著者
鎌田 尚希 大木 あかり 荒井 将太 武田 将太郎 齋藤 杏 大澤 優輝 髙田 茉知 山本 貴士 武川 直樹 青木 良輔
出版者
一般社団法人 日本デザイン学会
雑誌
デザイン学研究 (ISSN:09108173)
巻号頁・発行日
vol.69, no.4, pp.4_1-4_8, 2023-03-31 (Released:2023-03-30)
参考文献数
13

畳まれた長傘による歩行時のヒヤリハット事例が日本の行政機関からしばしば報告されているが,長傘の危険な持ち方に関する対策検討が少ない.代表的な危険な持ち方に,長傘を地面に対して水平に持つ横持ちが取り上げられる.その問題に対し,長傘の先端が地面に向かうように持つという持ち方の啓発活動が主な対策である.しかし,横持ち以外の持ち方の危険性や,危険な持ち方に至る人々の心理の探究が少ない.本稿では,2種類の長傘の持ち方調査と,調査結果に基づく3種類のプロトタイプを提案し,その使用感をヒアリングした.持ち方調査から長傘の先端をつけない持ち方を,あるいは周囲への迷惑がないと判断すると本人にとって楽な持ち方を優先する傾向が確認された.この知見に基づいて製作された各プロトタイプのヒアリングから,楽な持ち方に適したものが好まれる傾向があった.
著者
山本 貴士 安原 昭夫
出版者
公益社団法人 日本分析化学会
雑誌
分析化学 (ISSN:05251931)
巻号頁・発行日
vol.49, no.6, pp.443-447, 0001-01-01 (Released:2001-06-29)
参考文献数
19
被引用文献数
10 15

ビスフェノールA(BPA)は,エストロゲン活性を示すことから内分泌撹乱化学物質と疑われている物質であり,社会的にも注目を集めている。この物質はポリカーボネート(PC)やエポキシ樹脂等の原料であることから,このような製品からの溶出について多くの関心が払われてきた。しかし,著者らが廃プラスチックからのBPAの溶出について検討したところ,塩化ビニル(PVC)製品からの溶出量が極めて大きいということが分かった。家庭において,よく水にさらされるPVC製品にホースがある。これらPVC製ホースからのBPAの溶出を調べたところ,実験に供した9製品すべてから溶出が確認され,濃度範囲は4.0~1730μg/lであった。製品の一つについて,水との接触時間を24時間まで変えて溶出濃度を求めたところ,最大558μg/lであった。単に水を通過させただけでも8.7μg/lのBPAが溶出した。これは,PC製品からの溶出濃度に相当する。
著者
天谷 公彦 角田 貴也 高谷 哲 山本 貴士
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集E2(材料・コンクリート構造) (ISSN:21856567)
巻号頁・発行日
vol.78, no.1, pp.72-89, 2022 (Released:2022-03-20)
参考文献数
21

プレキャスト工法の適用範囲の拡大を目的とし,プレテンション部材から延びたPC鋼材を再度緊張し接続部材にプレストレスを導入して一体化を図る「ハイブリッドPC(HPC)構造」の開発を進めている.本研究では,コンクリート強度とPC鋼材のエポキシ樹脂被覆の有無をパラメータとした定着実験と再緊張実験を実施し,プレストレス導入時および再緊張時のPC鋼材の付着機構について考察した.さらに,実験で得られた付着応力-すべり量関係を非線形FEM解析に導入し,PC鋼材の挙動の再現を試みた.検討の結果,プレストレス導入時と再緊張時で,またPC鋼材のエポキシ被覆の有無で付着特性が異なり,HPC構造には高強度のコンクリートが適していることが分かった.さらに,FEM解析にてPC鋼材の付着挙動を一定の精度で再現できた.
著者
道前 翔矢 金井 輝人 石井 順久 板谷 治郎 辛 埴 岡崎 浩三 小川 優 岡田 大 鈴木 剛 渡邉 真莉 染谷 隆史 山本 貴士 笹川 崇男 藤澤 正美
出版者
一般社団法人 日本物理学会
雑誌
日本物理学会講演概要集
巻号頁・発行日
vol.72, pp.1583, 2017

