著者
伊藤 澄夫 武田 寿 小林 昭彦 桜井 裕之 多田 善彦 青木 岳 細貝 猛 山中 崇彰 石綿 肇
出版者
公益社団法人 日本食品衛生学会
雑誌
食品衛生学雑誌 (ISSN:00156426)
巻号頁・発行日
vol.34, no.3, pp.254-256_1, 1993

輸入ウオッカ中のフタル酸ジブチル (DBP) の簡易で迅速な分析法を開発し, 応用を試みた. DBPは試料から<i>n</i>-ヘキサンで抽出, 直接FID付キャピラリーカラムガスクロマトグラフで定量した. 0.5~5.0ppmのDBPを試料に添加したときの回収率は92.7~98.5%であった. 検出限界は0.1ppm, 所要時間は約30分であった. ロシア産ウオッカ15試料について定量を行ったところ, 2試料から0.1及び0.2ppmのDBPが検出された. これらに付いてはGC/MSで確認を行った.
著者
平原 佐斗司 山口 泰弘 山中 崇 平川 仁尚 三浦 久幸
出版者
一般社団法人 日本在宅医療連合学会
雑誌
日本在宅医療連合学会誌 (ISSN:24354007)
巻号頁・発行日
vol.3, no.1, pp.60-67, 2022 (Released:2022-02-17)
参考文献数
17

目的:末期認知症高齢者の肺炎に対する抗菌薬の予後と苦痛の改善効果を検討する.方法:国内外のデータベースから検索式を用い,末期認知症の肺炎の抗菌薬治療の予後と苦痛の改善効果についての2つ の CQs を含む5つの CQs に該当する 604 論文を抽出,最終的に採用した 17 論文のうちこれらの CQ に該当する6論文を解析した.結果:末期認知症高齢者の肺炎の抗菌薬治療は予後を改善する可能性があり,とりわけ短期の予後の改善が期待できる.抗菌薬治療の予後改善効果は認知症や嚥下障害の重症度や過去の肺炎回数と関連していた.また,抗菌薬治療が肺炎による死亡前の苦痛を軽減する可能性が示唆された.
著者
山中 崇弘 新木 健一郎 石井 範洋 塚越 真梨子 五十嵐 隆通 渡辺 亮 久保 憲生 大嶋 清宏 桑野 博行 調 憲
出版者
日本腹部救急医学会
雑誌
日本腹部救急医学会雑誌 (ISSN:13402242)
巻号頁・発行日
vol.37, no.6, pp.931-934, 2017-09-30 (Released:2018-02-27)
参考文献数
14
被引用文献数
1

【はじめに】侵襲性クレブシエラ感染症は,Klebsiella pneumoniaeを原因菌とし,肝膿瘍から眼内炎や中枢神経感染症などの転移性感染巣を引き起こす。当科での1例を報告する。【症例】73歳男性。主訴は腰痛,視力低下。精査の結果,肝膿瘍,眼内炎,敗血症の診断で抗菌薬治療を開始,第3病日に肝ドレナージを施行した。培養からKlebsiella pneumoniaeが検出された。転移性感染巣検索では,腰部に椎体炎,硬膜外膿瘍を認めた。転移巣は保存的に軽快し,第52病日に転院となった。【考察】本邦での肝膿瘍を伴う侵襲性クレブシエラ感染症の報告10例では,眼内炎を7例(70%),死亡2例(20%)と危険な病態と考えられた。肝膿瘍,眼内炎という特徴的な所見を認めた際は,侵襲性クレブシエラ感染症を疑い,転移性感染巣を考慮した抗菌薬治療と,外科的治療を含めた集学的治療を行うことが重要である。
著者
磯谷 一枝 山中 学 石川 元直 扇澤 史子 望月 友香 稲葉 百合子 山本 直宗 山中 崇 大塚 邦明
出版者
一般社団法人 日本老年医学会
雑誌
日本老年医学会雑誌 (ISSN:03009173)
巻号頁・発行日
vol.48, no.5, pp.570-571, 2011 (Released:2012-02-09)
参考文献数
5
被引用文献数
1 1

入院中の高齢者において抑うつは疾患治療を困難にする重要な問題であるが影響を与える因子については明らかではない.65歳以上の入院高齢患者174名を対象に,Geriatric depression scale(以下,GDS)を実施し,性別,年齢,基礎疾患,居住形態,認知機能との関連を検討したところ,患者の居住形態がGDSに最も強く独立して関連し独居群は家族同居群よりもGDSが高く治療意欲の低下を支持する回答が多く,独居高齢者では入院中に心理的援助がより必要である.
著者
入江英嗣 山中崇弘 佐保田誠 吉見真聡 吉永努
雑誌
研究報告計算機アーキテクチャ(ARC)
巻号頁・発行日
vol.2013-ARC-206, no.5, pp.1-10, 2013-07-24

