著者
平井 良直
出版者
日本インテリア学会
雑誌
日本インテリア学会 論文報告集 (ISSN:18824471)
巻号頁・発行日
vol.5, pp.65-73, 1995 (Released:2022-06-01)

幕末の横浜に建てられた揚屋建築のうち,最大かつ最も豪華なものが<岩亀楼>であり,そこには《扇の問》という座敷があった。その室内装飾は, [扇面散し]ないしは[扇面流し]といったインテリア・デザインの伝統を引くのみならず,横浜開港直後に幕府の政策に沿って建てられた異人揚屋であるという, <岩亀楼>の歴史的特異性をも反映しているように思われる。
著者
濱口 芳浩 平井 良夫 谷山 敦 合澤 正哲
出版者
公益社団法人 日本獣医師会
雑誌
日本獣医師会雑誌 (ISSN:04466454)
巻号頁・発行日
vol.51, no.8, pp.407-410, 1998-08-20 (Released:2011-06-17)
参考文献数
8

実のついたモロヘイヤを黒毛和種繁殖母牛に給与したところ, 食欲不振, 下痢などの症状を呈して2日後に3頭が死亡し, 剖検では心外膜下の点状出血ならびに心内膜下出血が認あられた. 病理組織学的には心内膜に著明な出血, 脾臓に出血およびヘモジデリン沈着, 肝臓にうっ血が認あられた. モロヘイヤの実および死亡牛心臓の塩基性抽出液 (Stas-Otto法) から薄層クロマトグラフ法でストロファンチジンが検出され, モロヘイヤの実のエタノール抽出液を腹腔内投与されたマウス3匹中2匹が死亡した.
著者
牧山 清 松崎 洋海 平井 良治
出版者
一般社団法人 日本耳鼻咽喉科学会
雑誌
日本耳鼻咽喉科学会会報 (ISSN:00306622)
巻号頁・発行日
vol.117, no.9, pp.1173-1178, 2014-09-20 (Released:2014-10-07)
参考文献数
21

機能性疾患とは解剖学的あるいは病理学的な異常がないにもかかわらず臓器や器官などの働きが低下する疾患を指す. しかし, 国内外では喉頭ファイバー検査上で器質的な異常がなく, かつ運動麻痺がない疾患群を臨床的な意味での機能性発声障害と呼ぶことが定着している. 本稿では狭義の機能性発声障害, 変声障害, 心因性発声障害, 痙攣性発声障害, 喉頭振戦症について診断のポイントを述べる.
著者
平井 良
出版者
一般社団法人 日本プライマリ・ケア連合学会
雑誌
日本プライマリ・ケア連合学会誌 (ISSN:21852928)
巻号頁・発行日
vol.40, no.2, pp.73-78, 2017-06-20 (Released:2017-06-21)
参考文献数
13

目的:我々が作成した患者チェックリスト/スコアリングシート/標準的治療レジメンを用いた,胸部X線写真で異常を認めない成人の遷延性/慢性咳嗽症例に対する診断・治療システムの有用性を検討すること.方法:胸部X線写真で異常を認めない成人の遷延性/慢性咳嗽症例120例に上記システムに基づく診断・治療を行い,うち再診による治療効果判定が可能であった83例について検討した.結果:患者の平均年齢48.4歳(21-74歳),男性33名,女性50名,うち49例(59.0%)が気管支喘息,咳喘息,アトピー咳嗽などの「アレルギー性咳嗽」症例と最終診断された.再診時に67例(80.7%)の患者が中等度以上の症状改善(著明改善49例,中等度改善18例)を示した.結論:遷延性/慢性咳嗽症例に対する本システムは有用であるかもしれず,さらなる臨床的検討が必要である.
著者
平井 良治 池田 稔
出版者
日本口腔・咽頭科学会
雑誌
口腔・咽頭科 (ISSN:09175105)
巻号頁・発行日
vol.25, no.1, pp.1-5, 2012 (Released:2012-07-27)
参考文献数
45

現代社会は高い生活の質を要求し, 高齢化社会に伴って高齢者に多発する味覚障害患者は増加するものと推測されている. それに伴い味覚障害の診療の重要性が高まっている.現在まで味覚障害の原因は, ある程度検討され解明されている領域もあるが, 依然解明されていないものも多々存在する. よって, 味覚障害の診療で, 原因を確実に同定することは容易でなく, ガイドラインを作成することは繁雑な診療の一助になると考えられる.ガイドラインの作成に向けて本稿では, 味覚障害の発症に関与する因子としてこれまでに比較的よく検討が進められているミネラルの欠乏による味覚障害, 薬剤性味覚障害, 全身疾患に伴う味覚障害について述べる.