著者
藤原 宣夫 山岸 裕 村中 重仁
出版者
日本緑化工学会
雑誌
日本緑化工学会誌 (ISSN:09167439)
巻号頁・発行日
vol.28, no.1, pp.26-31, 2002 (Released:2004-08-27)
参考文献数
7
被引用文献数
18 17

森林のCO2固定量については, 面積あたり固定量を原単位とした算定方法が明らかとされているが, 街路樹など森林形状を有しない都市緑化樹木によるCO2固定量の算定には, 樹木1本あたりの原単位の設定が必要と考えられる。本研究では, 原単位となる年間木質部乾重成長量の算定式を得るため, 都市緑化に多用される6樹種, 30本を対象に, 樹幹解析により成長過程を明らかにした。その結果, 樹高, 胸高直径と木質部乾燥重量には密接な関係があり, 回帰曲線が得られた。また, 樹高, 胸高直径と樹齢とは直線による回帰が可能であり, 両者の関係から, 特定の大きさの樹木1本の年間木質部乾重成長量を推定する式を作成した。この式からは, 各樹種の多様な大きさに対応した年間木質部乾重成長量が得られる。算定式の構造は次のとおりである。Y= a{(X+c)b-Xb} ; Y: 年間木質部乾重成長量(kg/y), X: 樹高(m) または胸高直径(cm), a, bおよびc: 樹種毎の定数
著者
門出 康孝 山岸 裕樹 花井 陽介 清水 徹 黒田 忠広 Monde 1 Yasutaka Yamagishi 1 Hiroki Hanai 2 Yosuke Shimizu 1 Toru Kuroda 1 Tadahiro
雑誌
SIG-KBS = SIG-KBS
巻号頁・発行日
vol.B5, no.02, pp.36-41, 2015-11-08

We tried to apply a Deep Learning to diagnose the lung cancer from a gas chromatography mass spectrometry data of human urine. The mother data consists of 28 healthy people and 39 lung cancer patient urine data sets. Each data set has 394 pieces of peak value as a feature. We applied unsupervised and supervised learning to four-layer neural network (NN). We got 97.0% accuracy of the diagnosis. We also used the trained NN for search the target substance.
著者
菊池 直子 佐々井 啓 久慈 るみ子 山岸 裕美子
出版者
一般社団法人 日本家政学会
雑誌
一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.70, pp.299, 2018

<b>目的</b> 東日本大震災後,被災者の生活支援に関して様々な観点からの研究がなされてきたが,衣生活については十分にし尽くされているとは言い難い.そこで,今回は衣服が独自にもつ精神的機能に着目し,震災から6年以上が過ぎた今だからこそ可能な,衣服に対する「思い」を中心に据えた調査を行った.また,生活再建過程における手芸活動が果たした役割についても調査した.<br><b>方法</b> 釜石市の仮設団地内サポートセンター,および大槌町の仮設団地集会所において衣生活に関するインタビューを行った.インタビューの内容は,震災によって失われた服飾に対する思いや,衣服に対する考え方の変化などである.また,大槌町の「手作り工房おおつち」を対象に,手芸活動の契機や活動による生活の変化などについてインタビューを実施した.実施機関は2017年9月~10月である.<br><b>結果</b> 生活のすべてを流失した被災者の中には,あまりの喪失感から愛着や思いも全くないという回答があった.その一方,流失した衣服を諦められず何度も思い出すという回答もあった.震災から年数が経ち,高齢女性の服装が鮮やかな色調に変化したという回答が複数認められた.明るい気持ちになりたいという思いが服装に表れたと考えられる.また,手芸活動については,支援物資の衣服のお直しや布製の袋物が必要とされたことから始まったこと,徐々にコミュニティが形成されたこと,生きる活力につながったことなどが確認された.
著者
山岸 裕和 小坂 仁 長嶋 雅子 桒島 真理 宮内 彰彦 池田 尚広 小島 華林 松本 歩 山形 崇倫
出版者
一般社団法人 日本てんかん学会
雑誌
てんかん研究 (ISSN:09120890)
巻号頁・発行日
vol.35, no.3, pp.693-701, 2018
被引用文献数
1

<p>ペランパネル(PER)は、AMPA受容体を非競合的に阻害する新規の抗てんかん薬である。日本国内の使用実績の報告は少ない。今回、知的障害者や12歳未満の小児を含む難治性てんかんの33例について、PERの治療効果と副作用を検討した。発作が50%以上減少した症例を「有効」とし、両側性けいれん性発作への進展を含む焦点発作(Fs)と全般発作のうち強直、間代発作(GTCS)に対する有効率を検討した。FsおよびGTCSに対しては50%の症例で有効であった。全体では52%の症例に有効であった。12歳未満でも12歳以上と同等の有効率が得られた。併用薬剤別では、有意差は得られなかったものの、KBrを併用した2症例でともに有効であった。CBZやPHTといったCYP3A4を誘導する薬剤との併用例の有効率はそれぞれ30%、18%と低い傾向があった。副作用の出現率は55%で、情緒・行動面の異常が30%、傾眠・眠気が18%、めまいが15%であった。若年者や知的障害者では情緒・行動面の異常が出やすく、注意を要する。</p>
著者
山岸 裕 松江 正彦
出版者
日本緑化工学会
雑誌
日本緑化工学会誌 (ISSN:09167439)
巻号頁・発行日
vol.37, no.1, pp.241-244, 2011 (Released:2012-03-14)
参考文献数
8
被引用文献数
2 1

本研究では,街路樹として植栽されているイチョウ,プラタナスの地上部の形状の作成及び体積の計測を地上型レーザースキャナによる計測,計測データの編集及び樹木のサーフェスモデルを作成することにより行った。また,光波測距儀のマニュアル方式を用いた計測と比較検討を行った。本研究では,剪定後の街路樹で,切り口が瘤状の複雑な形状となり,光波測距儀では,正確にモデリングできなかったが,地上型レーザースキャナでは,枝等の瘤や樹皮の凹凸までほぼ正確に形状をトレースすることができた。ただし,イチョウなどの細枝などで一部形状を作成しきれない面も見られた。
著者
山岸 裕美子
出版者
一般社団法人 日本家政学会
雑誌
一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集 61回大会(2009年)
巻号頁・発行日
pp.219, 2009 (Released:2009-09-02)

目的 武芸を業とする職能集団の武士にとって、直垂は歴史を通じて用いられてきた衣服である。鎌倉時代の武士は当時、これを平服から礼服にいたるまで幅広く用いていた。そして中でも白の直垂は、北条氏執権体制下の武家社会においては何らかの特別な衣服となっていたと思われる。そこで、これがどのような意味合いをもって装われたのかについて検討し、考察を行った。方法 鎌倉時代の東国社会の様子について知るための一等史料である「吾妻鏡」をはじめ、当時の記録や物語類などを手がかりとして検討した。さらに、公家社会と武家社会が政治と文化の両面において複雑な駆け引きを行っていた時代背景を考え、武家の特性及び独自の主張についても考慮した。結果 白の衣服が浄衣と照応する形で神事などの場で用いられたことは、武家の白直垂についても同様である。しかし、当時の武家の白直垂にはそれとは異なる別の意味もあることがわかった。つまり、威儀を正した装束として儀礼などの晴の場で着用されるとともに、独自の儀でも盛んに用いられて、武家としての存在を示すものとなった。そして、やがては上級武士の好む装いの一つともなったと考えられる。