著者
山下 哲郎 宮崎 雅雄 片山 泰章 澤井 健
出版者
岩手大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2013-04-01

ネコは尿に分子量7万でエステラーゼ活性を持つコーキシンを大量に分泌している。我々はこれまでにネコの尿に含まれる特異なアミノ酸フェリニンの生産にコーキシンが関与していることを見いだした。しかしネコがなぜコーキシンを尿に大量分泌してフェリニンを生産しているか、他に生理機能があるか未解明である。そこで本研究では、コーキシンの遺伝子欠損ネコを作成し、コーキシンの機能解明を目指すための基礎的研究を行った。具体的にはネコ尿主要タンパク質コーキシンの機能解明を行うために人工DNA制限酵素「TALEN」をネコの受精卵に作用させコーキシン配列の破壊を行い、コーキシン遺伝子欠損ネコ作成を試みた。
著者
山下 哲
出版者
木更津工業高等専門学校
雑誌
木更津工業高等専門学校紀要 (ISSN:2188921X)
巻号頁・発行日
vol.35, pp.41-44, 2002-01

「グラフ」とは、数個の「頂点」と数本の「辺」(2頂点を端点とする線分)から成る図形のことである。グラフを平面上に描いた図のうちで、自己交差がない図を「平面グラフ」と呼ぶ。一般に、頂点の個数に比べて辺の本数が多過ぎるグラフは平面グラフをもたない。平面グラフをもつグラフを「平面的グラフ」と呼ぶ。各辺の図が直線分である平面グラフを「直線的平面グラフ」と呼ぶ。1948年にFaryは次の定理を証明した:「任意の平面的グラフの任意の平面グラフは、直線的平面グラフに平面上で辺を交差させることなく変形できる。」 グラフを平面上に描いた図の中で、曲線分と一致する部分をそのグラフの「道」と呼ぶ。道は、ちょうど1本の辺に接続している頂点を2個だけもち、その他の頂点はちょうど2本の辺と接続している部分グラフである。Faryの定理を拡張して、次の問題が考えられる:「任意の平面的グラフと任意の数本の道に対して、その平面的グラフの任意の平面グラフが、それら数本の道がすべて直線分である直線的平面グラフに平面上で辺を交差させることなく変形できるための必要十分条件を求めよ。」 グラフを平面上に描いた図の中で、閉曲線と一致する部分をそのグラフの「閉路」と呼ぶ。閉路は、すべての頂点がちょうど2本の辺と接続している部分グラフである。閉路を含まない連結グラフを「木」と呼ぶ。木は平面的グラフである。上述のFaryの定理の拡張問題を一般の平面的グラフについて解決することは難しい。本論文では、木についてFaryの定理の拡張問題を解決した。
著者
山下 哲央 岡田 知己 松澤 暢 長谷川 昭
出版者
公益社団法人 日本地震学会
雑誌
地震 第2輯 (ISSN:00371114)
巻号頁・発行日
vol.56, no.4, pp.457-469, 2004-03-25 (Released:2010-03-11)
参考文献数
38
被引用文献数
2

We estimated the scaling relation, i. e. MO (seismic moment)-fC (corner frequency) relation, of small to moderate-sized earthquakes east off northeastern Japan. We used spectral ratio method to accurately estimate fC from observed spectra of earthquakes. We calculated spectral ratios of all the event pairs with spatial separations less than the hypocenter location errors, and estimated fC values by fitting them with theoretical spectral ratios. Seismic moments were estimated from the JMA (Japan Meteorological Agency) magnitudes. We also estimated spatial variation of the scaling relation along the plate boundary of the subduction zone. Obtained scaling relation was compared with the scaling law derived by Nadeau and Johnson (1998) in which seismic coupling coefficient was assumed to be 100%. Obtained MO-fC samples are somewhat scattered and the distribution range corresponds to seismic coupling coefficients of 1 to 100%. The range corresponds to stress drops of 0.1 to 10MPa. Regional variations of stress drops are also observed. In particular, lower stress drops are estimated in and around the fault area of the 1896 Sanriku tsunami earthquake. Higher stress drops are obtained for the deeper portion (deep thrust zone) of the plate boundary. This tendency of higher stress drops for deeper events can be explained by the difference in physical properties (i. e., rigidity) which depend on depth. The MO-fC relation also varies along the arc. Areas with higher stress drops are distributed in and around the asperities of some large earthquakes. These events with higher stress drops might occur off the plate boundary and/or on the plate boundary in and around the asperities.
著者
沢田 知子 丸茂 みゆき 曽根 里子 谷口 久美子 渡邊 裕子 山下 哲郎 南 一誠 高井 宏之 西野 亜希子
出版者
工学院大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2008-04-08

