生の「解析」の利用がどのようなものであるか同定すること.2. 研究方法 : 上記Aについては「解析」に関する国内外の先行研究を検討し, Bについては生徒へのアンケートを分析した.3. 研究成果 : 以下のことなどが明らかになった。Aについて :(1)「解析」指導については意識的に指導されているが限定的であること.(2)「解析」には3つの方向性と4つの機能が存在すること.(3)我が国では, 結論を得るために仮定の方に遡る推論の方向と, 解を発見する機能へ着目することが多かったこと.(4)「解析」に対して統一した名称がないこと.Bについて :(1)数学の問題の解答を分析した結果, 生徒は問題を解く際に, 誤った「解析」をすることがあり, それは公式や定理の記憶違い・適用の誤り・計算違い等であること.(2)数学の問題の解答を分析した結果, 正しい解析によって別解を作る例が存在したこと.(3)アンケートの分析により, 解析をどのように有効性を認識したかについては, 学校の指導よりも自分で気づいたとする割合が多いこと,(4)アンケートの分析により, 調査における決定問題を解く際に解析をしたとする生徒が少ないこと.4. 今後の課題 : 以上の成果を活かした授業実践研究が課題である.
著者
小林 徹
出版者
群馬大学社会情報学部
雑誌
群馬大学社会情報学部研究論集 (ISSN:13468812)
巻号頁・発行日
vol.11, pp.129-143, 2004

It would be true that talking critically of Coleridge's Biographia Literaria is almost equivalent to saying something about the relationships between the author and Wordsworth. It is also correct in thinking that the work is a kind of counterstatement to Wordsworth's writings. But these interpretations, which have been provided by many critics, are not enough to develop a comprehensive understanding. The Biographia exists based on Coleridge's multiple relations to the contemporary literary situation, himself, Wordsworth, and "oral cultures." Of those, the relationship between Coleridge and Wordsworthis central, but interrelationship of those four is more important because they cooperate to determine both the content and mode of the work. Through the analysis of these relations, especially those with Coleridge himself and "oral cultures," the Biographia appears to be different from a simple autobiography which concerns the public figure of the author or an earnest defense against censures from the literary circle. Considering its abundant characteristics stemming from "oral cultures" and the importance of Wordsworth as a counterpart of the author in the work, it presents itself as an autobiographical open letter to the poet. There Coleridge "talked." about himself to compete with Wordsworth, in the public field, as a philosophical literary critic. More importantly, then, this feature is where the work's significant originality derives from. The Biographia is not only an anti-Romantic autobiography, but also realizes an entirely new mode of the genre which represents a "private" figure of the author depending on the real personal relationship between himself and Wordsworth.
著者
小林 徹
出版者
長崎国際大学
雑誌
長崎国際大学論叢 (ISSN:13464094)
巻号頁・発行日
vol.5, pp.149-156, 2005-01-31

茶道は平和を追求する作法であり、現代社会に受け継がれている。作法は無駄のない動作と静寂のなかにその価値がみいだされる。武士道は戦う武士が勝利のために規範とするものである。規範のなかに現代人が守り伝えるべき約束事は存在する。しかし武士が存在しない現代においては新しい規範をつくって精神的拠り所とする試みが必要である。
著者
内藤 克輔 久住 治男 鹿子木 基二 加藤 正博 中嶋 和喜 塚原 健治 小林 徹治 黒田 恭一 松原 藤継
出版者
社団法人日本泌尿器科学会
雑誌
日本泌尿器科學會雜誌 (ISSN:00215287)
巻号頁・発行日
vol.73, no.8, pp.1019-1031, 1982-08-20

ヒト泌尿器悪性腫瘍の単層培養の研究を行い,3つの腫瘍より上皮性細胞の活発な増殖が認められた。いずれも140継代培養を重ね,細胞株として樹立された。70歳男子および30歳女子のclear cellを主体とした腎細胞癌由来の細胞株はそれぞれKH-39,KN-41,また44歳男子の膀胱移行上皮癌由来の細胞株はKW-103と命名された。これら3株をヌードマウスに異種移植し,移植28日後に100%に腫瘍形成を認めた。KH-39およびKN-41は単層培養細胞と異種移植腫瘍の光顕的,電顕的所見より腎細胞癌由来と考えられた。KW-103もまた光顕的,電顕的所見より膀胱移行上皮癌由来と考えられた。染色体分布は44〜47継代時に行つた。3株共に2個のmaker chromosomesを持ち,hyperdiploidyの核型を示した。種族細胞の染色体数モードはKH-39で58ないし59,KN-41では58ないし59,KW-103では57であつた。marker chromosomeのcentromere indexはKH-39では15.1と22.4,KN-41では15.2と22.7,さらにKW-103では16.2と24.1であつた。重複培養法による増殖曲線より得られたdoubling timeは,KH-39,KN-41およびKW-103ではそれぞれ16.0,20.9,16.0時間であつた。
著者
伊藤 大介 小林 徹郎 山崎 美和恵 南 繁夫
出版者
素粒子論グループ 素粒子研究編集部
雑誌
素粒子論研究 (ISSN:03711838)
巻号頁・発行日
vol.12, no.5, pp.520-529, 1956-08

