著者
斉藤 恵美
出版者
奈良女子大学
雑誌
日本史の方法 (ISSN:18804985)
巻号頁・発行日
vol.2, pp.25-46, 2005-10-07
著者
呉 珠響 斉藤 恵美子
出版者
公益社団法人 日本看護科学学会
雑誌
日本看護科学会誌 (ISSN:02875330)
巻号頁・発行日
vol.37, pp.105-113, 2017 (Released:2017-10-31)
参考文献数
22

目的:本研究は,無年金または低年金の定住コリアン高齢者が経験した健康に関連する生活上の困難さを明らかにすることを目的とした.方法:研究参加者は,地域で生活する65歳以上の定住コリアン高齢者とした.Spradley(1979)のエスノグラフィックインタビューの手法を参考に,8名の参加者に1対1の半構造化面接を実施した.結果:収集したデータから70のサブカテゴリと8つのカテゴリを抽出した.カテゴリは,お金がないから生活が厳しい,1世は読み書きができない,地域に入っていくことは難しい,自分たちも日本人もどちらも関わろうとしない,人とのつながりをもつ重要性を認識しながらもつながりが持てない現実がある,よりどころがない,アイデンティティがひとつだけではない,社会へのあきらめの気持ちから地域に少しずつ染まるという8つで構成された.結論:看護職は,高齢の外国籍住民の多様な文化的背景や習慣の違いによる生活上の困難さを理解して,支援することが重要である.
著者
呉 珠響 斉藤 恵美子
出版者
一般社団法人 日本公衆衛生看護学会
雑誌
日本公衆衛生看護学会誌 (ISSN:21877122)
巻号頁・発行日
vol.4, no.1, pp.2-10, 2015

目的:日本の都市部で生活するフィリピン女性の食習慣の文化変容について明らかにすることを目的とした.<br/>方法:エスノグラフィの手法を用い,6名のフィリピン女性に半構成的面接を実施した.<br/>結果:収集したデータから141の構成単位を抽出し,29個のサブカテゴリから【フィリピンスタイルを続ける】【おやつとしてミリエンダをとる】【調理法を和風に変える】【日本の味にアレンジする】【和食を手軽に取り入れる】【食事に野菜を取り入れるようになる】【健康のために和食にするようになる】【日本スタイルを当たり前に受け入れる】の8カテゴリに分類した.<br/>考察:日本に定住しているフィリピン女性を対象とした保健指導などの機会には,文化変容についてもアセスメントし,健康に関わる自国の習慣の維持または変化や,日本社会の習慣や文化の受容の過程に着目することの必要性が示唆された.
著者
本田 浩子 斉藤 恵美子
出版者
日本公衆衛生学会
雑誌
日本公衆衛生雑誌 (ISSN:05461766)
巻号頁・発行日
vol.63, no.5, pp.252-259, 2016

目的 発達障害は症状や障害の範囲が広く,外見から障害があることがわかりにくいことも多い。また,乳幼児期から青年期・成人期に進むと発達障害の特性に二次障害による生活障害が加わることも多く,家族の負担が増加することが予測される。そこで,本研究では成人の発達障害者の親を対象として親の負担感に関連する要因を明らかにし,家族への支援について検討することを目的とした。<br/>方法 首都圏で活動している発達障害者の親の会,精神保健福祉センター,発達障害者支援センターを利用している発達障害者(18歳以上)の親125人を調査対象とした。調査期間は2011年10~11月として,無記名自記式質問紙による郵送調査を行った。調査項目は,対象者の基本属性,負担感として日本語版 Zarit 介護負担尺度短縮版(以下,J-ZBI_8),子どもの状況(性別・年齢・診断名・診断年齢・日常生活の状況・二次障害の有無等),家族内外のサポート状況として情緒的サポート(配偶者,配偶者以外の同居家族等),相談者の有無等とした。<br/>結果 有効回答64票を分析対象とした。女性54人(84.4%),50歳以上89.1%,家族人数の平均3.5人(標準偏差1.1,以下 SD),子どもの平均年齢28.9歳(SD 6.6)であった。子どもの診断は,自閉症32人(50.0%),アスペルガー症候群16人(25.0%),広汎性発達障害(自閉症・アスペルガー症候群以外)13人(20.3%)であり,J-ZBI_8 の平均値は12.8(SD 7.2)であった。負担感を目的変数とし,2 変量の単回帰分析で統計的に有意差のあった家族人数,二次障害の有無,日常生活の状況,情緒的サポート(配偶者)を説明変数,対象者の年齢および診断名を調整変数とした重回帰分析を行った。その結果,二次障害がありの方が(P=0.001),また,日常生活の状況として援助が必要であるほど(P=0.041),負担感が高かった。<br/>考察 本研究は,自閉症を中心とした限定した発達障害者の親を対象としており解釈に限界はあるが,親の負担感は,統合失調症や高次脳機能障害などの精神障害者等を介護している家族の負担感とほぼ同様の結果であった。子どもに二次障害があり,また,日常生活の状況として援助が必要であるほど,親の負担感と関連があった。今回の結果から,親の負担感を軽減するために,二次障害への支援と日常生活の状況に応じた援助が重要であることが示唆された。
著者
呉 珠響 斉藤 恵美子 河原 加代子
出版者
一般社団法人 日本地域看護学会
雑誌
日本地域看護学会誌 (ISSN:13469657)
巻号頁・発行日
vol.11, no.2, pp.74-79, 2009-03-31 (Released:2017-04-20)

