著者
岡野 節子 岩崎 ひろ子 Setsuko OKANO Hiroko IWASAKI 鈴鹿短期大学 鈴鹿短期大学 SUZUKA JUNIOR COLLEGE SUZUKA JUNIOR COLLEGE
雑誌
鈴鹿短期大学紀要 = Journal of Suzuka Junior College (ISSN:09158421)
巻号頁・発行日
vol.18, pp.63-70, 1998-01-01

鈴鹿の庄野地区に伝承される食文化について調べた結果,次のようであった。1.「焼米俵」は丙辰紀行(林羅山著)によると宿場の土産として売られていたが,今では記録に残るのみとなった。2.「毬もち」は名物として,昭和の初期まで売られていたが,今は僅かの家庭でお盆に作るぐらいになった。3.「毬もち」を商品としている店舗(7店舗)を訪ねてみたが,地方により呼び名,作り方あんの種類,もちの大きさ(重量),もちの上面につける糯米の色等が,異なっていた。4.「地蔵盆の土用餅」は20年程前に一旦消滅したのを,年に1回くらいは村の住民が集い,親睦を高めようと復活している。5.「川浚えの鶏飯」は出合い仕事が終わり,夕食でその労をねぎらうために村の衆が一献するのである。しかし,昨今では人気がなくなってきているようである。以上,庄野地区の昔ながらの食習慣も現代の生活感覚にはあわなくなり,消えゆきつつあることを実感した。
著者
井藤 克美 滑川 初枝 岩崎 ひろ子 鶴木 次郎
雑誌
一般社団法人日本老年歯科医学会 第29回学術大会
巻号頁・発行日
2018-05-16

【目的】 近年,かねてより続く社会全体の高齢化に対応すべく,訪問診療,在宅医療のさらなる充実が図られているが,その中で歯科医療の果たす役割は小さくない。一方,その学術的データの基礎となる症例報告の数はいまだ十分とはいえないのが現状である。今回,脳梗塞の発症により口唇閉鎖力に障害を持つ患者に対し,訪問診療にて多職種が連携し,摂食嚥下訓練を行い,口唇閉鎖力および摂食嚥下機能の向上と審美的回復がなされた症例について報告する。【対象と方法】 患者は脳梗塞を再発し,リハビリ病院より施設へ転所した79歳女性であり,全身に左麻痺が残り,要介護1の認定を受けていた。歯科診療については,上顎部分床義歯の調整および下顎右側部の急性歯周炎の治療を要する状況であり,施設からの依頼を受け治療を開始した。一連の歯科治療により咀嚼機能および審美性の改善が認められたが,本人,周囲の要望により,さらに満足度の高い機能回復のための嚥下訓練を行った。まず,摂食嚥下評価と内視鏡による機能検査を行い,その結果から,筋力向上を図る顔面マッサージ,電動ブラシを改良した嚥下補助器具の使用,口唇閉鎖力の向上を目的としフェイシャルエクササイズ機器を毎日行った。施設職員に対して,使用方法を指導,管理を依頼した。【結果と考察】 日々の摂食嚥下訓練により,口唇閉鎖力・摂食嚥下機能の向上および左顔面の麻痺は軽減が認められ,家族や友人と外食に行くことも可能になった。本症例により身体機能と心が密接な関連性を持つこと,とりわけ自分の口を用いて食事を摂ることの重要性をあらためて認識した。今後も,これら症例に積極的に取り組み,引き続きどのように歯科医療が寄与できるのかを考えていきたい。
著者
岡野 節子 岩崎 ひろ子 Setsuko OKANO Hiroko IWASAKI 鈴鹿短期大学 鈴鹿短期大学 SUZUKA JUNIOR COLLEGE SUZUKA JUNIOR COLLEGE
雑誌
鈴鹿短期大学紀要 = Journal of Suzuka Junior College (ISSN:09158421)
巻号頁・発行日
vol.18, pp.63-70, 1998-01-01

鈴鹿の庄野地区に伝承される食文化について調べた結果,次のようであった。1.「焼米俵」は丙辰紀行(林羅山著)によると宿場の土産として売られていたが,今では記録に残るのみとなった。2.「毬もち」は名物として,昭和の初期まで売られていたが,今は僅かの家庭でお盆に作るぐらいになった。3.「毬もち」を商品としている店舗(7店舗)を訪ねてみたが,地方により呼び名,作り方あんの種類,もちの大きさ(重量),もちの上面につける糯米の色等が,異なっていた。4.「地蔵盆の土用餅」は20年程前に一旦消滅したのを,年に1回くらいは村の住民が集い,親睦を高めようと復活している。5.「川浚えの鶏飯」は出合い仕事が終わり,夕食でその労をねぎらうために村の衆が一献するのである。しかし,昨今では人気がなくなってきているようである。以上,庄野地区の昔ながらの食習慣も現代の生活感覚にはあわなくなり,消えゆきつつあることを実感した。
著者
岡野 節子 水谷 令子 岩崎 ひろ子
出版者
The Japanese Society of Nutrition and Dietetics
雑誌
栄養学雑誌 (ISSN:00215147)
巻号頁・発行日
vol.51, no.2, pp.101-105, 1993 (Released:2010-04-30)
参考文献数
6

