著者
萬谷 惇 中川 誠司 小谷 賢太郎 堀井 健
出版者
公益社団法人 日本生体医工学会
雑誌
生体医工学 (ISSN:1347443X)
巻号頁・発行日
vol.45, no.1, pp.114-120, 2007 (Released:2008-06-05)
参考文献数
14

Although several studies have reported that the rise-time of sound stimulus affects on auditory evoked magnetic fields, effects of each parameter which vary in connection with rise-time—whole energy, rising-speed (dL/dt), spectrum—have not been clarified. In this study, N1m amplitudes and latencies were examined using noise-bursts with varying rise-time and constant energy or rising-speed. The results showed that N1m increased in amplitude and decreased in latency as rise-time increased (i.e, energy increased) under the rising-speed-constant condition. In contrast, N1m amplitudes and latencies did not vary significantly as rise-time increased (i.e., rising-speed decreased) under the energy-constant condition. These results indicate that sound energy has greater effects on N1m amplitude and latency than rising-speed.
著者
榎原 毅 鳥居塚 崇 小谷 賢太郎 藤田 祐志
出版者
一般社団法人 日本人間工学会
雑誌
人間工学 (ISSN:05494974)
巻号頁・発行日
vol.57, no.4, pp.155-164, 2021-08-15 (Released:2021-08-20)
参考文献数
19
被引用文献数
9

国際人間工学連合は人間工学(HFE;Human Factors and Ergonomics)のコア・コンピテンシーを改訂した.HFEの改訂コア・コンピテンシーの単位は7領域に集約・再整理され,システムズアプローチ視点がより強調される形となっている.改訂コア・コンピテンシーに基づき,今,社会の要請に応えるHFE専門家を育成するために必要と考えられるリサーチ・イシューとして,1)ステークホルダ関与に基づく解決策の提案,2)システムズアプローチに基づくシステム要素の調和,そして3)HFE主導による,あるべき近未来労働・生活様式ビジョンの策定,の3つのポイントを提案した.これらはHFEの世界的な動向を鑑み,国内のHFE研究者,実務者,専門家が今,学び,実践すべき重要なリサーチ・イシューである.
著者
鈴木 哲 菅原 慶太郎 松井 岳巳 朝尾 隆文 小谷 賢太郎
出版者
一般社団法人 日本人間工学会
雑誌
人間工学 (ISSN:05494974)
巻号頁・発行日
vol.49, no.1, pp.25-31, 2013-02-15 (Released:2013-06-19)
参考文献数
32
被引用文献数
1

本研究では呼吸と覚醒度の関係性を調査し,その応用の可能性を検討した.実験は睡眠時間や食事を統制した環境下で,自動車の運転を想定しステアリング操作を40分間行わせた.その間の脳波のα波帯域変化と呼吸数の経時的変化や,TimingとDrivingといった呼吸に関する指標,さらに呼吸波形の振幅面積や吸気の速度変化が最大となる時間などを調査した.その結果,一般的に関係性が指摘されている呼吸数などの変化だけでなく,吸気の変曲点位置変動の間(r=0.65)にも関係性があることを確認した.一般的な覚醒度に関する調査において付随的な指標として扱われることの多い呼吸にも覚醒度変化の影響があることを示すとともに,覚醒度推定精度を向上させるために,呼吸は重要な情報となりうることを示した.
著者
山口 雄志 小谷 賢太郎 堀井 健
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. HCS, ヒューマンコミュニケーション基礎 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.107, no.59, pp.47-52, 2007-05-17

We developed an eye typing input system using voluntary eye movements toward screen button. While conventional interface uses input actions with a certain duration of fixation at the target, our system asks users to generate saccades and fixate a large screen button area located beneath of the display as soon as they find a target as the intended character. A total of five subjects participated in the experiment to evaluate the system performance. The result showed that the error rates were 3.7 percents in average. The average typing speed was 30 characters per minutes for the fastest person and 13.8 characters per minutes for the slowest person. The error rates obtained in this study were lower than those obtained by previous study using gaze input. The typing speed was also relatively faster than other studies using gaze input (ranging from 10 to 12 characters per minute in average) and blink-based input (average 8 characters per minute). Also, we compared performance when visual feedback was given to the subject and concluded that fine adjustments to minimize the distance between the marker and the true position of eye fixation was important for taking its advantage.
著者
戸田 圭一 石垣 泰輔 宇野 伸宏 米山 望 川池 健司 馬場 康之 小谷 賢太郎
出版者
京都大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2008

実物大の階段・通路模型、車模型を用いて水害時の避難限界指標を作成した。統合型の都市水害モデルを用いて内水氾濫時の地下浸水解析を行い、避難限界指標を援用して地下空間の避難困難度ゾーンマップを作成した。小・中規模地下空間の浸水時の危険性も明らかにした。また内水氾濫解析と交通量解析を結びつけ、内水氾濫時の道路交通障害を評価できる手法を開発した。さらに都市水害対策として、地下空間を有効活用した治水施設の有効性を確認した。
著者
小谷 賢太郎 堀井 健 三浦 敏弘
出版者
関西大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2005

本研究は,ヒトの触覚の感覚特性を明らかにするために,空気圧制御による圧力刺激呈示システムを製作し,ヒトの手が知覚可能な最小の力の変化量を調べることを目的とするものであった.初年度は実験装置の作成から開始した.作成した実験装置は,エアコンプレッサからノズルまでの空気圧の流路と,空気圧の出力を制御するコントローラやスイッチ等の電気回路から構成される空気圧提示装置である.校正実験の結果,本装置により0.5gfまで小さな噴流出力を制御することが可能となった.そこで,示指先端に加わる力に対して,標準刺激を変化させたときの弁別閾の特性を調べるため,心理物理学的実験を行った.実験の結果,標準刺激が4.0〜7.0gfの範囲では,標準刺激が変化しても,Weber比は約0.1程度で一定であり,4.0〜2.0gfの範囲では標準刺激が減少するに伴って,Weber比が増加していることがわかった.2年目は構築した空気圧提示装置を用いて,刺激の立ち上がり時間を変化させた場合における力の弁別閾変化の傾向を調べることを目的として実験を行った.実験は標準刺激2秒提示,無刺激インターバル3秒,比較刺激2秒提示,無刺激回答時間7秒を1試行として,無刺激時間7秒の間に,被験者には「大きい」,「小さい」,「同じ」のいずれかを感じたかを回答してもらった.その結果,刺激の立ち上がり時間を長くするとWeber比と弁別閾は増加する傾向が見られた.また,Weber比は本実験での各刺激の立ち上がり時間において0.1程度に収束することが分かった.これは,昨年度の標準刺激4.0〜7.0gfの傾向と同様であった.また,初年度の結果では刺激の立ち上がり時間を0.3secと設定していたことから,この実験における刺激の立ち上がり時間0.3secの実験結果と比較すると約0.2の違いがあるが,これは提示時間の影響によることがわかった.