目的:本研究は,都市部の一地域に暮らす在日フィリピン人の肥満と生活習慣の実態を明らかにし,基礎資料を得ることを目的とした.方法:20歳以上の在日フィリピン人60名に対し,無記名の英語の自記式質問紙による集合調査を実施した.結果:回収数は53名,有効回答数は40名であった.男性は12名(30.0%),女性28名(70.0%),BMI≧25の割合は男女ともに25.0%であった.男女での2群間での比較では,男性のほうが,家族以外の者との同居,大学卒業以上,8時間以上の勤務の人の割合が有意に高かった.また,男性のほうが,毎日フィリピン料理を食べる人の割合が有意に高く,ミリエンダの回数が有意に多く,食品摂取の多様性得点が有意に低く,食事の時間が有意に短かった.肥満群と非肥満群との比較では,肥満群のほうが,腹囲≧90cmの人の割合,身体的疲労がある人の割合,日本料理を食べる頻度が少ない人の割合が有意に高かった.結語:在日フィリピン人の肥満者の割合は25.0%であった.彼らの身体的な疲労,肉体労働への従事や長時間勤務,および食生活に関する習慣が肥満に影響を及ぼしていることが明らかになった.仕事や生活状況を考慮した肥満予防と健康維持および増進のための保健指導の必要性が示唆された.
著者
本田 浩子 斉藤 恵美子
出版者
日本公衆衛生学会
雑誌
日本公衆衛生雑誌 (ISSN:05461766)
巻号頁・発行日
vol.63, no.5, pp.252-259, 2016 (Released:2016-06-18)
参考文献数
20

目的 発達障害は症状や障害の範囲が広く,外見から障害があることがわかりにくいことも多い。また,乳幼児期から青年期・成人期に進むと発達障害の特性に二次障害による生活障害が加わることも多く,家族の負担が増加することが予測される。そこで,本研究では成人の発達障害者の親を対象として親の負担感に関連する要因を明らかにし,家族への支援について検討することを目的とした。方法 首都圏で活動している発達障害者の親の会,精神保健福祉センター,発達障害者支援センターを利用している発達障害者(18歳以上)の親125人を調査対象とした。調査期間は2011年10~11月として,無記名自記式質問紙による郵送調査を行った。調査項目は,対象者の基本属性,負担感として日本語版 Zarit 介護負担尺度短縮版(以下,J-ZBI_8),子どもの状況(性別・年齢・診断名・診断年齢・日常生活の状況・二次障害の有無等),家族内外のサポート状況として情緒的サポート(配偶者,配偶者以外の同居家族等),相談者の有無等とした。結果 有効回答64票を分析対象とした。女性54人(84.4%),50歳以上89.1%,家族人数の平均3.5人(標準偏差1.1,以下 SD),子どもの平均年齢28.9歳(SD 6.6)であった。子どもの診断は,自閉症32人(50.0%),アスペルガー症候群16人(25.0%),広汎性発達障害(自閉症・アスペルガー症候群以外)13人(20.3%)であり,J-ZBI_8 の平均値は12.8(SD 7.2)であった。負担感を目的変数とし,2 変量の単回帰分析で統計的に有意差のあった家族人数,二次障害の有無,日常生活の状況,情緒的サポート(配偶者)を説明変数,対象者の年齢および診断名を調整変数とした重回帰分析を行った。その結果,二次障害がありの方が(P=0.001),また,日常生活の状況として援助が必要であるほど(P=0.041),負担感が高かった。考察 本研究は,自閉症を中心とした限定した発達障害者の親を対象としており解釈に限界はあるが,親の負担感は,統合失調症や高次脳機能障害などの精神障害者等を介護している家族の負担感とほぼ同様の結果であった。子どもに二次障害があり,また,日常生活の状況として援助が必要であるほど,親の負担感と関連があった。今回の結果から,親の負担感を軽減するために,二次障害への支援と日常生活の状況に応じた援助が重要であることが示唆された。
著者
渋谷 紀子 斉藤 恵美子 柄澤 千登世
出版者
一般社団法人 日本アレルギー学会
雑誌
アレルギー (ISSN:00214884)
巻号頁・発行日
vol.62, no.12, pp.1598-1610, 2013-12-30 (Released:2017-02-10)
被引用文献数
1

