著者
山口 薫 山路 永司
出版者
農村計画学会
雑誌
農村計画学会誌 (ISSN:09129731)
巻号頁・発行日
vol.32, no.Special_Issue, pp.275-280, 2013-11-20 (Released:2014-11-20)
参考文献数
14
被引用文献数
3 1

The objective of this study is to investigate how residents evaluate the roles of dogs that scare away wild monkeys in East Japan district. Based on the primary survey, the fact that large number of dogs has been domesticated and evaluations on the dogs have been found in Nagiso. So, the detailed questionnaires survey was performed among the residents of Nagiso to reveal the effect of dogs to chase the wild monkeys. The result shows that the dogs were effective in reducing the damages by wild animals and it makes the residents to communicate each other more.
著者
山口 薫 山路 永司
出版者
農村計画学会
雑誌
農村計画学会誌 (ISSN:09129731)
巻号頁・発行日
vol.32, pp.275-280, 2013
被引用文献数
1

学習能力の高いサルによる獣害対策の一環として,2005年度から特区制度を利用し,犬を活用した取り組みを始めてから8年が経過した。その後,動物愛護管理法に基づく基準が改正(2007年)されて,訓練した犬を放し飼いにすることが法的に可能となり,一気に全国に広まった。現在,全国で393頭(農林水産省,2011)の犬が主にサル対策として活動している。人に代わって,執拗に山へサルを追い上げる犬を活用して益々頭数を増やす自治体もあれば,打ち切りもあってばらつきがみられる。先行研究では,イヌの追い上げの有用性の実験(小金澤,2008),ニホンザルの追い払いの実態(吉田ら,2006),追い払い犬を技術面から捉えたもの(市ノ木山,2012),野生鳥獣対策ツールとして犬を利用して検証(矢口,2009)など,電気牧柵やネットの改良と同様の科学的視点から犬の有用性を考察している。また被害住民意識に基づいたサルの追い払い対策(中村ら,2007),集落ぐるみでサルを追い払い,農作物被害軽減の効果を検証(山端2010,東口ら2012)など,人による追い払いに着目した研究はあるが,犬の飼育者の特に地方自治体担当者や地域住民の評価を分析したものは少ない。また犬側の動物の福祉に配慮した考察や,ペット動物として飼育しながら活動する問題点への考察はほとんどない。そこで本研究では,東日本地区の全容把握と,最も事業を推進している長野県南木曽町の忠犬事業の飼育者への聞き取り調査をもとに分析し,提言を行うことを目的とした。なお「追い払い」事業は,犬がサルを本来の住処へ戻すことだが,その実施には「犬を好きか嫌いか」といった感情面の対立が伴いやすい。その課題も含めて検証した。
著者
内田 真之 山口 薫 藤井 康友
出版者
石油技術協会
雑誌
石油技術協会誌 (ISSN:03709868)
巻号頁・発行日
vol.58, no.1, pp.67-77, 1993

地震探査データにみられる炭化水素の存在と直接に関わっている現象いわゆるDHI (Direct hydrocarbon indicator) による炭化水素検知の手法として, 近年AVO (Amplitude variation with offset) 解析が注目を集めている。同解析は地震波の入射角の変化に伴う反射波の振幅の変化を観測することによって炭化水素貯留層を直接検知しようとするものであり, 重合断面上の特徴的なアノマリーの観測のみによる炭化水素検知法に比べてより精度の高い対比ができるものと期待されている。<br>AVO現象はP波の伝播速度および密度の他にポアソン比 (あるいはS波の伝播速度) というもう1つの岩石物性の変化にも起因するため特にガス貯留砂岩層の検知に有効であることが知られているが, データ処理において重合前の多くのデータを使用するためノイズ除去や振幅保存などに通常処理よりも大きな注意を払う必要がある。本スタディの対象となったエリアは東マレーシアの陸上地域で, 中新世~鮮新世に堆積したデルタ成の砂泥互層の発達が卓越し試掘によりこれらの砂泥互層中に複数の砂岩ガス層が存在することが確認されている。またこの地域では通常処理震探断面上で異常振幅やホライゾンの下方湾曲が観測されており, これらのアノマリーがガス層の存在に起因するものと期待されていたが, ガス層発見井の坑井データによりこれらの異常が必ずしもガス層の存在にのみ起因するものでは無いことがわかった。<br>本スタディではまず坑井データに基づきガス層でのP波伝播速度の減少を推定し, さらに密度の観測データとS波伝播速度の変化の推定からガス層上面での入射角の変化に伴う振幅変化の予測を行った。次にガス層が確認された構造とその背斜トレンドの延長部に存在する未試掘プロスペクトのそれぞれ頂部を通る測線の震探データに前処理を施した後AVO解析を行った。その結果使用したデータが比較的S/N比や重合数が低くAVO解析には必ずしも適していなかったものの, AVOの解析結果にみられる異常はガス層とよい対比を示した。また未試掘構造ではAVO解析の結果顕著な異常は認められなかった。
著者
山口 薫
出版者
筑波大学 (University of Tsukuba)
巻号頁・発行日
2018

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著者
古久保 さくら 丸山 里美 高松 里江 須藤 八千代 山口 薫 茶園 敏美 小川 裕子
出版者
大阪市立大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2015-04-01

本研究は、1947~1997年に大阪府内に存在した婦人保護施設「生野学園」の50年間の記録・資料を主資料として研究を進めることにより、戦後日本の女性の貧困・困窮の実態について明らかにした。婦人保護施設は売春防止法により規定された施設であるが、その施設開設初期段階から家族のなかに居場所を失った多様な困難を抱える女性たちを受け入れ支援する場として存在したことが明らかになった。また、同時に「売春」と言われてきた行為について、性暴力・恋愛との連続性、言い換えれば客体化された被害者としての側面と主体化された行為者としての側面から概念を再検討する必要性も見えてきた。
著者
吉竹 功央一 並木 淳郎 小崎 遼太 猪口 孝一郎 越智 明徳 関本 輝雄 山口 薫 大沼 善正 近藤 武志 柴田 正行
出版者
公益財団法人 日本心臓財団
雑誌
心臓 (ISSN:05864488)
巻号頁・発行日
vol.51, no.6, pp.626-630, 2019-06-15 (Released:2020-08-17)
参考文献数
7

症例は60歳代,男性.意識消失を伴う高度房室ブロックの診断で恒久ペースメーカ植込みを行った.手術中,良好な閾値がみつからず,心房リードの留置に難渋したため,心房リードを右房側壁に留置した.手術翌日に呼吸困難,酸素飽和度の低下を生じ,胸部CT検査で右肺の気胸,心膜気腫,縦隔気腫を認めたため,胸腔穿刺で脱気を行った.解剖学的に心房リードが右房壁を穿孔した可能性が高いと判断し,外科的治療を考慮したが,心房・心室リードともに感度・閾値・抵抗値に変化を認めず,バイタルは安定していたため,経過観察とした.その後は経過良好であり,脱気後1週間で胸腔ドレーンを抜去し,胸部CT検査で気胸,心膜気腫,縦隔気腫が消失していることを確認して退院となった.解剖学的に右房側壁は胸膜と近接しており,リードのスクリューが心膜,胸膜を貫通し,気胸,心膜気腫,縦隔気腫を生じたと考えられる.心膜気腫,縦隔気腫は恒久ペースメーカ植込みの合併症において比較的稀である.治療法の選択に苦慮したが,保存的加療で治療し得た症例を経験したので報告する.