著者
本間 正明 井堀 利宏 跡田 直登 斎藤 慎 山内 直人
出版者
大阪大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
1994

本研究の目的は、これまで日本でほとんど行われてこなかったフィランソロピーについての経済学からの理論的及び実証的研究を行うことである。営利を目的としないフィランソロピー活動の重要性は日本においても着実に増しており、フィランソロピー活動の実態を把握し、その活動原理を定式化することは今後ますます重要になると思われる。本研究ではまず第1に、フィランソロピーの分析の基礎となる理論を整理、発展させるとともに、民間非営利セクターの活動と制度について、国際比較を含めて包括的に整理した。ついで、資金供給の観点から重要な寄付に関して、理論的、実証的に分析を行うとともに、日本の現状を踏まえた税制等の実証分析を行った。これらの研究により、日本の非営利活動の国際的にみた特徴が明らかになった。また、個人や企業フィランソロピー活動の動機付け、特に利他的動機と利己的動機の違いが理論的に整理された。フィランソロピーへの資金供給として重要な公益目的の寄付に関しては、税制が一定のインセンティヴ効果を持つことが明らかにされた。さらに、最適課税論の枠組みを用いて、全体としての社会的厚生を高めるような寄付税制のデザインはどのようなものかについて、理論モデルによる分析を行い、最適な寄付控除率などを導出した。第3に、阪神大震災の義損金支出や災害ボランティアの活動も踏まえつつ、民間非営利活動に関する税制やボランティア組織の法人化などの政策志向も強い問題を検討した。最後に、これらの議論を踏まえて、税制・法政など望ましいNPO制度のあり方について政策的論点を整理した。
著者
筒井 昭仁 瀧口 徹 斎藤 慎一 田村 卓也 八木 稔 安藤 雄一 岸 洋志 小林 秀人 矢野 正敏 葭原 明弘 渡辺 雄三 小林 清吾 佐久間 汐子 野上 成樹 小泉 信雄 中村 宗達 渡辺 猛 堀井 欣一 境 脩
出版者
Japanese Society for Oral Health
雑誌
口腔衛生学会雑誌 (ISSN:00232831)
巻号頁・発行日
vol.44, no.3, pp.329-341, 1994-07-30 (Released:2010-10-27)
参考文献数
35
被引用文献数
4

著者らは, 日本における飲料水中フッ素濃度とエナメル斑の発現状況の関係を明らかにすることを目的に, 1978年以来, 東北, 関東, 甲信越地方で飲料水中フッ素濃度の測定を継続的に行ってきた。その結果, フッ素濃度の変動が少なかった7つの天然フッ素地域を確認した。水道給水系は26あり, フッ素濃度は0から1.4ppmの範囲に分布していた。フッ素濃度を確認してきた地域に生まれ, 当該の水道水を利用して育った小学5, 6年生1,081名を対象に, 1987年歯牙フッ素症検診を行った。歯牙フッ素症の分類にはDeanの基準を使用した。また, 非フッ素性白斑についてもDean基準の白濁部面積算定基準を準用して分類した。確認された歯牙フッ素症はいずれもmild以下の軽度のものであり, very mild以上のフッ素症歯所有者率と飲料水中フッ素濃度との間に有意な正の相関関係 (r=0.485, p<0.05) が認められた。また, 非フッ素性白斑歯所有者率と飲料水中フッ素濃度との間には有意な負の相関関係 (r=-0.429, p<0.05) が認められた。全エナメル斑発現状況と飲料水中フッ素濃度の間には特別な傾向は認められなかった (r=-0.129, ns)。CFIは0.04から0.30であり公衆衛生上問題のない地域と判定された。この度の研究結果は, わが国の歯牙フッ素症に関する疫学研究において不足しているとされていたデータ部分を補うものであり, わが国の至適フッ素濃度研究に寄与するものであると考察した。
著者
斎藤 慎一
出版者
公益社団法人日本薬学会
雑誌
藥學雜誌 (ISSN:00316903)
巻号頁・発行日
vol.125, no.10, pp.771-784, 2005-10-01
被引用文献数
3

In this review we report our development and applications of the highly selective cycloaddition reactions of unsaturated hydrocarbons such as conjugated enynes, electron-deficient allenes, and electron-deficient methylenecyclopropanes in the presence of nickel and palladium catalysts. Homocoupling reactions as well as co-cyclization reactions proceed with high atom economy, which is an attractive feature of these reactions. The efficient synthesis of 4-7 membered carbocycles was achieved.