- 著者
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川口 広美
後藤 賢次郎
草原 和博
小川 正人
- 出版者
- 日本教科教育学会
- 雑誌
- 日本教科教育学会誌 (ISSN:02880334)
- 巻号頁・発行日
- vol.37, no.1, pp.85-94, 2014 (Released:2020-01-26)
- 参考文献数
- 19
- 被引用文献数
-
3
近年,「教科教育学」の学問上の位置づけや独自性を海外の視点から見直す動きがある。社会科教育学研究では,研究方法の日米比較を通して議論が重ねられてきた。この過程で特に争点となったのは,研究のあり方・目的についてと,「研究」と「開発」の関係である。そこで本研究は,米国在住の社会科教育学研究者へのインタビュー結果から,日本の研究との研究方法上の共通点と相違点の背景にある研究観を明らかにすることを目的とする。インタビュー結果からは,調査対象となった米国在住の研究者の社会科観と研究方法には多様な関係が見られたこと,現場教師の取り組みを映し出す「鏡」を提供することを研究の貢献としていること,背景には構成主義的な社会観があることを明らかにした。これらは,日本の教科教育学研究の特質を浮き彫りにするとともに,将来の教科教育学の国際比較に向けた研究の課題を示唆している。