かぼちゃ, にんじん, 抹茶をそれぞれ添加した食パンを調製して, パンの比容積と物性値の測定を行い, 次のような結果を得た。1) パンの比容積は, かぼちゃ双びにんじんを20%添加したものが, 対照と同じかやや大きく, 添加量が増加するに従い比容積は小さくなった。しかし, にんじん (ゆで) は, 添加量を多くしても対照とほとんど変わらなかった。2) かぼちゃパンは, 硬さ, 弾性率において, かぼちゃ添加量が多くなるに従い大きい値となり, かぼちゃを添加することによりパンは硬くなった。緩和率においてもかぼちゃを添加すると大きくなり, 圧縮した時に回復の悪いパンになることが分かった。3) にんじん (生) パンは添加量が多くなっても, 硬さ, 弾性率とも小さい値でやわらかな良質のパンをつくることができた。4) 抹茶添加では, 小麦粉に対して2.5%添加すると, 膨化性, 物性ともに悪くなり, 良質のパンをつくることはややむずかしかった。以上より, パンの焼性からみると, かぼちゃ, にんじんは小麦粉に対して40%程度, 抹茶は2.5%以下の添加が適当であると思われる。
著者
岡野 節子 久保 さつき 岩崎 ひろ子 水谷 令子
出版者
鈴鹿大学短期大学部
雑誌
鈴鹿短期大学紀要 (ISSN:09158421)
巻号頁・発行日
vol.11, pp.135-142, 1991

ハマチの燻製を製造するための前処理としての塩漬け法と塩抜き法の検討を行った。(1)ハマチを塩漬けすると部位によって吸塩量に違いが見られた。すなわち,頭部,腹部の吸塩量が少なく,尾部で多かった。(2)塩漬け中の水分は5時間までは減少するが,その後の変化はほとんど見られず,たて塩法で脱水は少なかった。(3)塩抜きした時点では,ため水法の方がわずかに多く塩が抜けた。
著者
岡野 節子 岩崎 ひろ子
出版者
鈴鹿大学短期大学部
雑誌
鈴鹿国際大学短期大学部紀要 (ISSN:13450085)
巻号頁・発行日
vol.19, pp.77-84, 1999

鈴鹿市玉垣地区における山の神行事の状況について現地において聞き取り調査を行なった。次のような結果を得た。(1)山の神行事の分布は農村の活性化に関連があり、農村地帯に多い。(2)祭祀場所は神社、または、山の神の祭祀場で行なう。(3)祭祀の実施は玉垣地区は秋1回であるが、土師地区のみ2回実施する。(4)祭祀の供物は赤飯、鶏飯、御神酒、みかん等である。(5)祭祀の象徴である「どんど火」は住宅事情により小さい火に移行してきた。(6)山の神行事は男児が中心に参加するのが原型であるのが、昨今においては子供数の減少により女児の参加の地域も増えてきた。
著者
岡野 節子 岩崎 ひろ子
出版者
日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会誌 (ISSN:13411535)
巻号頁・発行日
vol.31, no.1, pp.69-71, 1998
参考文献数
4
著者
岡野 節子 岩崎 ひろ子
出版者
鈴鹿大学短期大学部
雑誌
鈴鹿国際大学短期大学部紀要 (ISSN:13450085)
巻号頁・発行日
vol.19, pp.69-75, 1999

鈴鹿市国府地区・平野町に伝承されている食文化「そうめんぬた」について探訪し,次の結果を得た。1.「そうめんぬた」は核家族世帯より複合家族の世帯に多く,日常的に調理されている。2.「そうめんぬた」の供食目的については法事食が最も多くみられ,次いで日常食としてであった。3.「そうめんぬた」に用いる材料(主材料・副材料)については,古くから伝承されてきた材料は,時代の嗜好変化とともに少しずつ変わってきている。4.「そうめんぬた」の供食法についてはご飯と一緒に食べることが多く,ご飯のおかずの一献立としている。嗜好状況について家族全員に好まれている。5.「そうめんぬた」の嗜好は年齢が高くなるにしたがって,「大好き」が増加している。6.その他,平野町に伝承される食文化に「どうかんだんご」がある。「天王祭」の伝承は住民あげて参加をしている。また,この祭事には必ず「どうかんだんご」を各家で作ったり,店で購入して行事食として伝承されている。