著者
岡崎 龍太 栗林 英範 梶本 裕之
出版者
特定非営利活動法人 日本バーチャルリアリティ学会
雑誌
日本バーチャルリアリティ学会論文誌 (ISSN:1344011X)
巻号頁・発行日
vol.21, no.2, pp.335-343, 2016 (Released:2016-09-09)
参考文献数
24

Listening music with mobile devices is now a part of our daily life. With the aim of generating vibration-based feedback to enrich musical listening experiences with mobile devices, we have applied a frequency shifting method, which was proposed previously in the literature for mixer manipulation or cross-modal relationship between tactile and auditory stimuli. Experimental results showed that the proposed method significantly increased the listener's evaluation of sound consisting of high-frequency components.
著者
櫻木 怜 池野 早紀子 岡崎 龍太 梶本 裕之
雑誌
エンタテインメントコンピューティングシンポジウム2014論文集
巻号頁・発行日
vol.2014, pp.133-136, 2014-09-12

近年視聴覚コンテンツの臨場感向上を目的とした全身触覚提示デバイスが数多く提案されている.こうしたデバイ スは共通して体格差による着脱の制限や煩雑さの問題を持つ.そこで本研究は身体に装着する振動子の数を可能な限 り減らし,かつ広範囲に振動を提示するため,ユーザの骨を介して身体広範に振動を提示することを試みる.本稿で は,身体広範囲に振動を伝達可能な骨部位の選定を行い,結果として選定された鎖骨に適した振動提示デバイスを製 作した.
著者
中井 優理子 岡崎 龍太 蜂須拓 佐藤 未知 梶本 裕之
雑誌
エンタテインメントコンピューティングシンポジウム2014論文集
巻号頁・発行日
vol.2014, pp.50-54, 2014-09-12

ぬいぐるみに人とのインタラクション機能を付与する従来の提案の多くは,ぬいぐるみに音声や手足および眼球の動き,呼吸や心拍に伴う動き等を付与するものであったが,不完全に実現されたインタラクションはかえってぬいぐるみに対する没入感を損なう危険があった.今回我々はぬいぐるみに生き物感を付与する最小限の構成として,目の表面の涙のゆらぎを表現する手法を提案する.涙のゆらぎは鏡面反射によって拡大して知覚されるため,微小な動きで人に知覚させることが出来,また感情表現を行える可能性がある.今回は水中の気泡と振動子を用いるだけの簡易な手法で目のゆらぎを実装し,その効果を検証した.
著者
岡崎 龍太 櫻木 怜 Vibol Yem 梶本 裕之
出版者
特定非営利活動法人 日本バーチャルリアリティ学会
雑誌
日本バーチャルリアリティ学会論文誌 (ISSN:1344011X)
巻号頁・発行日
vol.21, no.4, pp.645-655, 2016 (Released:2017-02-01)
参考文献数
26

There are numerous proposals of tactile displays that aim to improve music listening experiences. However, these devices commonly have problems, such as the heavy weight and large size of the device due to numerous actuators, which lead to long setup time and user confinement to the system. To address these issues, we proposed to present vibration via user's collarbone. In this paper, we first investigated whether presenting vibration to the collarbone really contributes vibration transmission to wider areas of a user's body. Then, we performed a psychophysical experiment to evaluate subjective vibration effect with actual music listening experience. Results suggest that presenting vibration through the collarbone induces vibration transmission to wider area, and contributes user's subjective music listening experience.
著者
ヤェム ヴィボル 岡崎 龍太 梶本 裕之
出版者
特定非営利活動法人 日本バーチャルリアリティ学会
雑誌
日本バーチャルリアリティ学会論文誌 (ISSN:1344011X)
巻号頁・発行日
vol.21, no.4, pp.555-564, 2016 (Released:2017-02-01)
参考文献数
21
被引用文献数
1

Several kinds of vibration actuators were developed and widely used for haptic feedback and for simulating tactile experience. However, these actuators have certain design challenges, such as resonance via the spring attached to the vibration mass, and limited acceleration amplitude at low frequency because of the limited travel distance of the mass. In our study, we propose a new vibrotactile presentation method using the rotational motor's counterforce that occurs during acceleration or deceleration. This paper describes the effectiveness of a DC motor for high fidelity vibration and pseudo force presentation, and our design concept of a vibration actuator using a DC motor.
著者
岡崎 龍太郎
出版者
同志社大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2005

