著者
山口 豊
巻号頁・発行日
2013

筑波大学博士 (ヒューマン・ケア科学) 学位論文・平成25年3月25日授与 (甲第6564号)
著者
里村 洋一 岡本 達也 半沢 傭 山口 豊 林 豊 香月 秀雄
出版者
日本肺癌学会
雑誌
肺癌 (ISSN:03869628)
巻号頁・発行日
vol.13, no.4, 1973-12-25
被引用文献数
1

症例は45才の男性で,26年前左肺結核症の診断で13回の人工気胸術を受けた.この時胸膜炎を併発したが,3年間の療養後社会復帰した.23年を経て血疾と背部痛を訴えるようになり入院した.左背側の陳旧化した膿胸であると診断して開胸し,肥厚硬化した胸膜をその内容の壊死物質と共に摘出した.この胸膜の一部に組織学的に血管芽腫の像が認められた.術後小量の出血,背部痛が持統し,2ヵ月後に同側の胸壁に腫瘤が出現し,生検で悪性腫瘍と診断された。摘出胸膜を再検すると,壁側胸膜の一・部に,血管腫性の変化と共に,異形性強く,核分裂像を示す部分が認められ,血管肉腫と診断した.膿胸と血管腫が合併して永い経過の後,悪性化して臨床症状を呈してきたと想像される.
著者
上村 博司 里見 佳昭 菅原 敏道 山口 豊明 岸田 健 石橋 克夫 原田 昌興
出版者
社団法人日本泌尿器科学会
雑誌
日本泌尿器科學會雜誌 (ISSN:00215287)
巻号頁・発行日
vol.82, no.2, pp.260-267, 1991-02-20

10年以上経過をみた前立腺癌症例70例を対象として, その予後調査を行った. 治療は内分泌療法を施行した. また, 除睾術を70例中54例 (77%) に施行した. 生存10例, 死亡60例で, 癌死は31例と半数を占めた. stageA, Bでは, 癌死は少なく, stageC, Dは癌死が10例と18例で高率にみられた. 一方, 長期生存例は, stageA_1 1例, A_2例, B1例, C4例, D2例とどのstageにおいても存在した. 病理組織別では, 高分化型群に癌死がみられず, またstageA, Bでは高分化・中分化型群に同様に癌死がなかった. ホルモン剤中断例では, 高分化型群で癌死は存在せず, 中分化型群でstageC, Dに癌死がみられた. 低分化型群は予後が悪く, とくに中断後は短期間内に癌死した. 高分化型群では癌死がいないと, stageA, Bでは高分化・中分化型群で癌死はなく, またホルモン剤中断後も癌死がないことより, 除睾術施行後の高分化型腺癌でstageA, Bの症例では, ある一定期間の継続的内分泌療法を施行後に, ホルモン剤の中断・中止の可能性が推察され, 一定の条件下でホルモン剤の中止ができるのではないかということを提唱した.
著者
山口 豊一 吉田 香衣 石川 章子
出版者
跡見学園女子大学
雑誌
跡見学園女子大学文学部紀要 (ISSN:13481444)
巻号頁・発行日
vol.42, no.1, pp.A61-A73, 2009-03-15

本研究の目的は、中学校教師へのインタビューを題材として、「中学校教師のチーム援助モチベーションを促進する要因は何か」を実践現場からのデータに基づいて明らかにすることである。データ収集においては、研究対象校の校長の許可を得て、第一筆者が教育相談主任、養護教諭、学級担任との半構造化面接を実施し、面接から逐語記録を作成した。データ分析においては、質的研究法の1 つであるグラウンデッド・セオリー・アプローチを用い、分析は学校心理学研究者および臨床心理学専攻の大学院生2 名(第二、第三筆者)により実施された。分析の結果、15 の概念が見出され、それはさらに【Iリーダーシップ】【II組織】【III雰囲気】【IV意識】の4 つのカテゴリーにまとめられた。 結果からみると、チーム援助モチベーションの促進要因は、ハード面の《組織》およびソフト面の《リーダーシップ》《雰囲気》《意識》であることが明らかになった。そして、《リーダーシップ》が《組織》の【柔軟なチーム援助】【システムの構築】および《雰囲気》に直接的に影響を与えていた。さらに、《雰囲気》は《組織》の【役割分担によるチーム援助】に影響を与え、《意識》とは相互に影響を与えあっていた。 チーム援助モチベーションが促進されるためには、組織が整えられることは大切であるが、その組織がより効果的に機能するためには、それを動かす教師集団の雰囲気や意識が大切であることが確認された。実践現場から導かれた本研究の結果は、理論的な先行研究では十分扱われてこなかったチーム援助モチベーションの促進要因が学校組織の視点から明らかになり、現在の教育界に対応するチーム援助の特徴を示唆している。
著者
藤沢 武彦 山口 豊 本郷 弘昭 柴 光年 由佐 俊和 崎尾 秀彦 川野 裕 門山 周文
出版者
特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会
雑誌
気管支学
巻号頁・発行日
vol.8, no.2, pp.251-257, 1986
被引用文献数
4

中枢気道を狭窄ないし閉塞する肺癌切除不能例11例に対して内視鏡下に腫瘍内エタノール注入療法を考案し, その組織固定および止血効果につき臨床的ならびに基礎的検討を行ない, 以下の結果を得た。(1)腫瘍内へ99.5%エタノール注入後は速やかに腫瘍は淡赤白色に固定され, 内視鏡的にやや縮小傾向を示し, さらに出血例では高い止血効果が認められた。注入数日後には腫瘍は壊死に陥っており, 壊死組織内には病理組織学的に生腫瘍細胞はみられなかった。(2)気道内ポリープ状突出腫瘍に対しては本法は極めてよい適応と考えられるが, 壁外腫瘍に対してはその効果はあまり期待できないものと思われた。(3)筋弛緩剤投与下に行なった動物実験による検討では, 中枢気道壁内への99.5%エタノール投与は明らかなPaO_2の低下を示さなかったが, 肺胞内へのエタノールの流入は出血性肺炎を惹起し, PaO_2を有意に低下させた。(4)局所麻酔下に行なう臨床例においては, 腫瘍外に流出した少量のエタノールの一時的な咳嗽発作の惹起をみたのみで, 肺炎, 低酸素血症等の重篤な副作用は全くみられなかった。(5)生化学的検索でもエタノール注入は臨床的にも, また基礎的にも明らかな異常所見は示さなかった。(6)結論として, 腫瘍内エタノール注入療法は適応を選べば, 中枢気道の腫瘍性病変に対して有効な内視鏡下治療の一手段と考える。