著者
下河辺 美知子 巽 孝之 舌津 智之 日比野 啓
出版者
成蹊大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2010-04-01

本研究はモンロー・ドクトリンの文化的・政治的意味を検証してきた。モンロー大統領の言葉は歴史を通して行為遂行的効果を発揮し、西半球・東半球という概念を喚起した。この洞察は19世紀アメリカの政治的無意識への理解を深め、20世紀ポストコロニアル研究へ有効な視座を与え、球体として地球を見直す新たな視点につながり21世紀の世界情勢分析のための有効な概念であることが証明された。研究成果は、国内海外の学会発表(61件)、論文(41件)著書(31件)として発表されており、2014年3月にはシンポジウムを行った。テロと核を抱える21世紀世界における惑星的共存への提言として成果物出版計画が現在進行中である。
著者
荻野 安奈 巽 孝之 新島 進 宝野 アリカ 立仙 順朗
出版者
慶應義塾大学藝文学会
雑誌
藝文研究 (ISSN:04351630)
巻号頁・発行日
vol.90, pp.58(211)-96(173), 2006-06

2005年度藝文学会シンポジウム第一部 : 人造美女の解剖学第二部 : 人造美女の復活質疑応答
著者
巽 孝之
出版者
上智大学
雑誌
アメリカ・カナダ研究 (ISSN:09148035)
巻号頁・発行日
no.12, pp.1-23, 1995-03-31

ポウが1841年に発表した「モルグ街の殺人」は, パリを舞台に名探偵デュパンが活躍する作品として, 推理小説史の幕を開けた。しかし今日, その舞台や主役設定, はたまた残虐なる貴婦人殺しを行なったオランウータンなどをそっくり字義的に読むことは, いささか難しい。かつてバートン・ポーリンは, 本作品中のパリがいかにアメリカ化されているかを指摘し, 他方バーナード・ローゼンタールやジョアン・ダイアンらは, 作家の南部貴族的精神や奴隷制擁護の姿勢がいかにテクストの無意識を統御してきたかを分析した。本稿は, そうした新歴史主義批評以降のポウ研究をふまえつつ, ポウにおける修辞的テクストと歴史的コンテクストとがいかに記号的相互交渉を行ない, ひいては, ポウにおける歴史が作品の背景に埋没するどころかいかに作品内部の盲点を積極的に構造化してきたかを解明する。その前提としては, 殺人オランウータンを南部黒人の一表象と見る視点が選び取られる。だが, 南部的女性崇拝が黒人差別転じて黒人恐怖と密着していたのは当然としても, そうした恐怖の本質をさぐるとなれば, 人種意識を超えて, さらに南部における所有権の歴史を一瞥しなければならない。黒人に代表される「闇の力」への恐怖を形成したのは, 奴隷叛乱を懸念する恐怖のみならず経済革命としての農地再分配(アグレリアニズム)が貴族的主体を脅かし所有権を侵害することに対する恐怖だった。そしてデュパンは, 誰よりも南部に関するアレゴリーを読み解く技術に秀でた南部貴族として性格造型された。
著者
巽 孝之
出版者
日本文学協会
雑誌
日本文学 (ISSN:03869903)
巻号頁・発行日
vol.43, no.11, pp.66-77, 1994-11-10 (Released:2017-08-01)

笙野頼子は夢について語りつづける。もちろんこれまで「夢」といったら、伝統的なリアリズム文学が忌避し、伝統的なシュールレアリスム芸術のみが特権化してきた手法であった。けれども、初期短・中編群から、昨今の中・長編群へ至る過程で、笙野頼子はむしろ、従来の二分法ではおさまりきらない日本的無意識特有の「夢」を紡ぎ出す。それは、読者の認識論的準拠枠とともにジャンル論的準拠枠をもゆさぶってやまない。
著者
巽 孝之
出版者
慶應義塾大学藝文学会
雑誌
芸文研究 (ISSN:04351630)
巻号頁・発行日
no.58, pp.p242-227, 1990

慶應義塾大学部文学科開設百年記念論文集
著者
巽 孝之
出版者
慶應義塾大学
雑誌
藝文研究 (ISSN:04351630)
巻号頁・発行日
vol.75, pp.276-258*, 1998-12-01

山本晶教授退任記念論文集1. アメリカ大富豪の主体変容2. デイジーは何を読むか3. もうひとつのネイチャー・ライティング
著者
巽 孝之
出版者
日本文学協会
雑誌
日本文学 (ISSN:03869903)
巻号頁・発行日
vol.43, no.11, pp.66-77, 1994-11-10

笙野頼子は夢について語りつづける。もちろんこれまで「夢」といったら、伝統的なリアリズム文学が忌避し、伝統的なシュールレアリスム芸術のみが特権化してきた手法であった。けれども、初期短・中編群から、昨今の中・長編群へ至る過程で、笙野頼子はむしろ、従来の二分法ではおさまりきらない日本的無意識特有の「夢」を紡ぎ出す。それは、読者の認識論的準拠枠とともにジャンル論的準拠枠をもゆさぶってやまない。
著者
下河辺 美知子 巽 孝之 舌津 智之 日比野 啓
出版者
成蹊大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2014-04-01

本研究は19世紀アメリカの拡張運動を牽引したマニフェスト・デスティニーの文化的・政治的意味を検証し、その心理的・精神的効果が情動を操作するナラティブとしていかに機能してきたかを小説、政治言説、大衆文化、映像などを使って分析した。その結果、アメリカ国家の拡張運動を地球規模の中で見るための道筋を得ることができた。19世紀アメリカの政治的無意識への新たな理解は、球体として地球を見直す視点につながり、本研究が21世紀の世界情勢分析に有効であるという見通しを得た。2018年3月に最終シンポジウムを行い、それをもとに、21世紀世界における惑星的共存への提言として2019年3月に成果物出版の予定である。