<p>従来のARPESでは平衡状態の電子構造について盛んに研究されてきた。近年はさらに発展した実験手法として、非平衡状態に励起された電子系が平衡状態へと緩和していく様子をフェムト秒の時間分解能で観測できる時間分解ARPESが試みられている。本研究発表では高次高調波を用いた時間分解光電子分光を用いてアンチノード方向を含めたBi2212の時間分解光電子分光の結果より擬ギャップの起源について議論する。</p>
著者
山下 亮 廣井 幸夫 荒添 正棋 山本 貴士 宮川 豊章
出版者
公益社団法人 日本材料学会
雑誌
材料
巻号頁・発行日
vol.66, no.8, pp.559-565, 2017

<p>Creep behavior of the epoxy resin anchor for CFRP sheet embedded in concrete was studied. Creep tests in 20°C and 40°C with the sustained loads of 3.0kN and 4.5kN were conducted for 42 days (1000 hours), where 3.0kN corresponded to the design load for the anchor. As a result, it was found that the creep displacement in the 40°C test was very large at the beginning of loading compared to the 20°C test. The glass transition temperature, Tg, was assumed to be the reason for the large creep displacement in the 40°C test. Therefore, Tg, tensile strength, and tensile modulus of elasticity were measured with various curing conditions for the epoxy resin. The measured Tg was 41°C with 23°C-7days curing and it increased up to 57°C for 7 days in case the curing temperature was increased from 23°C to 40°C. In addition, it was found that the tensile strength and the tensile modulus of elasticity showed linear relationship with Tg in the range of 41°C to 57°C, and the tensile modulus of elasticity in 40°C was 40% of that in 20°C when Tg was 45°C. The curing condition for 45°C of Tg was equivalent to the beginning of the 40°C creep test. Thus, it was concluded that the reason for the large displacement in the 40°C creep test was because Tg was relatively close to the test temperature.</p>
著者
山本 貴士 長谷川 亮 鹿島 勇治 鈴木 幹夫 横田 大樹 吉田 幸弘 上東 浩 前原 裕治 木名瀬 敦 貴田 晶子
出版者
一般社団法人 廃棄物資源循環学会
雑誌
廃棄物資源循環学会研究発表会講演集 第25回廃棄物資源循環学会研究発表会
巻号頁・発行日
pp.547, 2014 (Released:2014-12-16)

2011年3月の原発事故により,下水汚泥や焼却灰から放射性物質が高い濃度で検出される事例が東日本各地で多数報告され,原発事故由来の放射性物質に汚染された廃棄物の処理基準が定められたが,これまで廃棄物分野に特化した放射能濃度等の調査・測定法は存在しなかった。よって同年末に廃棄物等の放射能調査・測定法研究会から「廃棄物等の放射能調査・測定法暫定マニュアル」が発行された。その後,廃棄物関連分野での放射線・放射能の調査・測定に関しても事例や知見の集約が進んだことから,廃棄物資源循環学会内に設置された「廃棄物関連試料の放射能分析検討会」において改訂を行い、マニュアル(第2版)として公開した。今回は,この改訂されたマニュアルについて,改訂の経過と主な改訂点について紹介する。
著者
中村 繁貴 高谷 哲 前田 良文 山本 貴士 宮川 豊章
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集E2(材料・コンクリート構造) (ISSN:21856567)
巻号頁・発行日
vol.69, no.4, pp.450-461, 2013 (Released:2013-12-20)
被引用文献数
4

近年,多くの構造物が老朽化している中で,効率的な維持管理を実現する手段の一つとして,赤外線サーモグラフィが注目されるようになってきている.土木構造物への適用事例は増加しており,環境要因が測定結果に与える影響に関する研究も多く報告されている.しかし,構造物の維持管理における調査診断でははく離部を検知するだけでなく,はく落の危険性を評価することが,補修工法の選定などのためには重要である.本研究ははく落の危険性を定量評価することを目標とし,鉄筋腐食膨張圧模擬実験による各損傷段階の供試体に対して赤外線サーモグラフィ測定を行った.その結果,かぶりや破壊形態を考慮せずに劣化の程度を評価できる指標としてはく落危険度を提案し,測定温度環境を考慮したはく落予測を行うことが可能であることを明らかにした.