最近,CosmotronやBevatronのような高エネルギー加速器によるπ-N相互作用に関する実験の結果,π-N衝突の全断面積σ_<t0t>(-σ_<elastic>+σ_<inelastic>)に第二、第三の極大が存在することが略々確かになった。周知の通り、O.2 Bev前後に於ける第一の極大は、I=J=3/2 stateの共鳴散乱として解釈されているものであるが、第二、第三の極大も果して"物理的核子"の特別な状態の共鳴現象によるものであるか、或は他の機構によるものであるか、先ず明らかにされなければならぬ問題である。この問題に関して、先ずC.N.Yangは 0.8 Bev附近に於ける第二の極大が"物理的核子"の特定の状態の共鳴による散乱であると解し得るためには、共鳴状態のJが相当大きなものでなければならぬことを示している。第二極大の発生機構を考察する場合、第一極大の場合と著しく事情が異るのは、後者の場合にはなかった非弾性衝突(即ち中間子の多重発生等)の存在である。第二極大の起る0.8 Bev附近ではσ_<elastic>&ap;σ_<inelastic>である。このような大きな非弾性散乱の存在は当然弾性散乱にも大きな影響を及ぼすはずである。武田氏は、入射中間子が、核子の固有場の中間子と衝突し、これを共鳴的にたヽき出すと考えて、第二極大の存在を説明しておられる。またSternheimerが分散公式を用いて、前方散乱の振巾をを計算し、高エネルギーに於ては、Dispersive Partに比し、Absorptive Partが非常に大きく、第二極大附近で特にAbsorptive Partが大きくなつていることを明らかにした。これ等の分析の結果から、第二極大の発生機構は、第一極大の場合と異り、非弾性衝突が非常に大きな役割を演じていることが判明して来た。非弾性衝突の存在によつて、弾性散乱の受ける影響は、Shadow Effectとして知られている。我々は以前に1.4 Bevに於けるπ-N衝突は、影散乱のみとして、説明出来ることを示した。即ち1.4 Bev程度の高エネルギーでは、非弾性衝突の断面σ_<inel>を正しく与えええる理論さえあれば、弾性散乱の断面σ_<el>はその影散乱として求まり、全断面σ_<t0t>=σ<el>+σ<inel>も実験と一致するのである。換言すればこのような高エネルギーでは、非弾性衝突が近似的にπ-N衝突の全体を支配しているので、その理論的考察は非弾性衝突の解明に集約されることになる。若し高エネルギー領域で成立ったこのような近似が第二極大の起る0.8 Bevまで成立つならば、第二極大解明の鍵は非弾性衝突にあることになる。この可能性を吟味することが本論文の目的である。結果を要約すれば、π-P衝突で、実測された非弾性散乱の断面積σ^<exp>_<inel>を用い、これから影散乱のみという近似で計算したσ_<elastic>及びσ_<t0t>は、第1図に模式的に示すように、1.0 Bev以上では実験と一致する。しかし1.0 Bev以下では実験と合わなくなる。弾性散乱の角分布も1.0 Bev以上では影散乱のみとして実験とよく合うが1.0 Bev以下では合わなくなるかもしれない(現在比較できる正確な実験は1.0 Bev > E_π > E_<th>間に存在しない)1.0 Bev以下ではσ_<inel>が減少しはじめるのと、低エネルギーの場合と同じ機構による散乱が生き残っているので影散乱のみという近似は成立たなくなるのであろう。しかし第1図に示すように、1.0 Bevに於ける影散乱として計算したσ_<el>,σ_<t0t>は既にthresholdに於けるσ_<t0t>より大きい。而も1.0 Bevに於けるσ_<t0t>もσ_<el>も低エネルギーまで延長すれば結局thresholdに於けるσ_<t0t>に接続しなければならぬのであるから、σ_<t0t>にもσ_<el>にも1.0 BevとE_<threshold>の間に少くも一回極大が存在するはずである。このようなわけで、第二極大の存在の説明には非弾性衝突、即ち、多重発生過程が重大な役割を演じていることを知ることが出来る。実際1.0 Bev以上で多重発生の正しい理論を構成することだけで、第二極大の存在を間接的に示すことが出来ることになる。しかし、第二極大の直接の分析のためには、E_<th>&harr;1.0 Bev間のπ-N相互作用を分析しなければならない。この領域の分析は非常に困難であろうが、逆に、核子の構造に対して多くの情報は期待出来ると予想される領域でもある。これについては追々分析をすすめる予定である。