プロセッサの性能向上の基本戦略は,2000 年頃からはマルチコア構成の拡張が主流となり,トランジスタ資源をコア数の増加に利用することで,効率的に TLP 性能を向上させてきた.しかしこのアプローチも,TLP の収穫逓減やダークシリコンの増加など,継続的な成長には限界が指摘されている.この限界を打ち破り,高性能なメニーコアプロセッサを実現するための課題の一つとして,一つ一つのコアの実行性能と電力効率の双方を高める実行アーキテクチャの開発が挙げられる.ここではピーク ILP 実行幅よりも,コンスタントな高性能と高効率が求められる.3 次元実装技術に代表されるように,パッケージ内トランジスタ数の増加は堅調であり,容量を用いて処理レイテンシと電力を削減するアーキテクチャへの転換が今後のプロセッサ成長の鍵と考えられる.本論文では,ライト・ワンス・マナーに基づいた大きな論理レジスタ空間を導入することで,レジスタリネーミング処理を取り除き,更にはバックエンド幅の増加なく実行性能を増加させる STRAIHGT アーキテクチャを提案し,実現のための技術と性能の見積もりを述べる.STRAIGHT アーキテクチャに見立てたパラメタを用いた初期評価では,同じワークロードに対するエネルギー消費を 12% 削減しながら,同時に約 30% の IPC 向上が得られ,性能/パワー比を改善する新しい実行方式として有効であることが示された.
著者
松田 英希 榎 真奈美 伊藤 絵里子 藤澤 美由紀 山中 崇
出版者
JAPANESE PHYSICAL THERAPY ASSOCIATION
雑誌
日本理学療法学術大会
巻号頁・発行日
vol.2003, pp.B0464-B0464, 2004

【はじめに】身体機能的には可能であったにも関わらず、器質性人格障害のためにADL自立が困難であったクモ膜下出血の症例を経験したので報告する。<BR>【症例】33歳男性。身長172cm、体重65.3kg。病前の性格は温厚。平成14年8月9日、クモ膜下出血発症。同日、緊急開頭血腫除去術・脳動脈クリッピング術・外減圧術施行。平成15年3月18日、リハビリテーション目的にて当院リハビリテーション科へ転院となった。転院時所見としてCTにて前頭葉の広汎な病変を認め、右片麻痺・人格感情障害・知的低下・注意障害・記憶障害・失語症・右半側空間無視・Alien Hand(右手)が見られた。Brunnstrom Recovery Stageは右上肢V・右手指V・右下肢IV。起居動作は軽度~中等度介助、歩行は中等度介助で、周囲の状況や身体の状態に関係なく動作を行い、転倒・転落の危険を伴った。<BR>【経過】平成15年3月19日、当院PT・OT・ST開始。車椅子にてリハビリテーションセンターに来室。ROM ex.や坐位・立位でのBalance ex.などのアプローチは協力を得られず、暴力的になったり寝てしまったりした。そのため、臥位から起き上がって歩くという一連のプロセスを、誘導しながら介助して患者のペースで行う方法が中心となった。介助に対して暴力的になり歩行中でも振り払おうとしたため、衣服の皺を伸ばすように見せるなど、患者の注意を変換することで興奮の抑制を図った。排泄・入浴場面では、激しく興奮し状況判断せず行動するため2~3人の介助が必要で、OTの介入も困難であった。同年4月中旬には、右下肢の支持性や歩行バランスの向上により屋内歩行が軽度介助レベルとなり、屋外での不整地・段差・スロープ歩行が可能となった。同年6月12日には屋内歩行が遠位監視となったが、介助に対する暴力的な行動は変わらなかった。本症例は、家族の在宅困難との判断により、平成15年7月25日転院となった。<BR>【考察】本症例は運動機能としての起居移乗動作や歩行は自立したが、ADL自立には至らなかった。屋内外ともに移動手段として歩行を確立できたのは、患者が介助を意識しないようにアプローチしたり、リスクを伴うと考えられる歩行条件でも、あえて患者の選択を尊重し、PT中の情動爆発を可能な限り抑制したことが功を奏したと考えられる。しかし全般的な脱抑制により動作のほとんどが無目的で、特に排泄・入浴動作の指導・介入に対しては激しい情動爆発が見られるなど、状況に応じた適切かつ安全な行動が困難であった。本症例の経験より、精神科領域の知識や症状のとらえ方は、我々PTの臨床場面にも求められると思われた。