同時ペル方程式x^2-a z^2=y^2-b z^2=1の正の整数解の個数が2個以下だという定理を証明し, 雑誌論文として発表した. また, より一般的で, 代数的数体との関係の深い不定符号の一般化された同時ペル方程式|a_1 x^2-a z^2|=|b_1 y^2-b z^2|=4, (a_1, a, b_1, b : 正のパラメーター, x, y, z : 未知整数)を研究した. 不定符号の一般化された同時ペル方程式に適用できるようにYuanのp-進的な間隙原理を一般化した. 実複2次体の類群の研究の発展につながる研究であり, 8次以上のCM体の類群の構造の研究にフィードバックが期待される.導手が2の巾の円分体の実部文体の類数が常に1であるとのWeberの予想がある. Weberのこの予想の研究に単数の大きさの下からの評価が有効である. 類体論の計算的側面や不定方程式の研究で培った技術を応用することにより、次のような評価を得た : Kを該当する体の1つとし, その導手をfで表す. FをKの部分体のうち[K:F]=2を満たす唯一のものだとする. Kの単数εのFへのノルムが-1であるとの条件の下で, εの平方の有理数体へのトレースはf(f/2-1)/4以上である.
著者
岡崎 龍太
出版者
電気通信大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2014-04-25

本課題の目的はポータブル環境において,聴覚を触覚刺激提示によって補助・向上させることである.最終年度である本年度は下に述べた2項目において,これまでの研究成果の取りまとめをおこなった.一つ目は,聴覚と触覚の知覚可能な周波数範囲の隔たりに着目した触覚提示手法である.触覚の知覚可能周波数範囲は0 Hzから高々1000 Hz程度であり,音波形をそのまま触覚提示に用いると,音周波数の上昇に伴って触覚刺激が消失する.この問題に対して,提示する振動を低音域にしぼって身体全体へ高強度で提示したり,音の高低を振動提示部位の高低に置き換えるなどの手法が提案されているが,提示振動の強度や範囲が制限されるモバイル端末においてはこのような提示は困難である.そこで本研究では提示する振動に対して,ピッチシフト処理を行い,オクターブ低い刺激を振動提示する手法を提案した.生成した振動を音楽と合わせて体験した際の主観的な音楽体験評価を行った結果,これまで振動提示が困難であった比較的周波数の高い音を含む音楽に対して提案手法を用いて触覚提示することで,音楽に対する主観的な評価が有意に向上することが明らかになった.二つ目は,全身体感音響装置のモバイル化を目的としたものである.従来の体感音響装置に共通の問題である装置の大きさ,重さ,拘束性といった問題を解決するため,ユーザの骨を介して身体の広範囲に振動を提示する手法を提案した.これまでに,鎖骨が最も簡便かつ効率よく振動を体内へ伝達可能であることを検証した.また提案手法と従来手法で用いられてきた部位に対して振動提示を行い,ユーザが主観的に知覚する振動の「心地よさ」および音楽コンテンツへの影響に関して検証を行った.その結果,提案手法は物理的にも主観的にも身体広範へ振動を伝搬可能であり,またそれによってユーザが知覚する主観的な音楽体験が向上することが明らかになった.
著者
中村 佳正 今井 潤 中山 功 代田 典久 近藤 弘一 岡崎 龍太郎
出版者
京都大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2000

Caratheodoryの補間問題などに登場するPerronの連分数についてはChebyshev連分数のqdアルゴリズムに相当する計算量O(N^2)の連分数展開算法は知られていなかった.これに対して,まず,単位円周上の直交多項式の理論を基礎として,直交多項式の3項漸化式をLax表示とする新しい可積分系Schurフローを導出し,その差分化によって離散時間Schurフローの漸化式を与えた.さらに,離散時間SchurフローによるO(N^2)の計算量のPerron連分数展開アルゴリズムと代数方程式の零点計算アルゴリズムを定式化した.これにより,1)古典直交多項式-Chebyshev連分数-Toda方程式,2)単位円周上の直交多項式-Perronの連分数-Schurフローという対応図式が完成した.Thronの連分数の計算アルゴリズムの開発にも取り組んだ.まず,双直交多項式の3項間漸化式をLax表示とする可積分系である相対論戸田方程式に注目し,その可積分な離散化によって離散時間相対論戸田方程式のタウ関数解を見い出した.さらに,このタウ関数解の漸化式を用いて,Thronの連分数をO(N^3)の計算量で計算する連分数展開アルゴリズムを定式化した.従来,Thronの連分数については離散可積分系に基づく算法は知られていなかった.通常のFGアルゴリズムでは分母が零となり計算できない場合でも本アルゴリズムによって連分数が求められることもわかった.また,第2種Painleve方程式PIIの解のBacklund変換をLax対の両立条件としで表し,さらに,Lax対のひとつを直交多項式の3項間漸化式とみて,直交多項式に関連した連分数の係数がBacklund変換により相互に代数的に結ばれることを示した.この連分数がAiry関数のLaplace変換の連分数展開を与えることを証明した.