【背景・目的】近年,経皮感作の重要性が注目されているが,乳児期の感作について詳細に検討した報告は少ない.【方法】317名の乳児に対し,1歳まで3カ月ごとにプリックテスト(SPT)とアンケート調査を実施し,感作およびアレルギー疾患発症のリスク因子について検討した.【結果】42%の乳児が一度はSPT陽性を示し,早期の感作は1歳までのアレルギー疾患発症と強く相関していた.生後早期の湿疹は感作(aOR, 3.0;95%CI,1.8-5.0),アトピー性皮膚炎(AD) (aOR, 13.0;95%CI, 4.5-37.3),食物アレルギー(FA) (aOR, 28.4;95%CI, 3.3-240.6)発症と有意な相関を認めた.乳児期の感作頻度の推移は湿疹経過と平行しており,FA児のほぼ全例が生後早期に湿疹を認めていた.母乳は湿疹のある児にとって感作とFAのリスクであり,早期に湿疹のない児はほとんどAD, FAを発症しなかった.【結語】生後早期の湿疹は乳児期の感作およびアレルギー疾患発症のリスク因子である.
著者
渋谷 紀子 斉藤 恵美子 苛原 誠 木戸 博
出版者
一般社団法人日本小児アレルギー学会
雑誌
日本小児アレルギー学会誌 (ISSN:09142649)
巻号頁・発行日
vol.34, no.5, pp.530-536, 2020-12-20 (Released:2020-12-20)
参考文献数
20

【背景】胎内感作の意義はいまだ明らかでない.【目的】新生児血中抗原特異的IgEを高感度測定法により測定し,乳児期の感作および食物アレルギー(FA)発症との関係を明らかにすること.【方法】125名の出生コホート研究を行った.新生児血中抗原特異的IgEを高性能蛋白チップにより測定し,6,12か月時に児のプリックテスト(SPT)を,0,1,6,12か月時に保護者へのアンケート調査を行った.【結果】125例の新生児血のうち,84%で何らかの抗原特異的IgEが検出され,約50%で卵白特異的IgEが陽性であった.新生児血中抗原特異的IgEは,SPTやFA発症と相関を認めなかった.妊娠中の鶏卵摂取量と新生児の鶏卵特異的IgEにも関連は認めなかった.生後早期の湿疹は,単変量解析ではSPTおよびFA発症と,多変量解析ではSPTと有意に関連していた.【結論】新生児血中IgEと乳児期の感作およびFA発症には関連が認められなかった.食物アレルギーに関与する感作は出生後に成立することが示唆された.
著者
猫田 泰敏 斉藤 恵美子 村田 加奈子 入江 慎治 原 正一郎
出版者
首都大学東京
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2008

本研究は、公衆衛生看護学の立場から、保健師養成課程の教育内容である疫学および保健統計学のミニマム・エッセンシャルズ(案)、すなわち、保健師学生が卒業時に最低限、身につけておくべき内容(案)を提案することである。また、これらの内容の習得に効果的で実践的な教育方法について、一部実践結果も含め、関連資料の提示を行った。