本研究は、近年の長寿命住宅への要請を踏まえ、官民の供給事例を対象に、体系的・経年的調査を実施し、「長寿命住宅(ハード)に対応する住まい方像(ソフト)」を明らかにすることを目的とした。調査(3種)として、「フリープラン賃貸住宅」の居住過程調査、「公的賃貸住宅(KSI含む)のライフスタイル調査、「住まいのリフォームコンクール」入賞作に関する調査を実施。その成果物として、日本建築学会査読論文3編、「長寿命住宅に対応する住まい方事例集」報告書等を作成した。また、100年超を視野に入れた長寿命化を図る「リフォーム計画論」として、現存住宅の所有者更新に力点をおいた「計画技術」を蓄積する必要性を示唆した。
著者
長澤 泰 山下 哲郎 岡 ゆかり BARUA Sanji
出版者
東京大学
雑誌
国際学術研究
巻号頁・発行日
1996

初年度には途上国型「癒しの環境」研究として、バングラデッシュ農村部での伝統助産婦による分娩と都市部産科病院での病院分娩を比較した。また、スリランカではその殆どが施設分娩であることから、病院の大小や 病院へのアクセス、療養環境が施設選択に与える影響を調べた。第2年度は先進国医療施設型のフィンランドを事例として、先進国でも分娩の環境には家庭回帰が見られることを、病院のしつらえを限りなく家庭に近づける事例を用いることにより実証した。最終年度の今年はオランダにおいて、助産婦の活動を追跡することを中心に、家庭分娩が望まれる理由、その環境、社会的背景を調査・分析した。全分娩の1/3が家庭分娩であり、その背景に助産婦の社会的地位が高いこと、オランダの地理的条件が、緊急時に患者を早急に病院へ搬送することができることなどがある。それだけではなく、サービスを受ける側の意識に分娩は病気ではないので病院は必要なしとの判断が働いていることも確認された。今年度は同時に、周辺のヨーロッパ諸国の状況を示し、何故似たような地理的・文化的背景を持ちながらオランダが特異な例であるかを証明した。3年間に途上国および先進国の自宅型・施設型分娩の比較を行った。出産の場の選択にあたっての行動様式は、地域の社会や文化に依拠しながら、お産は「家庭的な」雰囲気のなかで行われることを最良とする文化の多いことがわかった。同時に社会の発展段階により、「安全」に対する要求が高まり、その「安全」の確保が充分な段階になると再び「家庭的な」環境を求めることとなる。今後の日本を始めとする先進国型医療施設の技術進歩に伴い、医療技術の優先度はある程度弱まり、より患者の療養環境を重視する声が高まることと思われる。分娩環境のこのような文化・社会・経済状況の違いの中での相違は、産科の療養環境を越えて広く一般医療の患者環境に示唆を与えるものである。
著者
土井 晃一郎 山下 哲矢 田中 孝侑 山本 章博
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会論文誌 (ISSN:13460714)
巻号頁・発行日
vol.23, no.3, pp.185-192, 2008 (Released:2008-03-11)
参考文献数
20

We present the intentional kernel as a new class of kernel functions for structured data. The class is highly contrasted to the convolution kernel, that is a typical class of kernel functions. That is, the convolution kernel is defined with sub-structures, while the intentional kernel is based on derivations constracting structures. We show instances of the intentional kernel for boolean functions, first-order terms, context sensitive languages, and RNA sequences. We also show some properties of the intentional kernel, and discuss the difference between the intentional kernel and the convolution kernel.