著者
森 俊子 岡崎 哲也 蜂須賀 研二
出版者
一般社団法人 日本脳卒中学会
雑誌
脳卒中 (ISSN:09120726)
巻号頁・発行日
vol.35, no.4, pp.281-286, 2013-07-25 (Released:2013-07-25)
参考文献数
8

要旨:前脳基底部健忘は,重度の前向性および逆向性健忘・人格変化を伴う作話・見当識障害・病識の欠如を特徴とする.今回経験した3症例では,前脳基底部に損傷が比較的限局した症例では,作話や記憶障害を認めたが遂行機能障害はなく,人格変化は比較的軽度で薬物により症状は改善した.一方前脳基底部を含めて前頭葉にまで病変が広がっている場合,遂行機能障害の合併,多動や多幸感などの人格変化,作話の持続が長い傾向があった.健忘の重症度やリハビリの効果においては両者で大きな違いはなく,エピソード記憶の改善は少なかったが,スケジュールノートを利用した反復訓練により日課的な日常生活は支障なく可能となった.
著者
森 里美 伊東 育美 白山 義洋 飯田 真也 二宮 正樹 白石 純一郎 岡崎 哲也
出版者
九州理学療法士・作業療法士合同学会
雑誌
九州理学療法士・作業療法士合同学会誌 (ISSN:09152032)
巻号頁・発行日
pp.200, 2016 (Released:2016-11-22)

【目的】パーキンソン病は振戦・筋固縮・動作緩慢・姿勢反射障害の症状を呈し、上肢機能では巧緻性動作低下を生ずる場合が多い。しかし、上肢機能におけるリハビリテーション介入効果に関する報告は少ない。今回、パーキンソン病患者を対象とした上肢機能の変化を2~3週間における短期集中リハビリテーション入院前後で比較、検討したので報告する。【方法】対象はパーキンソン病患者21名(男性6名、女性15名、Hoehn&Yahr分類:stageⅠ2名stageⅡ4名stageⅢ12名stageⅣ3名、年齢:71.2±9.2歳、固縮・振戦症状優位側(以下優位側)は右手9名、左手12名)。短期集中リハビリテーション入院では、薬剤調整は行わず、理学療法・作業療法、必要に応じて言語療法を行った。作業療法では関節可動域訓練、筋力増強訓練、巧緻性動作訓練、協調性動作訓練を実施した。上肢機能評価は簡易上肢機能検査(Simple Test for Evaluating Hand Function 以下STEF)を使用した。短期集中リハビリテーション入院前後でのSTEF総得点・各項目所要時間の比較にWilcoxon検定を用いた。有意水準をp<0.05とした。【結果】短期集中リハビリテーション入院前後では優位側・非優位側ともにSTEF総得点に有意な改善がみられた(STEF総得点(平均±標準偏差)優位側:前77.7±18.2点 後83.3±16.8点 非優位側:前80.1±18.0点 後86.6±14.4点)。STEFの各項目別にみると、優位側では大球(項目1)・中球(項目2)・大直方(項目3)・中立方(項目4)・木円板(項目5)・小立方(項目6)・布(項目7)・金円板(項目8)で有意な改善を認めた。非優位側では中球(項目2)・大直方(項目3)・中立方(項目4)・木円板(項目5)・小立方(項目6)・布(項目7)・小球(項目9)・ピン(項目10)で有意な改善を認めた。優位側では小球(項目9)・ピン(項目10)、非優位側では大球(項目1)・金円板(項目8)で有意な改善を認めなかった。【まとめ】当院での短期集中リハビリテーション入院により上肢機能は改善した。優位側では粗大な運動項目は改善したが、巧緻性動作に関しては改善しにくい傾向にあった。【倫理的配慮,説明と同意】本研究の計画立案に際し、事前に所属施設の倫理審査員会の承認を得た(承認番号H25-0965)。また研究を実施に際し、対象者に研究について十分な説明を行い、同意を得た。製薬企業や医療機器メーカーから研究者へ提供される謝金や研究費、株式、サービス等は一切受けておらず、利益相反に関する開示事項はない。
著者
千野 有紀子 中ノ内 恒如 岡崎 哲也 青柳 就介 石井 里奈 池田 貴之 鈴木 惟司 木林 卓弥 新部 友子 西端 純司 石川 敦 宮下 誠 松山 広樹 竹上 徹郎
出版者
特定非営利活動法人 日本急性血液浄化学会
雑誌
日本急性血液浄化学会雑誌 (ISSN:21851085)
巻号頁・発行日
vol.8, no.2, pp.132-136, 2017-12-01 (Released:2022-02-10)
参考文献数
6

AN69ST膜ヘモフィルター(sepXiris®,Baxter社製)の膜面積におけるサイトカイン吸着性能を比較検討した。【対象】治療開始15分後のヘモフィルター入口側IL-6≧1,000pg/mLであったsepXiris100®:10例,sepXiris150®:9例を施行した症例を対象とした。【方法】治療開始15分後,1時間後,24時間後,48時間後の4点でクリアランスを測定した。【結果】開始15分後,1時間後,24時間後,48時間後IL-6クリアランス(mL/min)の平均値は,sepXiris100®で24.5±18.6,8.8±7.8,6.1±5.2,7.4±12.0,sepXiris150®で25.4±8.2,11.8±5.3,-0.1±7.2,6.0±6.6であった。【結語】両者にサイトカイン吸着性能の有意差を認めなかった。
著者
岡崎 哲也
出版者
認知神経科学会
雑誌
認知神経科学 (ISSN:13444298)
巻号頁・発行日
vol.13, no.2, pp.164_0-164, 2011

回復期リハビリテーション病棟では高齢者が多く、脳血管疾患、運動器疾患にかかわらず認知機能の把握を求められます。初心者を対象として高齢者への施行を念頭に比較的簡便な認知機能の評価について概説します。