著者
向後 千春 岸 学
出版者
日本教育工学会
雑誌
日本教育工学雑誌 (ISSN:03855236)
巻号頁・発行日
vol.20, no.3, pp.161-166, 1996-12-20 (Released:2017-10-20)
参考文献数
4
被引用文献数
1

映像と文字情報の提示についてのデザイン原則への示唆を得ることを目的として,外国映画の字幕つきビデオを視聴するときの眼球運動を分析した.実験材料として,字幕版のビデオ,「JFK」と「マルコムX」を用いた.それぞれから5分間程度のシーン4つを選び,編集したものを,アイマークカメラを装着した被験者に視聴してもらい,そのときの眼球運動を記録した.1行6文字,1行13文字,2行13文字,2行20文字の4種類の字幕パターンに注目し,それぞれにおいて,眼球運動を,字幕への反応時間,先頭への移動時間,実質的な読み時間,(2行字幕の場合)改行時間,に分解し詳細に調べた.その結果,字数が増えれば増えるほど文字あたりにかかる時間が長くなり,そこでは行数の要因と文字数の要因とが効いていることが明らかにされた.
著者
向後 千春 岸 学
出版者
日本教育工学会
雑誌
日本教育工学雑誌 (ISSN:03855236)
巻号頁・発行日
vol.20, no.3, pp.161-166, 1996-12-20
被引用文献数
3

映像と文字情報の提示についてのデザイン原則への示唆を得ることを目的として,外国映画の字幕つきビデオを視聴するときの眼球運動を分析した.実験材料として,字幕版のビデオ,「JFK」と「マルコムX」を用いた.それぞれから5分間程度のシーン4つを選び,編集したものを,アイマークカメラを装着した被験者に視聴してもらい,そのときの眼球運動を記録した.1行6文字,1行13文字,2行13文字,2行20文字の4種類の字幕パターンに注目し,それぞれにおいて,眼球運動を,字幕への反応時間,先頭への移動時間,実質的な読み時間,(2行字幕の場合)改行時間,に分解し詳細に調べた.その結果,字数が増えれば増えるほど文字あたりにかかる時間が長くなり,そこでは行数の要因と文字数の要因とが効いていることが明らかにされた.
著者
加藤 裕教 根岸 学
出版者
京都大学
雑誌
特定領域研究
巻号頁・発行日
2008

がん細胞の浸潤・転移に深く関連のある細胞接着や運動に関して、Rhoファミリーの低分子量G蛋白質の関与がこれまでにも数多く報告されている。最近Dock180に代表される、新しいタイプのRhoファミリーG蛋白質活性化因子(Dockファミリー)の存在が明らかになった。本研究では、我々が新しく見出したRhoG-ELMOを介したDockファミリーの活性制御メカニズムが、乳癌細胞の浸潤に促進的に関与していることを明らかにした。我々は始めにRhoGの上流について検討を行い、RhoGを活性化するGEFとしてEphexinファミリーに属するEphexin4を見いだした。Ephexin4は乳癌細胞において発現が見られ、乳癌細胞の浸潤性と深く関係があるとされるEphA2と細胞内で結合していることを見いだした。さらにショートヘアピンRNAにより内在性のEphexin4をノックダウンさせると乳癌細胞の運動性が抑制され、ノックダウン細胞にEphexin4もしくは常時活性型RhoGを発現させることでそれは細胞運動の抑制が解除された。Ephexin4によるRhoG活性化の下流では、ELMO2-Dock4複合体が関与していることも明らかとなった。以上の結果から、Ephexin4によるRhoGを介したDock4の活性化という新しいシグナル伝達経路を見いだし、この経路が乳癌細胞の浸潤性の増強に深く関わっていることが考えられた。